大阪公立勢の旋風:山田が近畿大会でも善戦

浪速や上宮・大阪産大付を破ったうえに、府大会3位決定戦という油断のしようもないガチ勝負の場で履正社を降したんですから、それだけでも大したものです。そのうえ、近畿大会では緒戦敗退とは言え、龍谷大平安に1-4と善戦でしょう?

21世紀枠としてこれ以上のモノをもって来れるところ、たぶん他にないでしょう。

「公立の星」山田 初出場の近畿大会で龍谷大平安に善戦
山口裕起 2020年10月19日 8時00分

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七回、岩崎健心の適時二塁打で1点を返し、盛り上がる山田ベンチ

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4失点で完投した山田のエース坂田凜太郎

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龍谷大平安(手前)に惜敗し、整列する山田の選手たち

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 高校野球の秋季近畿地区大会は18日、わかさスタジアム京都で開幕し、大阪の公立校として26年ぶりに秋季近畿大会に出場した山田(大阪3位)は、龍谷大平安(京都1位)に1―4で敗れ、1回戦で姿を消した。それでも、選手たちは「楽しかった」と笑顔で球場を後にした。

 春夏合わせて甲子園に75回出場している平安に、初めて近畿大会に出た山田が真っ向からぶつかった。三回に先制されたが、簡単には崩れない。エースの坂田凜太郎が直球とスライダーを低めに集め、野手陣も泥臭く打球を追ってもり立てた。

 打撃でもチーム全員がバットを短く持って、中堅返しを徹底。平安の4安打を上回る7安打を記録した。だが、好機で1本が出ずに計4併殺打で流れを作れない。逆に、山田の守備のミスをつけ込まれ、試合巧者の前に惜敗した。

 吹田市にある公立校の山田。部員33人はほとんどが地元中学の軟式野球部出身で、校庭のグラウンドはサッカー部や陸上部などと共用している。恵まれない環境のなか、創意工夫を凝らして大阪府大会で昨夏の全国王者の履正社を破るなど次々と強豪私学を倒した。ちまたでは「公立の星」とも呼ばれた。

 その快進撃は止まったが、8回4失点で完投した坂田は胸を張った。「思っていたよりも通用した。平安打線を4安打に抑えたんですからね。そりゃあ、楽しかったですよ」

 一方、平安の原田英彦監督は「勝つには勝ったが、選手たちの動きが悪いし、なにより元気がない。次戦に向けて引き締めたい」と不満げな様子。選手たちも口数が少なく、表情だけでは、どちらが勝者かわからなかった。(山口裕起)

https://www.asahi.com/articles/ASNBL5VPTNBLPTQP00K.html

強豪履正社を山田が破り、近畿大会へ 「信じられない」
浅沼愛 2020年10月5日 14時22分

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山田―履正社 九回表、横田の2点適時二塁打で逆転し、喜ぶ山田の選手ら=2020年10月4日、シティ信金スタ、浅沼愛撮影

 秋季近畿地区高校野球大会大阪府予選の決勝が4日、大阪市大阪シティ信用金庫スタジアムであり、大阪桐蔭東海大仰星を8―1で破って2年連続9度目の優勝を果たした。3位決定戦は、山田が九回に逆転して履正社を2―1で破り、初の近畿大会出場を決めた。公立勢の出場は、1994年の府予選で準優勝した市岡以来26年ぶり。大阪桐蔭東海大仰星、山田の上位3校は、17日から京都府で始まる近畿大会に出場する。

ほとんどが軟式出身

 公立で唯一、4強入りした山田の選手たちは、強豪の履正社を下して近畿大会出場を決めた瞬間、抱き合い、涙ぐんで喜びを爆発させた。

 九回に逆転の2点適時二塁打を放った4番の横田那音(なおと)君(1年)は試合後、「みんながベンチで喜んでいる姿を見て、うれしくて泣きそうでした」。尾崎紀昭主将(2年)は「今でも信じられず、実感がない」と興奮気味に語った。

 山田の選手31人のほとんどは、地元中学の軟式野球部出身だ。吹田市万博記念公園に近いグラウンドは七つの部活が使うため、打球が飛びすぎないよう竹のバットを使うなど、限られた練習環境の中で技を磨いてきた。

 府予選では浪速、上宮、大阪産大付など力のある私学を制して勝ち進んだ。前日の準決勝とこの日の履正社戦で対戦する強豪校の速球派投手対策として、1週間前から大半の選手がバットを寝かせて構える打法を練習して結果を出し、適応力の高さも見せつけた。

 金子恭平監督は「『99%以上の人が負けると思っている中でひっくり返せたら面白いぞ』と選手たちに伝えていた。彼らにありがとうと伝えたい」と感無量の様子。エースの坂田凜太郎君(2年)は「近畿大会でも今まで通り、1試合ずつ楽しんでがんばります」と意気込んだ。(浅沼愛)

https://www.asahi.com/articles/ASNB472LLNB4PTIL001.html