意図は分かりますが

…たぶん、なかなかそんなにはうまいこといかないでしょうねえ。しょせん、衣食に直結するような競争制度は、生活自衛策とのいたちごっこになるでしょうから。

「意味のある論文しか意味がない」なんて思わず、「ゴミのような論文の山から、キラッと光る珠玉の論文がわずかでも見つかればいい」と考えた方がいいのでは。

ここで切磋琢磨しなければならないのは、むしろ評価する側の方です。私に言わせれば、「登載学術誌」の制度なんて、「自らの鑑識眼を鍛える気はない」と「丸投げ宣言」しているようなものです。

記事入力 : 2011/02/07 08:57:20
【社説】韓国研究財団、学問の風土を変えろ

 年間3兆ウォン(約2230億円)の予算で人文、社会、自然科学、工学の各分野の研究を支援する韓国研究財団の呉世正(オ・セジョン)新理事長は「先進的な学者と創意性ある研究者のための実質的な支援制度をつくりたい」と表明した。呉理事長は「これまでは学者の可能性と潜在性を評価する自信がなかったため、同じように分配しようというムードに流された。評価の専門性を強化し、それを是正したい」と述べた。

 韓国研究財団は、2年前に韓国学術振興財団、韓国科学財団、国際科学技術協力財団という三つの学術支援機関の窓口を統一し、支援効率を高めることを目的として発足した。しかし、財団統合で学問の風土や研究業績が変わったという話は聞かれず、むしろ、キム・ジンソク仁荷大教授が「教授は互いに読みもしないつまらない論文を量産するのに忙しい」と指摘し、姜明官(カン・ミョングァン)釜山大教授が「おびただしい量のごみのような論文が書かれている」と嘆くように、批判の声が相次いだ。

 それは、韓国研究財団の「登載学術誌」に掲載された論文の本数が学者を評価する基準となっているためだ。登載学術誌制度というのは、韓国研究財団が特定の学術誌を指定し、そこに掲載された論文だけを業績として認定するものだ。各大学も教授の任用・昇進・年俸決定で登載学術誌への論文掲載実績を基準としてきた。学者は業績を認められるために、登録学術誌に論文が多く掲載されるようにするほかない。このため、1本の論文を2−3本に分けて掲載する手法で年間15本もの論文を量産する教授まで現れた。

 韓国研究財団はまず、論文の量的評価とは別に、その論文が学界に与えた影響を考慮し、質的に意味がある論文にのみ加算点を与えなければならない。学術の最前線で新たな突破口を開いた学者をはじめ、ほかの学者が避ける分野を研究し、重みがある著作を発表した学者には優先的に支援を行うべきだ。翻訳が困難で韓国語版がなかったり、誤訳で原意が傷つけられた古典を再翻訳した学者にもそれなりの待遇が必要だ。

 韓国研究財団が学界に君臨せず、後方支援を行うという姿勢を保ち、各分野の研究課題を選定、管理するプログラムマネジャーがそれぞれの学問分野を再生させるという使命感を持てば、韓国の学問の風土も少しずつ変わるはずだ。

http://www.chosunonline.com/news/20110207000012