【光州の風景】5.18記念公園

国立5.18民主墓地が光州市街から遠く離れた望月洞にあることはすでに書いたが、市内にそれに替わる記念空間がないわけではない。
そうした場所の一つが、光州市庁から程近い5.18記念公園である。

アパート群や学校などが隣接したこの公園は、5.18を記念するとともに、光州市民にとっての憩いの緑地としても機能しているようである。
公園内の主だった施設を紹介してみる。

5.18記念文化センター(5.18記念文化館)。どちらかというと市民会館的な建物であるようで、訪れたときには貸しホールで蘭展が開催されていた。
ただ、5.18記念財団をはじめ、5.18関連団体は、この建物内に事務所を構えている。こうした形は、例えば馬山の3.15アートセンターや、ソウルの4.19記念図書館などに通じるものがある。



この会館の背後に広がっている公園にあるのが、この円形の施設。道庁前広場の市民集会を象徴していると思しき形状の地上部の下には、犠牲者の名を刻んだ追慕空間が広がっている。そこへの入り口は薄暗い下り階段になっていて、初めてだと入るのにちょっと勇気が要る。





ここが追慕空間としてちゃんと機能しているかというと、これは正直なところ…である。今回は周辺にほとんど人がいなかったのだが、以前訪れたときには、高校生カップルがそこでいちゃついていたり、小学生が走り回っていたりしていた。

さて、さらにその背後にある丘を登っていくと、五月楼という楼閣が立っている。名前から明らかなように、これも5.18関連の記念物である。

平坦な光州市内の中では高いところに位置するのだが、眺めとしては…まあまあといったところかなー。




ともあれ、この公園が市街地にあることだけは明らかである。この後、文化センターからは反対側になるEマートの方へ降り、そこで一息ついたのである。