利用客低迷の仁川空港鉄道

仁川空港鉄道(A'Rex)は何度か使ったことありますけど、やっぱり金浦空港止まりっていうのは不便ですよ。
バスならソウル都心まで直通なのに、金浦空港から地下鉄5号線に乗り換えてもそれから結構時間かかったり、行き先によってはさらに乗り換えたりしないといけないし。
空港鉄道の仁川空港駅も、バスの乗車場よりかなり遠いしなあ…。
近々ソウル駅に直結するみたいですが、せめてソウル駅・龍山駅でKTXとの乗り換え需要を掘り起こし、電鉄中央線の往十里や清涼里、地下鉄9号線の江南方面と各方面からのアクセスを改善すれば、と思うんですがねえ。

記事入力 : 2009/05/12 13:45:52
利用客低迷の仁川空港鉄道、開業前予想の7%

 今月7日午前10時5分、空港鉄道の仁川国際空港行きの6両編成電車が金浦空港駅を出発した。車内は閑散としていた。270席のうち58席しか埋まっておらず、座席の80%は空いていたことになる。

 終点の仁川国際空港駅に到着する直前には乗客が36人に減った。定期券を購入し、2年にわたり空港鉄道を利用している空港勤務のキム・デグァンさん(51)は、「1両(45席)の乗客が8人を超えることはほとんどない」と話した。こんな仁川空港鉄道に2007年には1日当たり3億6620万ウォン(約2900万円)、昨年には同4億5644万ウォン(約3610万円)の国民の税金が政府補助金という形で使われた。

 ガランとした車内の光景は2007年3月の開通以来2年以上も続いている。11日に本紙が民主党の金聖順(キム・ソンスン)議員を通じて入手した国土海洋部の資料によると、今年1−3月の1日当たりの平均利用客数は1万7159人で、政府が同鉄道着工前に予想した24万8000人の6.9%にとどまった。開通初年度の07年は予想値の6.3%、昨年は同7.3%だった。

 乗客が予想値の90%に満たない場合、その差額を政府が支給するという契約があるため、政府は開通から2年間、空港鉄道を運営する民間企業のコンソーシアム「仁川空港鉄道株式会社」に2706億ウォン(約214億円)の補助金を支給した。しかし、今後はさらに問題となる。来年末からは補助金の規模が1日当たり12億6300万ウォン(約9990万円)へと約3倍に膨らみ、2040年までに総額13兆8000億ウォン(約1兆900億円)を支払うことになるからだ。

 政府の乗客需要予測が完全に外れ、空港鉄道が国民の血税を吸い上げる「税金ブラックホール」と化している。国土海洋部は最近、仁川空港鉄道を韓国鉄道公社(KORAIL)に買収させ、今後の税金による負担額を6兆7000億ウォン(約5300億円)に減らす案を推進すると発表した。それでも、依然として「税金爆弾」となることは避けられない。

 どうしてこのような状況が生まれたのか。本紙が取材したところ、当時の需要予測と契約締結の過程に政府官僚による理解不能な判断や不適切な行政決定があったことが確認された。民間の建設業者にカネが支給されるように乗客需要を意図的に水増ししていたのではないかという疑惑まで浮上するほどだ。こうした状況は本紙が入手した政府文書や報告書からも明らかだ。


 端的な例は出入国旅客1人当たりの訪問客数だ。交通開発研究院(現韓国交通研究院)が契約締結前年の2000年、建設交通部とまとめた研究報告書によると、仁川空港の出入国者に対する出迎え、見送りの人数は、空港鉄道開通初年度の旅客1人当たり0.361人から2020年には0.22人に大幅に減ると分析されている。海外旅行などが日常化し、出迎えや見送りに訪れる人が減るとみられることが理由で、そうした傾向は実際にも確認されている。

 しかし、政府は2001年3月に仁川空港鉄道と建設契約を結ぶ際、研究結果を3−5倍上回る旅客1人当たり1.1人の出迎え、見送りを見込んで需要を算出した。そのため、空港鉄道の予想乗客数が実際よりも大幅に膨らみ、政府補助金の支払額も予想よりはるかに増えた。研究を実施した交通研究院のクォン・ヨンイル博士は「契約締結前に建設交通部に報告を行っており、実際の契約時には(研究結果が)十分に反映されるべきだったが、そうはならなかった」と述べた。

 鉄道利用客の需要予測では、空港利用客が鉄道と道路のどちらを利用するかも大きな条件となるが、ここでも鉄道利用者を過大に予測した。契約締結前の1999年(交通開発研究院)、2000年(ユシン・コーポレーション)に実施した研究でも空港鉄道の利用比率は開通初年度で20%とみられていた。しかし、契約時には不明確な理由で鉄道利用比率が40%として計算された。

 もう一つの決定的な誤りは、空港リムジンバスの運行が需要予測に反映されていなかった点だ。政府は1999年から2000年にかけ、仁川国際空港運営準備推進基本計画などで、同空港と全国主要都市を結ぶリムジンバスの運行を決めていたが、空港鉄道の建設契約を結ぶ際にはそれが考慮の対象から外れていた。その結果、鉄道の予想乗客数が実際より過大評価された。

 要するに政府は、鉄道乗客の需要予測が増える変動要素を調査段階で最大限反映した一方で、需要予測のマイナス要素を反映させないという常識的には納得困難な対応を取っていたというわけだ。そしてなぜそんなことが起きたのか、政府の誰一人としてしっかりと説明できずにいる。

http://www.chosunonline.com/news/20090512000047
http://www.chosunonline.com/news/20090512000048
http://www.chosunonline.com/news/20090512000049