無縁化と孤独死:「朝鮮日報」の特集
「朝鮮日報」の特集を、日本語版サイトが精力的に翻訳しています。
「10年後の韓国の姿、独り暮らしと孤独死が増える日本」という副題がついていますが、日韓の両社会をそのような時間差で括れる時代は、すでに過去のものになっているように思います。ある側面を見れば、韓国社会のほうがより極端に、かつ先鋭的に変化しているとも言えそうです。
その意味では、Look KOREAも、Look JAPANも、それぞれに示唆を得ることができるでしょう。どちら側の立場からしても、相手方を一方的に見上げたり見下げたりしていられるほどの余裕がある問題とも思えませんし。
記事入力 : 2011/08/01 13:41:52
無縁社会の東京、3割が葬式せず火葬だけ
10年後の韓国の姿、独り暮らしと孤独死が増える日本
【東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員】 平均寿命が世界1位の「長寿大国日本」で、家族もなく独りで暮らす高齢者の割合が20%に迫る中、遺品整理や葬式の準備など、死後のことまで自ら準備する人々が急増している。日本は老後だけでなく死後のこともあらかじめ準備しなくてはならない社会になった。日本では、死後に遺体を引き取る家族がいない「無縁死」が年間3万2000人に達する。家族がいても、伝統的な葬儀をせずに、死後すぐに火葬する「直葬」の割合が、東京ではすでに30%に達すると、NHKが昨年、NHKスペシャル『無縁社会』で報じた。死を悲しんでくれる人がほとんどいないため、あえて葬式をしないという。また、20年ほど不況が続く中、経済的な余裕がないため、両親の葬式費用さえも負担するのが難しく、葬式自体が消えてきているという。
日本では、65歳以上の世帯のうち、夫婦だけで暮らす割合が50%に迫っている上、平均寿命が83歳に達しており、今後さらに無縁死の増加傾向は深刻化する見込みだ。日本政府が実施したアンケート調査の結果、65歳以上の42.9%は「誰も見守る人がいないまま、独りで死ぬ孤独死が自分にも起こり得る」と答えた。準備できていないまま長寿が悪夢のように近づいており、日本では40-50代も孤独死に対する不安を感じている。遺品整理専門家の吉田太一氏は「急速に高齢化している韓国も、遠からず日本と同じ問題に直面するだろう」と話している。
記事入力 : 2011/08/01 14:43:32
韓国でも孤独死が急増
10年後の韓国の姿、独り暮らしと孤独死が増える日本
【李錫雨(イ・ソクウ)記者】 今年2月、忠清南道・牙山のあるマンションで遺体が2体、同じ日に別々の家で発見された。亡くなったパクさん(65)とイさん(52)は、2人とも家族と離れて一人で暮らしていた「単身世帯」で、高血圧などの持病を患っていた。当時出動した警察は、パクさんは死後3日、イさんは7日以上たっていたと推定した。典型的な「孤独死」だ。
単身世帯が急速に増加している中、日本で問題になっている「孤独死」が韓国でも頻繁に発生している。マンションやオフィステル(賃貸などでオフィスにも住居にも使える部屋)などでは、200‐300人が壁1枚を隔てて暮らしているが、この空間では伝統的な「隣人」の概念が消えて久しい。ソウル・新村にある230室規模のオフィステルに住んでいるホさん(34)=会社員=は、ここで3年ほど暮らしているが、警備員以外には近所の人と一度も話をしたことがない。隣で暮らす住民も顔を知っているだけだ。ホさんは「オフィステルで暮らしていると、あえて隣人のことを知る必要もなく、自分のことを知ってほしいとも思わない。隣の人が倒れたとしても、ドアを開けて悲鳴を上げない限り、気が付かないだろう」と話した。
日本と同様に、韓国の一人暮らし世帯の割合も、老人、青年、壮年層の区別なく急増している。
統計庁によると、2010年の韓国の単身世帯数は403万世帯で、世帯全体(1733万世帯)の23%に達している。30年前の1980年には単身世帯の割合は4.8%にすぎなかったが、90年には9%、2000人には15%に増加した。30年間で5倍、20年間で2倍以上増加したことになる。単身世帯の増加速度は、政府の予想をはるかに超える。09年末、統計庁は30年に単身世帯の割合が23%を突破すると見込んでいたが、政府の予測よりも20年も早く単身世帯が急増したことになる。
延世大学社会学科のキム・ヨンハク教授は「富裕層と比べ、生活困難層になるほど社会的ネットワークが弱まっている。『人脈の二極化現象』が韓国でも急激に進んでいる」と話した。
記事入力 : 2011/08/02 14:11:17
20年後の日本、男性30%女性20%が生涯未婚!?
10年後の韓国の姿、独り暮らしと孤独死が増える日本
【東京=車学峰(チャ・ハクポン)特派員】 現在の日本の30代は、男性10人中3人、女性10人中2人が、50代となる2030年までに一度も結婚できない可能性が高い。日本の国立社会保障・人口問題研究所が6月21日に明らかにしたところによると、一生のうちに一度も結婚しない生涯未婚率は、1990年には男性5%、女性4%だったが、昨年は男性20%、女性10%にまで上昇した。「生涯未婚」とは、50歳になるまで一度も結婚しない、事実上一生独身の状態を指す。現在の傾向が続けば、20年後には男性30%、女性20%が一度も結婚しない生涯未婚者となる。
女性より生涯未婚率が高い男性は、死後数日過ぎて発見される「孤独死」を迎える確率も、女性より2倍以上高い。ニッセイ研究所によると、死亡してから4日以上過ぎて発見された人は、昨年全国で1万5603人で、男性(1万622人)が女性(4981人)よりも2倍以上多かった。日本で、一時「生涯独身」は自由を満喫して暮らすことができるため羨望(せんぼう)の対象だったが、今や寂しく暮らして一人で死ぬ「孤独死予備軍」の象徴と考えられるようになった。
日本の男性に生涯独身者が急増したのは、20年続く経済不況の余波で、安定しない非正規職として働く人が大幅に増えたためだ。最近の日本政府の調査によると、正規職の結婚率は、非正規職の2倍程度で、賃金が高いほど結婚率が高い。
記事入力 : 2011/08/02 15:00:49
ソウルの30代前半、半数が未婚
10年後の韓国の姿、独り暮らしと孤独死が増える日本
【金東燮(キム・ドンソプ)保健福祉専門記者】 ソウルに住む30−34歳の人のうち、未婚者が半数を超えた。ソウル市が実施した調査によると、昨年末の時点で、30−34歳の未婚者は43万1847人に達し、この年代のソウル市民の50.4%を占めた。韓国全体では、30代の10人に2.9人(227万人)程度が未婚だ。このように30代の未婚者が増加しているのは、就職難や経済的困難、結婚忌避現象が大きな理由として挙げられる。公企業に勤務するイ部長(52)は、いわゆる「ゴールドミス」だ。20代のころはお見合いもたくさんしたが、気に入った男性が見つからなかった。その後、課長、次長、部長と職場での地位が上がるにつれ、学力、収入などの面で自分と釣り合う男性に出会うのがさらに難しくなった。そして50歳を過ぎた今、結婚は諦めた。
統計庁の2010年人口センサス(人口住宅総調査=日本の国勢調査に相当)によると、50歳以上の未婚者は計23万9707人(男性13万5246人、女性10万4461人)に上る。10年前の6万1176人と比べると、3.9倍も増加した。
今のところ、50歳以上で結婚した経験のない人は100人中1人程度だ。しかし、最近は40代の未婚率が増えているため「生涯未婚者」が増加する可能性は高いとみられる。40‐44歳はおよそ10人に1人、45‐49歳では20人に1人が未婚だ。
漢陽大学のチョ・ナムフン碩学教授(寄付金によって研究活動を行う教授)は「非正規職の男性が増加している一方で、女性の所得は上昇しているため、結婚を避ける人が増えており、生涯未婚者の増加速度が、今まで以上に早まっている」と話している。
50歳以上の未婚者を学歴別に分析してみると、男性は低学歴、女性は高学歴の人ほど結婚するのが難しいことが分かった。男性の未婚率は、最終学歴が小学校卒業の場合は2.8%、大学院修士課程は1.1%、同博士課程は1.1%だった。これに対し、女性は小学校卒業の場合が1.36%、大学院修士課程は9.7%、同博士課程は14.7%だった。
男性の未婚者には、低所得で最終学歴が小卒・中卒の人が多く、これらの未婚者は、老後も貧困に苦しむことが懸念される。
また今回の調査で、生涯未婚者の半数程度が、他に家族もなく一人で暮らしていることが分かった。
記事入力 : 2011/08/03 15:21:04
個人志向強まる韓国、大学生の3割「自分はよそ者」
10年後の韓国の姿、独り暮らしと孤独死が増える日本
【李錫雨(イ・ソクウ)記者】 「会社の同僚や上司との付き合いで食事をしたり酒を飲んだりするのは気恥ずかしい。いや、居心地が悪いと言った方がいい」京畿道水原市にある電子会社の開発チームでチーム長を務めるパクさん(39)は、食事会のような集まりが大嫌いだ。会社の食事会には1年に2−3回しか参加しない上、自分から食事会を企画することもない。パクさんは「他人と会話するのが無意味に感じる」と話す。
パクさんの部下も、上司がそういうタイプの人間だということをかえって気楽に感じている。パクさんは「ときどき寂しくなることもあるが、こういう生き方に慣れているし、この方が楽だ」と話す。実際に、ソウル・江南地区の学生街などでは、一人席を設ける飲食店が増えているという。
韓国の人脈文化の基礎となる、大学・高校の同窓生同士や地域住民同士の結束力も弱まっている。開校62年目を迎えた地方の名門A高校の場合、四半期ごとにソウル在住者を対象に開催される同窓会の出席者は、平均30人程度だ。出席者の7割は50代以上で、20−30代は1−2人にすぎない。10年前には40代が中心で、毎回70−80人は出席していた。同窓会の総務を務めるチェさん(47)は「最近は徐々に同窓会に対する関心が薄れており、このままでは同窓会がなくなってしまうのではないかと懸念する声も出ている」と話す。
各種のアンケート調査でも、韓国社会で個人主義的な傾向が強まっているとの結果が出ている。6月13日、LG経済研究院が韓国各地の1800人を対象にアンケートを実施したところ「組織より個人が優先」と答えた人は36.4%だったが「公益のためだとしても、自分の権利が放棄されたり制限されたりするのはあり得ない」と答えた人も36.8%に上った。
学生街ではこうした傾向がさらに深刻だ。学食で一人きりで食事する学生が多く、同じ科の同期でも名前すら知らないという学生も少なくない。就職関連ポータルサイト「インクルート」が昨年、大学生528人を対象に実施したアンケート調査では、自分のことを、同じ学科などの友人とうまく付き合えない「アウトサイダー(外部の人間)」と考える学生が回答者の34.5%に上った。
どう見ても構造的に生み出されていると言うしかない「社会的弱者」が、今後どうやって生き延びていくか。おそらく、個人の努力や自己責任論ではどうにもならない状況が、そこには待ち構えているように思います。
地縁・血縁のネットワークが当てにならないからこそ生じている現実のもとで、いかに「肩寄せ合って」生きていくか。けっきょくそこを考えないといけないんじゃないでしょうかねえ。
そういえば、この件に関連して思い出したこの本、韓国語にも翻訳されていて、教保文庫など各書店で目にしました。韓国ではどれくらい読まれて、どれほどの社会的インパクトを与えているんでしょうか。検索すると、けっこうな数で引っかかってきますけど。
下流志向〈学ばない子どもたち 働かない若者たち〉 (講談社文庫)
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하류지향
우치다타츠루
열음사, 2007 - 270 ページ빠르게 변해가는 세상 속에서 일본 젊은이들의 선택은 공부와 일에서부터의 도피?
『하류지향』은 급변하는 현대 일본의 젊은 세대들에 관한 보고서로, 공부와 노동으로부터 도피한 신인류의 출현에 관해 이야기한다. 저자는 교육받을 기회를 스스로 저버리는 아이들과 사회생활을 의도적으로 거부하는 젊은이들을 분석하며, 그들이 어떻게 공부로부터 도피하게 되었는지를 사회적·심리적 배경을 종합하여 고찰한다.
그리고 '더 이상 취직의 보증수표가 되지 않는 학력을 시작으로 노력과 성과가 일치하지 않는 이상한 사회, 사회가 강요하는 죽음의 방식, 구조적 약자를 양산하는 사회, 공부하지 않아도 자신만만한 아이들' 등 리스크 사회 약자의 모습을 살펴본 다음, 공부로부터의 도피와 동일한 사회적 추세인 '노동으로부터의 도피' 현상을 이야기한다.
특히 노동하지 않는 것을 경제적 합리성의 실현, 또는 개성의 발현이라 믿는 사람들이 '노동할 권리'를 방기하고 있다고 말한 후, 어떤 역사적 맥락에서 이런 인식이 태어나고 어떤 이데올로기에 의해 강화되고 있는가를 명백히 밝힌다. 또한 마지막에는 '미국식 모델의 종언, 심화되는 계층간의 문화자본' 등을 주제로 한 질의응답을 정리하였다
☞ 이 책의 독서 포인트!
공부와 노동으로부터 도피하는 심리적 배경과 이데올로기적 구조에 대해 진지하게 접근하며, 기성세대가 이해할 수 없는 아이들과 젊은이들의 세계를 파헤친다. 특히 책 속에 등장하는 이야기들이 우리사회의 모습과도 많이 비슷한 것을 느끼며 일본의 사회문제로 부각된 '하류지향'이 과연 일본만의 문제인지 생각하고 한국의 미래를 가늠해볼 수도 있다.
http://books.google.com/books/about/%ED%95%98%EB%A5%98%EC%A7%80%ED%96%A5.html?id=bXx_MQAACAAJ