平井将生だけが救い

Jリーグも、ガンバ大阪を含むACL組の未消化試合から再開。

負けるよりはマシとは言え、京都サンガ相手に引き分けでは、とても満足とはいきません。平井将生のブレイクがリーグ序盤だけのものではないことが、せめてもの救いです。

8戦8発!ブラジルの星 平井14年W杯へ号砲


<G大阪・京都>後半、ドリブルを仕掛ける平井 Photo By スポニチ

 Jリーグは14日、ACL出場組が未消化だった第11節4試合を実施し、リーグ戦を再開した。G大阪はホームで京都と1―1で引き分けたが、FW平井将生(22)が得点ランク首位に並ぶ今季8得点目となる先制弾を決めて好調ぶりをアピール。W杯南アフリカ大会の日本代表メンバー入りを逃した期待の新星が、14年W杯ブラジル大会に向け力強くスタートを切った。

 一瞬のチャンスを、平井は見逃さなかった。0―0のまま迎えた後半2分。FW武井が出したスルーパスを追いかけるようにゴール前に突進。スライディングしてきた相手DFがクリアミスしてルーズになったボールを、そのまま冷静にゴール右隅へと流し込んだ。「難しいシュートじゃなかった。ただ反応しただけだし、打ったら入った。適当ですよ」。貴重な先制ゴールとなった今季8得点目で、名古屋のFWケネディに並び得点ランクトップに立った。

 昨季までリーグ戦では無得点と結果が出ていなかった平井だが、3月23日のACL・SAF戦(シンガポール)でハットトリックを達成して一気にブレーク。突如、すい星のごとく現れたストライカーに、日本代表の岡田監督も「あんな選手いたの?これから何試合か見たい」と西野監督に連絡を入れるなど注目。一時はW杯日本代表のサプライズ候補に名前も挙がった。

 だが、4月10日のアウェー大宮戦で左太腿裏を肉離れし、戦線離脱。南アフリカへの切符は夢と消えた。この故障により約1カ月も別メニュー調整が続いたが、リーグ戦ではこの日の1得点を含めて出場8試合で8得点。驚異的なペースでゴールを量産しアピールを続けている。

 後半15分すぎからは左足の付け根がけいれんし、ガクッと運動量が落ちた。「もっと走れるようになりたい。走りに強い体をつくらないといけない」。W杯で得点王に輝いたスペインのFWビジャを目標にしている22歳は、W杯の舞台で戦える体を追い求めた。

 「自分はブラジルを目指します。また気持ちを切り替えてやりたいっす」。4年後には26歳。最も脂が乗った時期に迎えるブラジル大会では“ナニワのアンリ”が日本のエースとして君臨する。

 ◆平井 将生(ひらい・しょうき)1987年(昭62)12月4日、徳島県生まれの22歳。徳島市のプルミエール徳島SCからG大阪ユースを経て06年にトップ昇格。3年目の08年4月27日の神戸戦でJデビュー。今年3月28日の仙台戦でJ初ゴール。ACLでも4試合4得点と活躍した。U―16、U―20日本代表。1メートル79、67キロ。利き足は右。

[ 2010年07月15日 ]

http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2010/07/15/03.html