【高校野球】新潟文理‐中京大中京

注目の決勝戦。

両校投手陣が必死にしのぎ合う序盤から中盤の展開。そして6回から大きく試合が動く。

中京大中京ビッグイニング。そして追加点。日本文理も追いすがるが、点差は開いたまま。

4−10で迎えた9回表。2死ランナーなし。

ここからの日本文理の攻撃は見事だった。「諦めなければ人間、ここまでできる」ということを、満員の観衆は目の当たりにした。

サードのグラブに収まった最後のライナーも、会心の当たり。

勝者にも敗者にも等しく万雷の拍手。その価値のある試合であった。




中京大中京、全国最多7度目の優勝 43年ぶり
2009年8月24日 17時12分


日本文理中京大中京 1回裏中京大中京2死二塁、堂林が中堅右に先制2ランを放つ。捕手若林=甲子園

 第91回全国高校野球選手権大会最終日は24日、兵庫県西宮市の甲子園球場で決勝を行い、中京大中京(愛知)が新潟県勢初の優勝を目指した日本文理を10―9で破り、7度目の全国制覇を果たした。

 中京大中京は計17安打の猛攻。2―2の六回に破壊力ある打線が一挙に6点を奪った。九回に5点を返され1点差に迫られたが逃げ切った。

 中京大中京の優勝は1966年の第48回大会で春夏連覇して以来で、愛知勢としても43年ぶり。7度の優勝は広島商(広島)を抜いて全国最多となった。

 中京大中京は1回戦で龍谷大平安(京都)を5―1で破り、2回戦では関西学院(兵庫)に5―4でサヨナラ勝ち。3回戦は長野日大(長野)との中部対決で16安打を放って15―5で大勝した。

 準々決勝は都城商(宮崎)を6―2で下し、準決勝では4本塁打で選抜準優勝の花巻東(岩手)を11―1で圧倒。優勝候補の前評判通りに力を発揮して全国4041校の頂点に立った。

【試合経過】先攻・日本文理 後攻・中京大中京

1回表 日本文理、2番・高橋隼が出塁するも、後続をたたれる。

1回裏 中京大中京の堂林が先制2ラン。日本文理の伊藤の立ち上がりを攻める。

2回表 吉田、高橋義の連続2塁打で、日本文理が1点を返す。堂林、3者三振で後続を断つ

2回裏 中京大中京の岩月が左前打。

3回表 高橋隼の本塁打で、日本文理が2−2の同点に。

3回裏 磯村の安打などで一死満塁。後続を断たれ中京大中京加点ならず。

4回表 日本文理、追加点ならず

4回裏 中京大中京、金山が内野安打で出塁。送りバント失敗などで得点ならず

5回表 日本文理、3人で攻撃終わる

5回裏 河合、堂林の連続安打で無死2、3塁の好機。しかし後続が断たれ、中京大中京の追加点ならず。

6回表 日本文理、無死1、2塁で、中京大中京の投手が堂林から森本に交代。堅い守備で追加点許さず。

6回裏 中京大中京、二死満塁から堂林の左前打で2点追加。その後、柴田の走者一掃2塁などで、この回一挙6点。8−2とし日本文理の伊藤を攻め立てる。

7回表 日本文理、湯本、若林の連打で無死1、2塁。中村の安打で1点を返し3ー8に。

7回裏 河合、磯村の安打で、2点を追加し、中京大中京10点目。

8回表 日本文理中京大中京の森本の暴投で1点を返す。

8回裏 中京大中京、ランナーを出すも追加点ならず。

9回表 中京大中京の投手、堂林に再び交代。その後、森本にマウンドを譲る。日本文理は安打攻勢で5点を返すもあと一歩及ばず。

中日新聞

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2009082490113922.html

日本文理、最終回に驚異の粘り

 第91回全国高校野球選手権大会は24日、甲子園球場で決勝戦を行い、本県代表の日本文理中京大中京(愛知)に9―10で惜敗、悲願の初優勝はならなかった。しかし6点を追う最終回、粘って1点差まで詰め寄るなど「打撃の文理」の魅力を存分に見せつけた。

 日本文理は初回、2点の先制を許したが、二回に連続二塁打で1点を返すと三回、高橋隼之介選手がレフトスタンドへソロ本塁打を放ち、2―2の同点に追い付いた。

 先発の伊藤直輝投手は五回まで毎回走者を背負いながら2失点と踏ん張ったが、六回、走者一掃の適時二塁打など打者一巡の攻撃で6点を奪われた。さらに七回にも2点を失った。

 しかし日本文理は七、八回に1点ずつを返すと、九回は2死から切手孝太選手が四球で出塁、そこから4本の長短打を集め打者一巡の攻撃で5点を奪い、1点差まで中京大中京を追い詰めた。なおも2死一、三塁で8番若林尚希捕手が三塁ライナーに倒れた。

 日本文理はこの試合14安打を放ち、全試合2けた安打を達成した。

新潟日報2009年8月24日

http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=1&newsNo=160563

歴史に残る驚異的粘り=日本文理、必死の猛攻−高校野球

 最後の一瞬まで満員の甲子園を絶叫させた。初めて踏んだ決勝の舞台で、日本文理が歴史に残る驚異的な粘りを見せた。

 6点差の九回2死。切手の選んだ四球が猛攻の呼び水となった。高橋隼、武石の連続長打で4点差。死球の後、高橋義もフルカウントまで粘って四球。日本文理の打者はボール球にほとんど手を出さない。カウント2−3を想定した打撃練習を繰り返してきた成果が、最後の土壇場でも生きた。

 満塁でエースの伊藤。左前打で二人の走者を帰し、「ずっとつなぎの野球を心掛けてきたけど、味わったことがない気持ち。最高だった」。なおも一、二塁。代打の石塚が初球を左前に運んだ。

 ついに1点差。一打同点の一、三塁。打席に入る若林に中村主将が「絶対にいける。おれまで回せ」と声を掛けた。地鳴りのような声援。若林の鋭い打球は三塁手の正面。必死につないだ攻撃が届かずに終わった。

 「最終回はまさに自分たちの野球。最高の声援を聞けた。この仲間と野球ができてよかった」と中村主将は胸を張った。スタンドからは優勝チームと変わらない大きな拍手が送られた。

(2009/08/24-19:16)

http://www.jiji.co.jp/jc/c?g=spo_30&k=2009082400787