かつて、1980年代から1990年代にかけて黄金時代を築き、甲子園ボウル6回、ライスボウル4回の優勝を誇る京都大学ギャングスターズ。最近は関西リーグDiv.Ⅰにこそ留まっているものの、かつての栄光は遠い過去のものになっていた。慢性的な部員不足に悩まされ、去年は入れ替え戦行きの危機にも見舞われた。
そんな京大ギャングスターズが、今年は少し復活してきているらしい。伝統の関西学院や、京大低迷後に関学との二強時代を形成した立命館、昨年関西で優勝して一気に甲子園ボウルまで制した関西大学といった強豪に伍してどこまで食い込んでいけるか、今後数年の動向に注目してみたい。
京大初勝利、立命大2連勝 関西学生アメフット
アメリカンフットボールの関西学生リーグは19日、万博フィールドで2試合を行った。京大は49−14で同大を下し、初勝利を挙げた。同大は2連敗。立命大は65−10で甲南大を退け、2連勝した。京大は第1クオーター7分、LB福田(3年、五條)の62ヤードファンブルリターンで先制。その後もQB今村(3年、甲南)からWR上広(2年、加古川東)への39ヤードTDパスなどで同大を突き放した。
立命大は3点リードで迎えた第2クオーター、RB川端(3年、関西大倉)の12ヤードTDランなどで一挙21点を奪うなど甲南大を圧倒した。
【 2010年09月19日 23時07分 】
『京都新聞』と『神戸新聞』とをこうして並べてみると、おのずと観点が違っていることに気付く。大阪にはこうした有力地方紙が存在しない*1ので、大阪をはさんでその東西の地域差がちょっと面白い。
甲南大が初黒星 関西学生アメフット
アメリカンフットボールの関西学生リーグは19日、大阪府吹田市の万博フィールドで2試合を行った。甲南大は立命大に10‐65で敗れ、今季初黒星を喫した。立命大は2連勝。京大は同大に49‐14で快勝し、初白星を挙げた。甲南大は相手のラン攻撃を止められず、前半に4タッチダウン(TD)、後半には5本のTDを奪われた。
(2010/09/20 08:24)
【アメリカンフットボール】京大アメフト 復活の道
あまりに遠回りな仕掛けで、支えになるのはただ勝利への渇望だけだ。低迷する京大アメリカンフットボール部が、新入生勧誘のためシステム化に乗り出した「受験指導」が、3年目を迎えて成果を実らせつつある。日本一4度、学生王者6度の伝統校も、関西学生リーグの優勝は1996年が最後。今季の開幕戦となった4日の立命戦は、敗れたものの、最終クオーターの途中まで1点差で食い下がった。西村大介ヘッドコーチ(33)は「勝たないといけない試合だった」と振り返ったが、目を引いたのは、一時の部員減に歯止めがかかり、選手数が100人近くまで戻ったことだ。
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時代の移ろいは早い。西村コーチの現役時代は、約120人の1年生が入部。うち半分は「京大でアメフトをやりたい」と志願していた。だが、現在、自ら門戸を叩いてくる学生はほぼゼロ。勧誘しても1部にいることさえ知らず、「おかあちゃんに聞いたら、昔は強かったんですね」と言われる始末だという。
2006年1月に発覚した不祥事が追い打ちをかけた。一昨年はどん底で2〜4年生が計35人を切り、昨季は史上最低のリーグ戦6位。05年から本格指導する西村コーチは「このままだと、この部は消滅すると本気で思った」。手をつけたのが、勧誘制度の改革だった。
OBらの協力で、全国の進学校など100校近くを回り、アメフトだけでなく他競技のアスリートらにも声をかけた。このうち約30人の3年生、浪人生を対象に夏、冬休みに1か月半の勉強合宿を開催。1日15〜16時間に及ぶ勉強は、部員が教師を務め、練習中は自習にする。今年入部した42人の1年生のうち、10人はその参加者だ。西村コーチは「スポーツをやってきた子が、短期集中で京大合格を目指す勉強法は、予備校さんにも負けない」と話す。
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今年6月に70歳になった水野弥一監督が、指導者として初めて関学と対戦し、0―114で敗れたのは1965年春。「打倒関学」とともに歩んだ歴史は、国立の難関校が勝利を追い求めて編み出してきた方策の積み重ねだった。ラインの重量化、ハードタックル、もちろん戦術も。アメフトという競技の特性に見事にからんだ。
「受験指導」は、ライバル校のスポーツ推薦制度に比べれば、実にもどかしい。1年目は30人のうち1人しか合格しないなど、挫折もあった。だが、彼らの本気の取り組みは復活への第一歩に違いない。
(2010年9月7日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/sports/other-games/20100907-OYO8T00213.htm?from=sub