拮抗する関西勢と関東勢:大学サッカー・ラグビー・アメフト

昨今の状況をまとめれば、関西勢と関東勢とが拮抗する大学サッカー、関東勢が圧倒する大学ラグビー、関西勢が圧倒する大学アメフト、となるでしょう。

で、この週末、サッカーのインカレでは関西学院大阪南大と明治大・国士舘大が4強を構成し、ラグビーの大学選手権では関西リーグの優勝を競った天理大と同志社大が早稲田大と慶応義塾大を撃破、アメフトの甲子園ボウルでは立命館大と早稲田大が1点差試合を展開、といった調子で、どこも競った試合をしています。

個人的にはもちろん、「関西勢が勝てばいい」と思っているのですが、こうして実力伯仲の試合が見れているのは、何はともあれいい傾向です。

特にラグビーは、もう30年以上も関西勢が優勝してませんからねえ。いい加減そろそろ帝京大・明治大・東海大あたりを関西勢が撃破する姿を、見てみたいものです。

[大学選手権]呉屋がついに流経大から得点!関学大が昨年決勝のリベンジ成功
15/12/13 21:31

[12.13 大学選手権準々決勝 流通経済大1-2(延長)関西学院大 町田]

 アパマンショップPresents第64回全日本大学選手権(インカレ)の準々決勝が13日に行われ、町田市立陸上競技場の第2試合では、関西学院大(関西1/総理大臣杯)が流通経済大(関東4)を延長戦の末に2-1で下し、準決勝に進んだ。16日の準決勝は、明治大(関東2)とNACK5スタジアムで対戦する。

 昨年度の決勝の再戦。組み合わせが決まった時点でお互い、ここに照準を合わせて調整を続けてきた。張り詰めた緊張感は試合序盤からお互いの集中力を高める。関学大の成山一郎監督も「お互い集中力があるなかで、お互い決定機はなかなかできないだろうなと思った」と話した通り、前半は大きな決定機もなくお互いに時間を費やしていった。

 後半に入るにあたり、先に動いたのは関学大だった。成山監督は動きが悪いと見たMF福冨孝也(4年=宝塚北高)を下げて、MF小野晃弘(4年=藤枝明誠高)を投入。拮抗した展開に変化を求める。すると、にわかにゲームが動き出す。前半動きが少なかったFW呉屋大翔(4年=流通経済大付柏高)やMF小林成豪(4年=神戸U-18)がゴール前でボールを触る場面が多くなる。同25分には小林が右サイドから切り込み、ミドルシュートを放ったが、ボールは枠右に外れていった。

 逆に流経大は一貫した攻撃を続ける。スピードのあるFWジャーメイン良(2年=流通経済大付柏高)やFW星野秀平(2年=流通経済大付柏高)が関学大守備陣に圧力をかける。そして後半25分、ジャーメインが左サイドを深く突破。マイナスのボールを折り返すと、ゴール前にいた星野が落ち着いて右足で流し込み、ついに均衡を破った。

 ただ今季、関西選手権、関西リーグ、そして総理大臣杯とタイトルを総なめにしている関学大は焦らない。成山監督も前線をさらに活性化させようと、MF森信太朗(4年=大分U-18)やMF池田優真(4年=作陽高)を送り込む。「呉屋の下に小林一人じゃ足りなかった」。明確なメッセージを示すと、後半38分、ボールがその小野、森と左サイドで繋がる。クロスボールが上がると、ゴール前の駆け引きで競り勝った呉屋が左足でねじ込み同点。流経大柏高出身、呉屋にとって入学以来得点のなかった因縁の流経大戦でついに得点に成功。試合が振り出しに戻った。

 こうなれば流れは関学大。迎えた延長前半7分、左サイドでFKを得ると、小野のクロスになだれ込むようにして飛び込んだDF米原祐(3年=作陽高)が頭で合わせて、逆転に成功。延長後半には流経大が捨て身の戦法で関学大ゴールに迫るが、FW中村慶太(4年=流通経済大付柏高)の渾身のシュートもGK上田智輝(2年=京都U-18)が弾きだす。大会前から注目が予想された一戦は、関学大のリベンジで幕を閉じた。

 大一番を終えた成山監督は、「流経大ともう一回やれたことが勝因。良さを引き出して貰った。みんなで気合入っていて、思い切ってできたことが良かった」と振り返える。「組み合わせを見たときに、すぐに流経大と当たるということで集中力を高く準備できた。次も明治じゃなければ、とぼけたサッカーになってしまうところを、気を緩めるわけにはいかない相手なので、そういう意味ではすごくいい組み合わせだと思っている。気を緩めることなく、しっかり準備したい」と早くも次なる戦いへの切り替えを強調した。

 敗戦の将、中野雄二監督も清々しい表情を浮かべた。「きょうは第1試合も第2試合もスリリングで、大学サッカーもこれくらいやるのかという、見ている人は面白かったと思う。なんで負けたかとは思っていなくて、関学さんが素晴らしかった」と勝者を称えていた。

(取材・文 児玉幸洋)

http://web.gekisaka.jp/news/detail/?178541-178541-fl

帝京、同志社などが大学選手権で白星発進! 早稲田、筑波は初戦落とす
2015年12月14日


早稲田大を下し、喜ぶ天理大の選手たち。関西勢が早大を倒すのは16季ぶり(撮影:松村真行)

 第52回全国大学ラグビーフットボール選手権大会のセカンドステージが13日から始まり、7連覇を狙う帝京大や、31年ぶりの王座奪還をめざす関西チャンピオンの同志社大、関東大学リーグ戦1部優勝の東海大関東大学対抗戦Aで帝京大と同率優勝を遂げた明治大などが白星発進した。


突進する中央大のPR井村兼人を止めに行く関西大の選手たち(撮影:井田新輔)

 帝京大はファーストステージから勝ち上がってきた法政大と茨城・ケーズデンキスタジアム水戸で対戦し、10トライを挙げて66-7で圧勝。同じプールAの中央大(関東大学リーグ戦1部 3位)×関西大(関西大学Aリーグ 4位)の試合は愛知・パロマ瑞穂ラグビー場でおこなわれ、中央大が前半をリードされたものの24-12で逆転勝ちしている。


初優勝をめざす東海大は朝日大相手に計10トライ(撮影:井田新輔)

 プールBに入った東海大は朝日大(東海・北陸/中国・四国代表)のチャレンジを66-7で退けた。同組には関西で惜しくも優勝を逃した天理大と、7年ぶりの大学日本一をめざす早稲田大(関東大学対抗戦A 4位)もおり、東大阪市花園ラグビー場でおこなわれたこの両校の激突は、14-10で天理が制している。後半5分にフィジー出身のCTBジョシュア・ケレビが鋭く切り込んで逆転トライ。早稲田は終盤に敵陣深くでトライチャンスがあったが、ミスが出て痛い黒星を喫した。


ランで仕掛ける同志社大のSO渡邉夏燦(撮影:郄塩隆)

 プールCの同志社大秩父宮慶應義塾大(関東大学対抗戦A 5位)に36-8で快勝。序盤に強力FWでトライを重ね、セブンズ日本代表でもある松井千士などBKも躍動した。このプールでは、関東大学対抗戦で王者・帝京大に3年ぶりの土をつけた筑波大(対抗戦A 3位)も注目される存在だが、大東文化大(関東大学リーグ戦1部 4位)に22-31で敗れている。大東大は、アタックではSH小山大輝、CTB戸室達貴、NO8アマト・ファカタヴァなどが好走し、チーム全体としてがまんのディフェンスも勝因となった。

 プールDでは、明治大(関東大学対抗戦A 2位扱い)が大阪で京都産業大関西大学Aリーグ 5位)に53-14で大勝。茨城では流通経済大(関東大学リーグ戦1部 2位)と立命館大関西大学Aリーグ 3位)も激突し、流経大が21点ビハインドから5トライを奪い返し、38-30で逆転勝ちした。

http://rugby-rp.com/news.asp?idx=108947

甲子園ボウル 立命大5年ぶりV…1点差、早大に競り勝つ
毎日新聞2015年12月13日 15時58分(最終更新 12月13日 23時02分)


優勝し、喜ぶ立命大の選手たち=阪神甲子園球場で2015年12月13日、梅田麻衣子撮影

 全日本大学アメリカンフットボール選手権決勝「パナソニック杯 第70回毎日甲子園ボウル」(毎日新聞社、日本学生アメリカンフットボール協会主催、パナソニック特別協賛)は13日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われ、西日本代表の立命大(関西)が東日本代表の早大(関東)との大接戦を28−27で制し、前回出場した2010年以来5年ぶり8回目の優勝を果たした。立命大に敗れた10年以来3回目の出場だった早大の初優勝はならなかった。1点差の勝利は、第13回大会(1958年)で日大が関学大を13−12で破って以来2回目(引き分け両校優勝が4回)。観衆は3万3000人。

 甲子園ボウル最優秀選手と年間最優秀選手(ミルズ杯)は、立命大のRB西村七斗(2年)が獲得。2年生での年間最優秀選手は74年の制定後、94年の立命大QB東野稔以来2人目の最少学年受賞で、同時受賞は第62回(07年)の関学大QB三原雄太以来9人目。

 立命大は来年1月3日に東京ドームで開かれる日本選手権・ライスボウルで、社会人代表と日本一を懸けて対戦する。【安田光高】

救世主はRB西村七

 試合終了間際。立命大の選手は、早大が狙った逆転FGのボールを祈るように見続ける。歓喜ゴールポストに届かないことが分かった瞬間だった。最大21点のリードを奪いながらも薄氷の勝利となったが、関西学生リーグでトップの900ヤードを走ったRB西村七がチームを救った。

 逆転された第3クオーターの終盤。ダウン更新して相手陣39ヤードからの攻撃。米倉監督は「勝負どころ」と踏むと、西村七を惜しげもなく使い続ける。中央のランもあればパスの受け手に回るなどフル回転。右足がつるアクシデントもあったが、5連続プレーで残り5ヤードまで攻め込み、第4クオーター開始直後にQB西山の逆転TDランにつなげた。

 変則フォーメーションを繰り出す早大に「(プレーへの)反応が早いので、動きをじっくり見てかわそうと思った」と西村七。タックルに来た相手の体の流れ具合などを見極め、内に切り込んだり、外へ回り込んだりと自由自在。懐が深い走りで第2クオーターには2TDも決め、計219ヤードを稼いだ。

 守備のほころびもあったが、もう一つの武器とするランで勝ち取った学生日本一だった。【藤田健志】

早大・政本「この1点差が大きい」

 立ち上がりから劣勢だった早大を接戦に導いたのは、QB政本の強肩を生かしたロングパスだった。要所で左腕をしならせた。

 第2クオーターで決めた73ヤードTDパスで7点差に迫り、チームを勢いづけた。4点差に詰めた第3クオーターでは54ヤードTDパスを通し、いったん逆転に成功。いずれも自陣から一気に流れを引き寄せるプレーだった。

 立命大戦に用意した戦術は、機能しなかった。「用意したプレーより、慣れたプレーをしよう」。仲間が口にした一言が情勢を変えた。レシーバー陣を信じ、インターセプトを恐れずに投げ込む。相手守備陣の足が止まった後半、早大は走り込みの成果で鈍らなかったのが猛烈な追い上げの要因となった。

 WR陣は相手との一対一で勝機があると判断し、浜部監督に「奥で勝負します」と直訴。パスを意識させることで中央の空間も利用した48ヤードランも決め、走ってもチームのラン獲得ヤードの半分に近い109ヤードも稼いだ。

 けが人が多く、浜部監督はチームの調子を「7割」と見ていたが、成長を実感した。ただ、悲願の学生日本一はかなわなかった。「この1点差が大きい」。政本の実感だ。【荻野公一】

http://mainichi.jp/articles/20151213/k00/00e/050/167000c