考試院暮らし

ソウルあたりなら少し街を歩けばこうした考試院はいくらでも目につきますが…本来は定住生活のスペースではないですからね。ここのブログここの記事にもあるように、いろいろ問題があったりします。
ともあれ、正直、他人事ではないんですよ。

記事入力 : 2009/07/31 15:15:10
追跡取材:「1坪人生」送る会社員が急増
都心にも庶民向け賃貸マンションを増やすべき

 政府系企業で契約職として働くOLのチョン某さん(25)は、今月1日からソウル市永登浦区にある20代から30代の若者専用の考試院(受験生向けの貸し部屋)に入居した。これまで1年以上、京畿道安山市にある自宅からソウル市麻浦区にある職場まで、往復2時間を費やして通勤してきたが、あまりにも大変だったため職場近くに部屋を借りることにしたのだ。

 チョンさんの部屋は正方形の片隅に柱があり、広さは1坪(約3.3平方メートル)だ。それ以外の部屋よりも0.5坪(約1.6平方メートル)ほど狭い。普通よりも狭いため、家賃は月30万ウォン(約2万3000円)ほど。帰宅後に夜7時から11時まで、住んでいる考試院の総務としてアルバイトすることにし、その代わり家賃を月10万ウォン(約7500円)にしてもらうことにした。

 「給料は107万ウォン(約8万円)だが、そのうち50万ウォン(約3万7000円)を毎月の積立し、30万ウォンの家賃まで支払うと生活は成り立たない。自分の力で得られる部屋はこれが限界だった」

 ソウル市東大門区の繊維工場に通うピョ某さん(52)はここ3年間、家賃24万ウォン(約1万8000円)の考試院で生活している。ピョさんは事業を始めた友人の保証人となったが、アジア通貨危機の影響で友人の会社が倒産したため、一気に借金生活を送らざるを得なくなった。その後妻と離婚し、今は再起を目指して必死に貯蓄している。

 給料は月150万ウォン(約11万円)だが、「家賃と食費以外はすべて節約し、今までに2800万ウォン(約210万円)貯めた。自分の稼ぎでこれだけ貯蓄するには、考試院以外にほぼ選択肢はない」と語る。

 韓国で最近、「1坪人生」を送る人が増えている。消防防災庁の集計によると、全国の考試院は1997年のアジア通貨危機をきっかけに徐々に増え始めたという。同庁の統計によると、2005年末の時点で4211カ所だったのが、今年初めには6126カ所へと3年で1.5倍に増えた。考試院に住む人の数はおよそ25万人と推定されている。非正社員や契約職として働く若者や、都心でつらい肉体労働に従事する30代から50代のワーキングプアにとっては、保証金が必要なく、毎月の家賃が安い考試院はほぼ唯一の選択肢だ。

 中央大学都市地域計画学科の河晟奎(ハ・ソンギュ)教授(62)は、「一人暮らし、片親家庭、留学する子供に妻がついて行ったことで一人暮らしをしている夫など、家族形態も非常に多様化している。しかし都心では中産層家庭向けの高級マンションばかりが増えている。今後は都心の再開発に関して、交通の便が良い駅前に公共の賃貸住宅や庶民向けマンションを増やす方向で検討する必要がある」と述べた。


政府系企業で契約職として働くOLのチョン某さん。ソウル市永登浦区にある考試院の自室に座って鏡を見つめている。チョンさんは部屋代を節約するために、毎晩考試院の総務としても働いている。19日撮影。/写真=キム・ドンヒョン記者

廉康洙(ヨム・ガンス)記者(社会部)
キム・ジョンフン記者
呉允煕(オ・ユンヒ)記者
キム・ドンヒョン記者
パク・スンチャン記者
ソン・ジャンフン記者
ユン・ジュホン記者

http://www.chosunonline.com/news/20090731000059