【韓国の大学】学費負担と就職不安
ここのところ続けてクリップしている韓国の大学学費関連。中央‐地方格差に留学生、芸能人ときて、今度は所得/階層格差と来ました。これでだいたい出尽くしましたかね?
記事入力 : 2011/06/29 14:41:06
学費負担、「あらゆる階層で増加」は誤り!?
所得上位50%の階層は負担が減少、下位10−30%の階層は負担が急増政界の一部で、全ての学生を対象に大学の学費を引き下げようという主張がある中、2000年以降に低所得層による学費の負担が急増する一方、高所得層の負担は減少したとの調査結果が発表された。
国家財政運用計画の保健・福祉分野の作業班が、統計庁の「家計動向」の資料を基に分析し、28日に発表したところによると、大学生の子どもを持つ所得下位10−20%の階層は、00年の可処分所得(税金と社会保険料を差し引いた残りの所得)の17.7%を学費の支払いに充てていたが、08年にはその比率が28.3%に増加した。
毎月の所得を100万ウォン(約7万5000円)とした場合、負担する学費が17万7000ウォン(約1万3000円)から28万3000ウォン(約2万1000円)に増えたというわけだ。この階層は、所得に応じて分類した10の階層のうち、大学生の学費として負担する割合が最も多い結果となった。また、所得下位20−30%の階層も、可処分所得に占める学費の割合が同じ期間に12.6%から22.9%に増加した。
一方、所得上位50%以上の高所得層は、可処分所得に占める学費の割合が逆に減少した。所得上位10%の階層の場合、00年の可処分所得に占める学費の割合は9.3%だったが、08年には8.3%に減少した。また、上位50%以内の階層は全て、可処分所得に占める学費の割合が減少した。このほか、所得下位10%以下の階層も可処分所得に占める学費の割合が減少した。全ての世帯の平均は、同じ期間に12.5%から13.4%に増加した。
これは00年以降、大学の学費が急騰する中で、全ての階層で学費の負担が増加したという一般的な見方とは正反対の調査結果だ。
今回の調査で中心的な役割を担った保健社会研究院のカン・シンウク研究員は「『中間層の下位グループ』といえる所得下位10−30%の階層で学費の負担が急増したが、これは実質所得(物価の上昇分を除いた所得)の増加率が高所得層に比べ低いためだ。この階層に対する支援を強化する必要がある」と話した。00年から08年までの間、毎月の所得が100万−200万ウォン(約15万円)の階層では、年平均の実質所得が0.11%減少した一方、毎月の所得が600万ウォン(約45万円)以上の階層では、年平均の実質所得が1.87%増加した。
企画財政部(省に相当)の関係者は「調査結果を見る限り、一律で学費を半額にするという主張は正しくない。対象とする階層を限定し、学費の負担を軽減できる案を模索していく方針だ」と話した。
方顕哲(パン・ヒョンチョル)記者
こちらは韓国ロースクール生の就職に関する続報。天下のソウル大学校ロースクールでこの状況ですから、これより状況がいいところはどこにもないでしょう。
済州や全羅道あたりのロースクールがどうなっているのか、これを読む限りでもかなり心配です。
記事入力 : 2011/06/30 14:38:06
ソウル大ロースクールで就職博覧会
ソウル大学法学部棟2階のセミナー室で29日、同大ロースクール(法科大学院)生対象の就職博覧会が開催された。博覧会に参加した第1期生のペさん(27)はセミナー室前で、ある法務法人の面接を受けるため、落ち着かない表情で順番を待っていた。ペさんは「150人いる同期生のうち、特別な経歴を持っているとか、特に成績が優秀な上位30%は、すでに大手ローファーム(法律事務所)と契約をした。しかし、私を含む残りの学生は進路が決まっていないため、とても不安を感じている」と語った。黒のスーツに身を包んだペさんは、朝10時からローファーム2社、一般企業1社の面接を受けた。時間は1社当たり20分から30分。ペさんと同じく面接を待つ学生たちは、緊張した面持ちで準備した資料を見直したり、壁を見つめて何かをつぶやきながら、予想される質問への回答を確認していた。
この日の博覧会はソウル大ロースクールが就職希望者のために企画したもので、韓国でロースクール生対象の博覧会が開催されるのは、今回が初めてだ。正式名称は「第1回ソウル大法学人材マダン(庭の意)」。企業側からは、サムスンや現代など八つの大手企業グループ、キム・アンド・チャンなど12の大手ローファームが参加した。なお就職希望のロースクール生は68人で、各自が志望するローファームや企業5社にあらかじめ願書を提出し、面接前に書類審査を受けた。
4社の面接を受けたというある学生は「面接担当者から志望動機や法律の知識を聞かれた。中にはその場でプレゼンを要求するところもあった」と話す。
しか、し企業もローファームもすぐに学生を採用することには難色を示している。ロースクール側は証券取引所や金融委員会、韓国銀行などの政府機関や国営企業などにも参加を要請したが、いずれも拒否されたという。韓国シティ金融持株からやって来た面接官は「ロースクール生については、現時点でどの程度の実務能力があるのか分からないため、今すぐ採用することは考えていない」と述べ、またある法務法人の面接官は「午前中だけで30人以上と面接したが、学生たちは予想以上に質が高かった。しかし、正式に採用するにはまずインターンとして働いてもらい、実務能力を検証しなければならない」と話した。
この日3社の面接を受けたある学生は「1年に1500万ウォン(約113万円)以上の授業料、3年の在学期間、会社を退職した機会損失まで考えると、今回の就職のために3年で数億ウォン(1億ウォン=約750万円)は投資したと思う。ソウル大ロースクールさえ修了すれば、大手ローファームから呼ばれると思っていたが、このように就職博覧会にまで参加しなければならないとは予想していなかった」「苦労してロースクールを卒業しても、このままでは普通のサラリーマンになるかもしれない」などと不満げだった。さらに別の学生は「3年間、誰もが必死に勉強したが、裁判官任用制度などロースクール関連の法律や制度が揺らぐのを目にするたびに怒りを感じていた。中には就職への不安から、うつの症状を発症する学生もいた」と話した。
ロースクール側は「1期生150人のうち、すでに就職が決まった30%と軍に入隊している学生を除けば、きょうの博覧会にほぼ全員が出席した。今後も就職難が続くと予想されるため、学生に知識を教えているだけでは不十分と感じ、今回の博覧会を企画した」とコメントした。
ヤン・モドゥム記者