おっさん世代の度量が試される。

いずれも韓国ではかなり話題になったニュースでした。

それを誇らしく思う気持ちは、私にも分からないではありません。

ただし。

こうした「韓国の若者」たちが「韓国の大衆文化を世界の舞台に飛躍させる契機になること」を真に願うのであれば、こんな社説を書いたり読んだりしている「おっさん世代」には、余計な口を出さずにいるだけの〈度量〉が必要でしょう。次世代を担う若者たちに対して、手前勝手な都合で引っ張りまわしたり、足を引っ張ったりすることをしないでいる、というのは実際、なかなかたいへんなことです。

そうした〈度量〉については、社会単位・国家単位でも似たようなことが言えるかも知れません。その点、韓国がどう動いていくのか、日本からウォッチしていきたいと思っています。

記事入力 : 2010/10/29 10:53:17
【社説】ビルボードオリコンで首位に立った韓国の若者

 韓国系米国人二人を中心に米国で活動するアジア系4人組ヒップホップ・グループ「ファーイースト・ムーヴメント(以下、FM)」が先週末、世界の大衆音楽市場の動向を示す米国ビルボードのシングルチャート「ビルボード・ホット100」で1位を獲得した。また、韓国のガールズグループ「少女時代」もこのほど、日本で最も権威のあるCD売上ランキング「オリコンチャート」でトップに躍り出た。

 FMのメンバーのうち、韓国系米国人のプログレス(ノ・ジファン)とJスプリフ(チョン・ジェウォン)は、それぞれ生後8カ月と7歳のときに家族とともに渡米し、米国で育った。二人はロサンゼルスのコリアンタウンで出会ったアジア系の友人らとグループを結成し、ヒップホップだけでなくジャズやダンス、ロックを織り交ぜた音楽の世界を模索した。

 二人はそれぞれロースクール法科大学院)卒業、一流企業の社員という経歴を捨てて音楽の世界に飛び込んだ。そして、「アジア系はヒップホップが苦手」という先入観で見られることのないよう、人種や国家、性別が判別しにくい動画をインターネットに公開し、人気を集めてきた。インターネット世代の自由奔放な感性で、誰もが楽しめる音楽を生み出した。

 一方、少女時代は今年8月の日本進出直後、初めて楽曲を披露したショーケースライブから2万人以上のファンを集めた。主に10−20代の女性たちが、少女時代のずば抜けた歌唱力とダンス、それを裏打ちする抜群のスタイルとファッションにすっかり魅せられている。日本のメディアは、「韓流ブームの中心層が、40−50代の女性から20代にシフトしている」と分析した。少女時代は、日本のスタイルに合わせるという「現地化作業」を経ずに成功し、韓国の大衆音楽が日本のポップスを圧倒できるという事実を示してくれた。

 韓国の新世代は、世界の空気をリアルタイムに感じることができる、恐れを知らない開かれた世代だ。FMと少女時代がこうした能力を存分に発揮し、米国と日本でかつてないほどの成功を収めた。自身のやりたい事に身を投じ、IT(情報技術)文化を自身の魅力と融合させる新世代の文化が花開いたのだ。

 これまでドラマがけん引してきた韓流は、決まりきったストーリーと顔ぶれが飽きられ始め、ブームが下火になっている。FMと少女時代は、韓流の新たな幕開けを知らせるシグナルだ。言語や文化の壁をものともせず、オープンマインドで国境を行き交うFMと少女時代の活躍が、韓国の大衆文化を世界の舞台に飛躍させる契機になることを願う。

http://www.chosunonline.com/news/20101029000035