顧客満足度第1位!戦争記念館!

実は一昨日のことになるが、龍山に映画を観にいく前に、三角地は国防部の真ん前にあるこちらに行ってきた。


無料観覧のお知らせとともに「顕忠施設顧客満足度調査1位」と小さく書いてある。

そらーねえ、これだけお金かけてどんどん新しい企画を推進していれば、満足度も上がるってばさ。

まんまとリピーターになってて言えた義理ではないけど、これくらいのお金と情熱とを投入すれば、義王にある鉄道博物館だってもっと顧客満足度の高い施設になりますさきっと。韓国の鉄道に詳しい日本の鉄オタに依頼すれば、企画はいくらでも出てくると思うけどなあ。


愚痴はさておき、来るたびに思うし、ここでもしばしば書いていることだが、戦争記念館は年に1、2度来てても、どんどん新しい展示や設備ができていて、その意味ではまったく飽きが来ない。

今回気づいた展示・設備の更新は数え切れないのだが*1、まず一つは前近代の展示エリアである「戦争歴史室」。

展示パネルが最新の4ヶ国語版に更新され、展示全体の洗練度が上がっていた。

「6.25戦争室」が、映像設備の更新で一息ついてしまっていて、パネルの更新が滞っているのと比較すれば、その変化ぶりは明らかである。

正確な理由は知らないが、三国時代から高麗時代あたりにその更新が集中しているところを見れば、「太王四神記」に代表される韓国の時代劇ブームとの関連が脳裏に浮かぶのが普通だろう。とりわけ高句麗渤海の持ち上げぶりは、その背後にいわゆる「東北工程」問題も存在することをうかがわせる。そうした社会のニーズや関心に敏感な反応を見せる戦争記念館は、独りよがりで押し付けがましい展示でよしとするところでは、決してないのである。

売店でこれが売られていたのは偶然ではないのかも…と、思わないでもない。ここなら、それくらいのマーケティング調査をやってても別に不思議ではないからだ。

また、北朝鮮の南侵工作関連のコーナーはさらに拡充され、「北の核」についての展示も目立つようになっていた。

「国軍発展室」では、陸軍の装備に関する展示が徹底的に新しくなっていた。これはたぶん今後、海軍・空軍・海兵隊の展示へと展開していくのだろう。

最新型展示はどこも4ヶ国語のパネルが完備しているからすぐにわかる。
そういえば、屋外展示でも戦車類がさらに増えていた。やはりまずは陸軍から、ということか。

ともかく、さまざまな企画とともに、子どもも大人も楽しめる施設として韓国内屈指の充実度を誇っているのは確かである。日本で類似の施設を探すなら、靖国神社遊就館くらいしか挙げようがないと思うが、正直言って勝負にならない*2
ただ、ここが持っているこうした屈託のなさは、もしかしたら坪内祐三の描くかつての靖国神社に重なるのかもしれないとは思う。



靖国 (新潮文庫)

靖国 (新潮文庫)

*1:一つ付け足しておくなら、簡易版の図録(9000ウォン)も最新の展示更新と無料観覧を反映したものに一新されていた。

*2:もちろん、こんな勝負に勝とうとすべきかどうかは議論の分かれるところだろう。張り合っても何にもならないと、個人的には思う。