全試合、とはいきませんでしたが、可能な限りの試合をテレビとスマホで見守っていました。接戦・熱戦も多く、予想以上に真剣さと盛り上がりを見せていたと思います。もちろん不足や課題はありますけど、交流試合として最低限のところはクリアしたのではなかったでしょうか。開催してよかったと思います。
今回、都道府県大会とは切り離し、それぞれ別個に開催したことが、日程の重複を可能にし、余裕を生みました、この点は見逃せないでしょう。
とすると、問題は秋以降です。センバツ大会は春に野球ができればいいというものではなく、各地の秋季大会からの積み上げで成り立っています。通常であれば、都道府県大会→各地方大会→明治神宮大会とつながるトーナメントのピラミッドをどうやって成り立たせるのか。あるいはどのような代替案を立てるのか。依然として事態好転の兆候が見えない中、「コロナウイルス禍のもとでの初めての秋」はもう目の前なんですよね…。
「新たな挑戦」は成功 記憶に残る甲子園に―高校野球交流試合
2020年08月17日20時30分
甲子園高校野球交流試合が閉幕し、整列して国旗降納を見守る第3試合の山梨学院、白樺学園の選手ら=17日、甲子園交流試合は予定されていた全16試合を終了した。新型コロナウイルスの影響で、春夏連続で甲子園大会が中止。救済措置として行われた史上初の試みは、心配された選手への感染もなく無事に幕を下ろした。まずは成功と言え、記憶に残る甲子園となった。
出場32校が1試合限定。昨夏決勝の再戦となった履正社(大阪)―星稜(石川)、東西の雄対決の大阪桐蔭(大阪)―東海大相模(神奈川)など好カードもあり、盛り上がった。練習不足のチームもあったが、トーナメントとはひと味違う見どころもあった。
憧れの舞台に立てた選手の喜びは、プレーの随所でにじんだ。中京大中京(愛知)の今村陽一部長は「春と夏の中止で夢を絶たれた生徒たちに目標をつくってくれた」と感謝。「コロナに負けない」という思いを共有した32校の球児が躍動し、感染禍に苦しむ人々に強烈にアピールした。
自粛ムードからの転換の象徴として、他競技団体だけではなく国も交流試合を注視していた。だが、感染症との戦いは先行き不透明だ。日本高校野球連盟が「新たな挑戦」(八田英二会長)と掲げた交流試合が、一度限りで済む保証はない。
全国から選手が集まり長期滞在する通常の甲子園大会は、「ウィズコロナ」の時代ではリスクが大きい。炎天下での開催など、歴史と伝統を持つ高校野球には取り組まねばならない以前からの課題もある。今後について、日本高野連の小倉好正事務局長は「無観客や入場制限をこういう形でやれば(開催が)可能という見通しができた」と語った。
スポーツの魅力伝えた球児たち 関係者はさらなる発信へ努力を
2020.8.17 20:10 産経WEST 甲子園交流試合
東海大相模に勝利し、校歌をうたう大阪桐蔭ナインスタンドでは控え部員や保護者らが見守った=8月17日、甲子園(矢島康弘撮影)2020年甲子園高校野球交流試合は17日、最終日の3試合が甲子園球場(兵庫県西宮市)で行われ、計6日間の全日程が終了した。これまで選手や関係者の新型コロナウイルス感染の報告はなく、日本高野連の八田英二会長は「(コロナとの)共存社会下での高校野球運営につながる貴重な経験を積むことができた」と大会を振り返った。
交流試合は今春の選抜大会に選出されていた32校が招待され、各校が1試合ずつ、原則無観客の中でプレーした。次の課題は来春の選抜大会をどのような形で開催できるかにある。
この夏は交流試合に限らず、全都道府県で地方大会の代替大会も開催された。選抜大会出場校の選考材料となる秋季大会の開催に向けては、選手の円陣禁止といった感染予防策を現場で徹底していく必要がある。学生スポーツ界では冬場にサッカーやラグビー、バレーボールなど多くの競技で全国大会を控える。春から夏にかけては大会中止が相次いだが、高校野球の開催が今後の開催機運も高めていくだろう。
大会を本来の規模に近づけていくことも重要なテーマになる。その一つが観客の有無だ。今回は控え部員や保護者らしか入場が認められなかったが、プロ野球やJリーグは現在、1試合5千人を上限に観客を動員している。日本高野連の小倉好正事務局長は「専門家の指導を受けながら、(来春は)有観客も含めて準備をしていきたい」と話した。
選手からは「甲子園でもっと試合がしたいと思った」という本音も漏れた。スポーツの魅力はやはり優勝を目指し、しのぎを削ることにある。だが大会が長期間になれば、選手の移動や宿泊の際の感染リスクをどう抑えるかという問題がより大きくなる。今回は北海道や東北の高校を除いて公共交通機関は使用せず、宿泊も最小限にとどめることができたが、今回の経験を糧に、さらなる対策を考えていく必要がある。
10日の明徳義塾(高知)の逆転サヨナラ勝利など接戦が多く、テレビでも全国に生中継されたため、ひたむきなプレーが感動を呼ぶスポーツの魅力を多くのファンが改めて感じる機会になったはずだ。来年には東京五輪というビッグイベントが控える。先の見えないコロナ禍と向き合いながら、スポーツ界もまず中止ありきではなく、どうすれば大会の規模を高め、その価値を伝えられるかを考えていく時期を迎えている。 (丸山和郎)
https://www.sankei.com/west/news/200817/wst2008170021-n1.html