…その手の言い訳からは、劣勢からの反転攻勢の機運は盛り上がってこないと思うんですけどねえ。
ただ、客観的な現状分析は、必ずしも間違ってはいないと思います。
記事入力 : 2012/04/22 09:09
海外製に比べ味が薄い韓国ビール、そのワケは?「ラガー」へのこだわり
「のど越し優先」、韓国人の好みも影響韓国人が最も好んで飲む酒はビールだ。昨年、韓国国内で販売されたビールは計173万8759キロリットル。500ミリリットル瓶に換算すれば、実に34億7752万本に上る。満19歳以上の成人が1年に1人当たり89本を消費した計算だ。
韓国では最近、ビールの味と香りにこだわる消費者が増えている。これは、輸入ビール市場が拡大していることと少なからず関係がある。輸入ビールを好む人々は「韓国産ビールは味が薄い」という。また、韓国産のビールは、製造会社やブランドが違うにもかかわらず、互いに味が似通っているため、世界市場で戦えるような代表商品が誕生していない。こうしたことから「韓国はビール後進国」と言い切る専門家もいる。そこで、韓国産ビールの味に対する三つの疑問を徹底分析する。
■韓国産ビールは味が薄い
この指摘は正しい。韓国のビール会社(OBビールとハイト真露)は「韓国産は個性あふれる欧州産のビールに比べて味が薄い」ということを認めている。しかし、韓国産ビールの味が物足りないのは工法の違いによるもので、単純に「味の濃いビールが良いビール」と判断するのは間違っている、と主張する。
ビールには大きく分けて、比較的高温でビール瓶の上方を酵母(イースト)発酵させる上面発酵ビールと、低温でビール瓶の下方を発酵させる下面発酵ビールの2種類がある。俗に「エール系ビール」といわれる上面発酵ビールは、アルコール度数が相対的に高く、味が濃いのが特徴だ。ビールの本場である欧州産には、昔から上面発酵で製造されるビールが多い。
一方、ラガーと呼ばれる下面発酵ビールは、さっぱりとした清涼感が特徴だ。上面発酵ビールに比べ味が薄いのは仕方がない。米国、日本のビールや「ハイネケン」「ベックス」など欧州のメジャーブランドは、大半が下面発酵方式で製造されている。「カス」や「ハイト」などの韓国産ビールも、さっぱりとした炭酸や柔らかい喉越しを強調するラガービールであるため、味がよく似ているのだ。ある酒類業者の関係者は「輸入ビールの市場シェアは4−5%にすぎず、ほとんどの消費者はさっぱり感が売りのラガービールを好む」と説明する。
しかし、ラガービールだからといって、味が全て同じというわけではない。日本のサントリー京都工場でビール製造を総括するイザワ・イチロー・マネージャーは「ビールの原料には大きく分けてモルト(麦芽)とホップ(苦味や香り、泡立ちに影響を与える多年草)があり、独特の製造ノウハウを結合することで、さまざまな味を引き出すことができる」と説明する。酒類業界のある関係者は「わずか二つのビール会社が市場を二分している韓国は、新しい味やプレミアムビールの開発に無神経すぎた。世界市場で韓国ビールの認知度は、ほぼ“ゼロ”に等しい」と苦言を呈する。
■韓国産ビールは麦芽の含量が少ない
これは半分当たっている。ビールの主原料は麦の芽、つまりモルトだ。しかし、麦芽以外にもトウモロコシのでんぷんや米、小麦など、その他の穀物を混ぜ合わせて作るビールも多い。一部では、韓国産ビールの味が薄いのは麦芽の含量が少ないからだと考える人もいる。例えば、サントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」は、他の穀物を一切使用せず麦芽100%で製造するが、韓国の「カス」は麦芽67%にでん粉などを混ぜ合わせて製造されている。
韓国のビール会社は「麦芽の含有量が、良いビールと悪いビールを分ける基準にはならない」と主張する。OBビールの「OBゴールデンラガー」やハイト真露の「マックス」のように、国内メーカーも麦芽100%で製造したビールを販売しているが、市場では一般的なビールの方がよく売れている。柔らかい泡立ちと特有の香りで国内で人気が高いベルギービール「ホガーデン」は、麦芽以外にも小麦が半分近く含まれている。
OBビールのチェ・スマン専務は「麦芽の含量が高くなれば原価は多少アップするが、だからといってプレミアムビールが全て麦芽100%で作られているわけではない」と話す。麦芽以外にどんな材料を使用するかによって特色豊かなビールの味が表現できるというわけだ。しかし、これに対し、韓国のビール会社は、安いものを大量に消費させる戦略を取っているとの批判もある。
■韓国のビール製造技術は劣っている
韓国のビール会社は「製造技術では世界のどの国にも負けていない」と主張する。OBビールはこれまで「ハイネケン」や「レーベンブロイ」など世界的にも有名なブランドを委託生産した経験がある。現在韓国で生産されている「ホガーデン」や「バドワイザー」は、海外の本社が実施する品質評価で最上位圏にランクされている。また、ハイト真露にもドイツの「カールスバーグ」を生産したノウハウがある。
韓国国内のこうした状況について、OBビールのキム・ドンチョル常務は「韓国に世界的なビールブランドが存在しないのは、技術力のせいではなく、単なるブランドパワーの問題」と断言する。さっぱりとした味を好み、値上げに抵抗を感じる韓国人消費者の好みに合わせて開発した結果、ビールの多様性が欠如してしまったというわけだ。
陳仲彦(チン・ジュンオン)記者
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/04/22/2012042200072.html
まあ、韓国のビールは、焼麦にして飲まれたりしますから。「あれやるなら、ビールの味や質なんて正直どうでもいいんじゃないですか?」と、ちょっと意地悪なことを思ってしまいます。
もしかしたら、韓国に欠如しているのは、クオリティの高いビールを真面目に開発する気を起こすための動機づけなのかもしれません。