ことの後になって、わかることがあります。
私がここに来たのは、何のためだったか。
新天地に足を踏み入れたあなたを出迎え、
あなたが旅立ったときには、帰ってくる日のために留守を守り、
必要なときには影となって、切羽詰って倒れそうなあなたを支え、
そして、日々を重ねて大人となり、巣立っていくあなたを送り出す。
私は、そのために、ここに来たのです。
送り出したいま、そのことがはっきりとわかります。
私にはもう、ここでやるべきことは残っていません。
(「あとは自分のことをやればいいのに。」
あなたはそう言います。
私のこととはすなわち、あなたのことだったのです。)
今日の日までここで過ごしてきた時間を、私はあなたに捧げましょう。
あなたのこれからの人生への、晴れやかな祝福となることを祈りつつ。