京大入試ネット流出の怪
試験時間中に投稿され、しかも同志社大や立教大でも(他の記事によれば早稲田大でも)同じことがされているという状況から考えれば、「受験会場から受験生が投稿した」ということしかなかなか考えにくいのですが、「受験の本番でこんなことしてられる余裕がよくあるなあ…」と、私などは思ってしまいます。だいいち、会場内で携帯をいじっていれば当然目立つはずですし、トイレに立った隙に、なんてのも、普通は試験監督が付いていきますから難しいでしょう。
事件の当事者ではない身としては(今ごろ京大の入試関係部署は大騒ぎでしょう)、「また何を考えてこんなことを?」というあたりが個人的には気になります。「何も考えずにやっちゃった」というのとは、どうも違うように思えますから*1。
京大入試の試験中、問題をネット掲示板に投稿
京都大学(京都市)で25、26日に行われた入試(2次試験)で、数学と英語の問題の一部が、試験時間中にインターネットの掲示板に正解を求める書き込みとともに投稿され、実際に答えも寄せられていたことがわかった。投稿はいずれも携帯電話から行われていた。京大は、受験生による不正行為が行われた可能性があるとして調査している。また同志社大、立教大の入試でも、同じハンドルネームの人物が問題の正解を求める書き込みをしていた可能性が浮上した。
京大などによると、25、26日には法学部や医学部など10学部の前期日程の試験があった。26日午前11時半頃に学内関係者を名乗る匿名の電話があり、投稿に気付いたという。
投稿があったのはネット掲示板「YAHOO!JAPAN(ヤフージャパン)知恵袋」の質問サイトで、文系学部の問題がいずれも「aicezuki」のハンドルネームで書き込まれていた。入試問題であることは伏せ、塾で出された問題だと装っていた。
(2011年2月27日01時51分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110226-OYT1T00670.htm
同じハンドルネームで…同志社、立教大入試でも
同志社大(京都市)では、2月8日に行われた文学、経済両学部の英語の入試問題の正解を求める投稿が、同じ「YAHOO!JAPAN知恵袋」の掲示板に書き込まれ、答えが寄せられていた。投稿があったのは試験開始から5分後で、「その言葉が何なのかを理解するのにしばらくかかったよ。ドイツ語起源なんだね!」との和文を英訳する問題。投稿の14分後に回答があった。
同大は、26日夜に報道からの指摘を受け、調査を始めた。
また、立教大(東京都豊島区)の文学部入試でも、英語の試験が行われていた11日付で、同じハンドルネームで解答を求める書き込みがあった。書き込みの5分後に回答が寄せられたが、正答と誤答がまじっていた。
(2011年2月27日01時08分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110226-OYT1T00873.htm?from=main1
入試会場への携帯持ち込み、完全禁止は無理?
文部科学省によると、大学入試センター試験を除き、各大学は試験中に持ち込めるものについて個別に定めている。辞書の持ち込みが可能な試験を行う大学もあり、「持ち込み物品については一般常識の範囲で対応している」(同省幹部)という。25日に2次試験を実施した神戸大では、携帯電話の電源を切って携行品置き場に置くことを原則にし、座席付近には持ち込めないようにしていた。
ただ、試験会場に入る前にいったん預けさせ、試験終了後に返却する作業が煩雑なこともあり、多くの受験生がいる場合は携帯電話の持ち込みを完全に禁止するのは物理的に難しい面もある。
センター試験については、「受験上の注意」で、携帯電話や音の出る機器は、試験室に入る前に必ず、電源を切ってかばんに入れておかなければならないとされている。試験時間中に携帯電話などを利用して連絡を取ることは「不正行為」となることがあり、不正行為とされた場合は、それ以降受験できず、受験を終えたすべての教科・科目も無効となる。
(2011年2月27日09時43分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110227-OYT1T00277.htm
*1:京都の某私大で発覚したらしい「卒論コピー」とは、そのへんの性格が異なるように感じられます。私の単なる邪推ですけど。