苦笑

わかってはいるんだから、そういうことをことさらに書かないでください、鮮于鉦記者…。

【記者手帳】ノーベル賞益川教授の後悔

 京都産業大学益川敏英教授(68)は「アイ・キャン・ノット・スピーク・イングリッシュ(わたしは英語が話せません)」という英語で、講演を始めた。8日、スウェーデンストックホルム大学で行われた、ノーベル賞受賞記念講演でのことだ。物理学賞を受賞した益川教授は、この短い英語を最後に、あとは一貫して日本語のみで講演を行った。日本語での記念講演は、1968年に文学賞を受賞した小説家・川端康成以来40年ぶりのことだそうだ。

 今年、ノーベル賞受賞者を4人(うち一人は現在、米国籍)も輩出した日本のお祝いムードは、10日の授賞式で最高潮を迎えた。発表直後から最も話題を集めたのは、やはり益川教授だ。ずっと日本国内で勉強してきた「非留学組」で、英語が苦手だから海外に行った経験もなく、パスポートすらないというエピソードの数々が伝えられたためだ。

 益川教授がノーベル賞を受賞したというニュースは、「英語コンプレックス」に悩まされている日本人にとって、胸のつかえが一気に下りたような出来事だった。益川教授は堂々と「英語ができなくても物理はできる」「英語ができないから物理をやった(英語ができないので文系をあきらめ、物理を専攻したという意味)」という。「英語による講演を求められたら?」と記者たちが質問すると、冗談混じりに「(ノーベル賞を)返す」と答えたほどだ。

 しかし、授賞式出席のため、生まれて初めて海外に出てからというもの、益川教授の考えはすっかり変わってしまった。

 益川教授は日本語での記念講演を終えると、「世界の人に情報を発信するつもりなら、英語が話せなければ科学者としては半人前」「科学者ですから、世界中の人間とコミュニケートしないと。英語がしゃべれたら、できたんだけどね」と、悔しさをにじませた。日本の各メディアは、「益川教授はほかの受賞者とのコミュニケーションに難しさを感じているようだ」と報じている。

 益川教授は受賞が決まった直後、大学生を対象にした講演で「大学院を卒業したら海外に目を向けなさい」と語りかけた。「英語ができなくても物理はできる」という時代は、日本でも益川教授で終わりのようだ。

東京=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員

http://www.chosunonline.com/article/20081212000036

いいんです。来世で頑張りますから。