映画「도가니(るつぼ)」が呼んだ波紋

コンユと言えば、個人的に印象に残っているのは「同い年の家庭教師」や「スーパースター・カムサヨン」などなのですが、今回主演したこの映画が、興行成績以上の大きな社会的波紋を呼んでいるようです。

記事入力 : 2011/09/26 14:00
興行成績:『るつぼ』公開初週91万人動員

 コン・ユ主演の映画『るつぼ』は他の追随を許さない圧倒的な興行を記録、公開1週目の週末興行成績で1位になった。

 映画振興委員会の映画館入場券統合ネットワークが26日に発表したところによると、『るつぼ』は25日に25万7740万人を動員、通算観客動員数を91万4369人とし、1位になった。青少年観覧不可の映画に土・日の二日間で50万人を超える観客が集まるのは異例だ。

 2位の『最終兵器 弓』は同日、『るつぼ』の5分の1という5万9715人を動員するにとどまった。通算観客動員数は704万2686人。3位の米国映画『コンテイジョン』は同日3万8万193人、通算13万3147人を動員した。29日の正式公開を前に有料試写会が行われた『依頼人』は3万6029人で4位、『カウントダウン』は1万7443人で8位だった。

チョン・ヒョンファ記者

http://ekr.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/09/26/2011092663053.html

記事入力 : 2011/09/27 11:28
障害児に教師が性的暴行、実話映画化の波紋

 2004年12月の冷たい風が吹きすさぶ夜、光州市光山区三巨洞にある聴覚障害者向けの特殊学校「インファ学校」で、校長(62)が13歳の女子生徒を校長室に招き入れた。少女は手を振り払おうとしたが、大人の力には抗しきれなかった。少女は聴覚障害4級だった。生徒を預かるべき校長は、少女の服を強引にはぎ取った。

 同校では校長だけでなく、行政室長、寄宿舎の生活指導担当教師らが2000年から、言葉が不自由な生徒に対し無差別に性的暴行を加えた。被害生徒は約10人とされる。見かねた職員が05年6月、障害者性暴力相談所に事実を暴露した。相談所から通報を受けた警察は直ちに捜査に着手した。

■教職員10人が関与か

 同年11月に容疑が固まった行政室長(58)と生活指導担当教師(36)が性的暴行の疑いで逮捕された。行政室長は学校創立者の次男で、校長は創立者の長男だった。兄弟が学校の要職に就き、生徒を性的なおもちゃ扱いしていたことになる。

 05年7月、26の市民団体で構成される「インファ学校性暴力対策委員会」が発足し、加害者の処罰を要求する活動を開始した。性暴力対策委は、同校を運営する社会福祉法人「ウソク」の役員解任を求め、光山区庁前で242日にわたり、泊まり込みの抗議活動を繰り広げたが、成果はなかった。

 行政室長と生活担当教師は06年8月、控訴審でそれぞれ懲役1年、2年の判決を受け服役したが、処罰としては軽いものだった。行政室長は00年から04年にかけ、同校に在籍する7‐20歳の聴覚障害者6人に常習的に性的暴行を加えたり、性的嫌がらせをしたりした。しかし、生徒の保護者を懐柔し、一部容疑を免れた。

 その後、国家人権委員会が調査に乗り出した。同校で教職員10人以上が犯行に関与していたという証言が相次いだ。生徒に堂々と「1回だけしよう」と性行為を求めた教師もいたという。当時18歳だった女子生徒は、12歳のころから性的暴行を受けてきたという。女子生徒の父親は聴覚障害2級、母親は知的障害1級だったため、教師が娘に暴行を加えるのを防ぐことができなかった。

■処罰は4人のみ

 人権委は06年8月、校長とリハビリテーション担当教師(60)ら教職員6人を性的暴行、性的嫌がらせの疑いで警察に告発した。既に処罰を受けた行政室長、生活指導教師を含んでおり、新たに告発されたのは4人だった。

 生徒らは校長に対する厳罰を要求した。07年5月には、生徒が出勤してきた校長に卵や小麦粉を投げ、うっ憤を晴らした。しかし、入院した校長は逆に生徒らを暴行に疑いで告訴した。

 一審で校長は懲役5年、リハビリ担当教師は懲役10年の判決を受けたが、08年7月の二審で執行猶予となり釈放された。前科がなく、被害者と和解したという理由だった。法律を知らず、訴訟に疲れた被害者の保護者は上告を断念した。

 インファ学校性暴力対策委は「司法が『持てる者』の側に立ち、やるせなかった」と語った。執行猶予で釈放された校長は、09年9月にすい臓がんで死亡した。

 人権委が告発しら6人のうち、実際に司法処理されたのが4人だ。生徒に性的嫌がらせを加えた行政室職員と教師(45)は、公訴時効で処罰を受けなかった。教師は08年1月に復職し、今でも同校に勤務している。行政室職員は学校を離れた。

■実話小説が映画化

 しばらく市民に忘れ去られていた事件は、09年6月に再び注目を浴びることになる。作家の孔枝泳コン・ジヨン)さんが実話を土台にした小説『るつぼ』を著したのがきっかけだった。それから2年3カ月、小説は同じ題名で映画化され、論争が爆発的に広まった。今月22日の封切り以降、映画は人気を集め、インターネット上では「事件を再捜査すべきだ」という声が高まっている。

 大手ポータルサイト、ネイバーに開設された公式サイトの掲示板には、26日現在で約1400人が加害者の処罰を求める書き込みを行った。児童に対する性犯罪の公訴時効を廃止するための法律制定を求める意見も相次いだ。インファ学校性暴力対策委は同サイトに「社会福祉法人ウソクは性的暴力事件について謝罪し、再発防止策を示せ」とする声明を掲載した。

 対策委は25日、大手ポータルサイトのダウムの掲示板サイト「アゴラ」で事件の再調査を求める署名運動に突入した。2日間で2万2000人以上が署名に応じた。対策委は来月20日までに5万人の署名を集めることを目標にしている。

 ネットユーザーからは「残忍な人間だ。再捜査しよう」「子を持つ母親としてこんなことはあってはならないと思う」「正しい社会を実現するには、罪を犯した人にはその代価を支払わせなければならない」といった書き込みが相次いだ。

 光山区庁社会福祉課には、全国各地から事件の再調査を求める抗議の電話が1日に20件以上寄せられている。

一事不再理の原則が壁

 しかし、事件の再捜査を行うのは困難だ。光州市で活動するキム・ジョンホ弁護士は「期待以下の判決が出たとしても、一度判断が下された事件を再び捜査することはできない『一事不再理の原則』に従い、再捜査は不可能だ」と指摘した。

 社会福祉法人ウソクは依然として存在する。今年7月には、学校名の変更を市教育庁に申請した。インファ学校性暴力対策委のパク・チャンドン執行委員長は「学校名をロンダリングする行為だ」と批判し、復職した教師を学校から追放すべきだと主張した。

光州=チョ・ホンボク記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/09/27/2011092700960.html

記事入力 : 2011/09/28 13:37
性的暴行:「むごい事件、世間に伝えるべきだと思った」

映画『るつぼ』のファン・ドンヒョク監督

 「人々の話題に上ることは予想していたが、こんなに早くから爆発的な反響があるとは考えもしなかった。早くから大きな反響を呼んだ代わりにすぐに冷めてしまい、忘れられはしないかと心配だ」

 映画『るつぼ』が社会的に大きな反響を呼び、ヒットを飛ばしているが、ファン・ドンヒョク監督(40)=写真=の表情は暗かった。27日にソウル市内のカフェで会ったファン監督は「観客を扇動するために作った映画ではないので、(社会の反応に)やや当惑している」と心境を明かした。

 この映画は、光州市にある聴覚障害者向けの特殊学校「インファ学校」で起こった教職員による生徒への性的暴行事件を題材に描いたものだ。

 ファン監督は、26日に初めて映画館で観客と一緒に作品を見たという。「最初はひっそりとした雰囲気だったが、中盤以降はあちこちからため息や毒づく声が聞こえてきた。映画が終わるころには、すすり泣く人もいた」と語る。映画で描かれているのは、子どもに対する性的暴行、前官礼遇(政府高官が退官後も同じような待遇を受けること)、警察と地域の実力者の癒着、公務員のいい加減な仕事ぶりなど、ニュースや新聞でもよく報じられていることだが「その都度感じていた小さな怒りが積み重なって、一度に表出したようだ」と話した。

 子どもが性的暴行を受けるシーンやネガティブな結末のせいで、「気分を害する映画」と評する人もいる。実際に、周囲の人々はファン監督に対し「ハッピーエンドでなければヒットは見込めない。裁判で(被害者側が)勝利する結末に変えた方がいい」と助言したという。だが、ファン監督は「(観客をわざと)不快にさせようとした」と言い切った。

 「映画を撮るときに二つのことを考えた。一つはこんなにむごい事件があったという事実を世間に伝えるべきだということ、二つ目はこの事件がもみ消されていく中で表面化した社会の構造的な問題を見せたかったということだ。性的暴行のシーンやネガティブな結末は、むしろなくてはならないものだった」

 ファン監督がこうした考えを持っていたにもかかわらず、事件の真相を調査していたインファ学校性暴力対策委員会の関係者らは、映画を見て「実際の事件を忠実に描いていない」と指摘した。ファン監督は「原作の小説を書いた孔枝泳コン・ジヨン)さんから、小説の内容は実際の事件の3分の1ほどだと聞き、映画ではそんな小説の内容も具体的に表現できなかった。実際には、ほかの子どもたちの前でそうした(性的暴行をした)かと思えば、修練会で酒を飲んだときにもそのようなことが行われたと聞いた」と話した。

 ソウル大学新聞学科(現在の言論情報学科)を卒業したファン監督は、大学生のころは社会問題に関心が高く、よくデモに参加していたという。やがて学生運動から映画に関心を向けるようになり、米国の南カリフォルニア大学で映画について学んだ。「社会問題から目を背けるために映画に携わるようになったが、また社会問題を扱った映画を作るようになるとは、皮肉な気がする」とファン監督は話した。

 映画の中で、チョン・ユミ演じるヒロインのソ・ユジンは「私たちが戦うのは世の中を変えるためではなく、世の中が私たちを変えられないようにするため」と訴えた。ファン監督は原作小説のこの一文が最も印象深く、映画でもそのまま使ったという。

 「この映画を見ると、世の中が私たちをどれほど変えたのかを感じられる。1本の映画で社会を変えることはできないが、今の反響を見る限り社会に肯定的な影響を与えることはできるのではないかと思う。もちろん、裁判をやり直して加害者を処罰することは不可能だが、被害者を支援することは可能だ。事件後、被害者たちはまだ十分な謝罪も受けていない」

卞煕媛(ビョン・ヒウォン)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/09/28/2011092801243.html

記事入力 : 2011/09/29 13:10
障害学生への性的暴行、全国で続々発覚


2007年7月に光州インファ学校性暴力対策委員会は、国家人権委員会光州支部事務所を占拠し、インファ学校に対する委託教育認可の取り消しを求め立てこもった。今月公開された映画『るつぼ』が注目を集め、インファ学校の事件の再捜査を求める声が高まっている。/写真=キム・ヨングン記者

 2007年9月、知的障害がある女子生徒(15)は、江原道江陵市のある生涯教育学校に通っていた。ある日、朝早く登校し、教室の掃除をしていた女子生徒は、教師(36)に別の教室に呼び出され、ドアを施錠された上で、性的暴行を受けた。性的暴行は同年11月に学校で、09年4、5月には女子生徒の自宅と教師宅で数回にわたり続いた。この事実は、犯行現場を目撃した教師の妻が昨年7月、家庭暴力相談所に相談したことで発覚した。その後、この教師は懲役3年、執行猶予4年の判決を受け、女子生徒は、最近まで専門機関で心理治療を受けていた。

 昨年9月には慶尚北道にある福祉施設の理事長(58)が、施設で生活していた体の不自由な女性(22)に対し、09年2月から1年半にわたり、自分の部屋で性的暴行を加えた疑いで逮捕された。この事件は、当時特殊学校に在学中だった被害女性が、昨年4月に担任に「理事長に部屋に呼ばれ暴行された」と告げたことで明るみになった。

 裁判所は起訴された理事長に対し「被害女性の陳述が捏造(ねつぞう)された可能性は低いが、全体的に信ぴょう性が欠如している上、証拠がないため、有罪と認定するのは困難だ」として、無罪判決を下した。検察も控訴を断念し、判決が確定した。

■福祉法人の閉鎖性に問題

 2005年に光州市の聴覚障害者向け特殊学校、インファ学校で発覚した性的暴行事件は、映画『るつぼ』がきっかけで再び関心を集めている。しかし、閉鎖的に運営されている障害者福祉施設と障害者特殊学校のシステム、教師と生徒の関係などを考えると、まだ明るみになっていない事件が少なくないのではないか、との疑念が保護者や障害者団体の間で高まっている。

 インファ学校で起きた事件の場合、2000年から5年にわたり、問題提起はあったが、05年に保護者が障害者団体に相談するまで、外部には発覚しなかった。

 インファ学校性暴力対策委員会は、子どもたちが被害を受けたことを教師らに何度も告げたが、学校を運営する理事長の息子と親族が校内の要職を独占していたため、事件が外部に知られることはなかったと指摘した。同校では昨年7月にも生徒間で性的暴行事件が起きている。加害者の男子生徒(13)は事件後、別の地域の施設に移された。同校に勤務していた教師は「障害のある生徒たちの生活施設は男子と女子で分かれておらず、性犯罪などが起こりやすい状況だった」と証言した。

■障害者保護の制度不足

 障害者を保護する法的、制度的な仕組みが不足していることも問題視されている。対策委のキム・ヨンモク常任代表は「インファ学校事件の裁判で、性的暴力の被害者が聴覚障害者だったにもかかわらず、抵抗できない状態だったとは認められなかった。体が不自由な人に比べれば、抵抗する力があると判断された形だ。声を出せないことが、危機的状況でどれだけ大きなハンディキャップになるかが認められないのが韓国の法律の現実だ」と語った。キム代表は障害者に対する性的暴力を加重処罰する方向で法律を見直し、量刑基準を示す必要があると訴えた。

 現行の社会福祉事業法で、行政機関の管理監督権が及ばないことも、障害者に対する人権侵害の主因として挙げられている。対策委のパク・チャンドン執行委員長は「映画『るつぼ』を見て、過去の性的暴力事件の真実を知ることも重要だ。しかし、それでは過去形にすぎない。子どもたちも保護者も事件を公にすることでつらい思いをする。なぜこのような問題が繰り返されるのかを考える必要がある。現行の社会福祉事業法には、福祉法人を監視、けん制する仕組みがない」と指摘した。パク委員長は「社会福祉事業法と私立学校法を改正しなければ、映画『るつぼ』のような事態が後を絶たないだろう」と訴えた。

■障害者に対する無関心

 しかし、障害のある生徒の苦しみは、健常者による偏見と無関心が原因だと専門家は指摘する。

 昨年、障害を持つ娘が性的被害を受けたと通報してきた母親は「障害者とその保護者は、ひどい被害を受けても、対抗できずになすすべがないのが実情だ。悔しくて憤りの余り、じだんだを踏んで嘆く障害者の親がどれだけ多いか分からないはずだ」と訴えた。

 被害を受けた娘は、深刻な精神的不安や異常な行動を示し、指をかむために、傷ついた指ばかりだという。それでも娘は「恨みを晴らしてほしい」と訴えているという。母親は「最近『共生』とはいうが言葉だけだ。障害者だと言えば、不利益を受けるケースがはるかに多い。外出時に、娘が障害者だと気付かれないようにするのが大変だ」と話した。

光州= 金性鉉(キム・ソンヒョン)記者 , 江陵= 洪瑞杓(ホン・ソピョ)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/09/29/2011092901152.html

障害者への性犯罪描いた映画、事件再捜査のきっかけに
2011/09/29 16:14 KST

【光州聯合ニュース】ろう学校の教職員4人が5年間にわたり、聴覚障害者の女生徒らに性的暴行を加えた事件がモチーフの映画「トガニ」(るつぼの意味)が大きな話題を集めている。この映画の舞台となった学校の社会福祉法人は校名を変更をしようとしたが、認められなかったことが29日、明らかになった。学校のある光州市の市長が安易な事件の幕引きに疑問を持っていたため。またセンセーショナルを巻き起こした映画の力で、警察も再捜査を開始した。

 光州市によると、同校法人は昨年7月、校名の変更を柱とする定款の変更の承認を許認可権を持つ市に求めた。これに対し、市は定款変更の理由が不十分として、承認しなかったという。当時、同事件の真相究明を求める市民団体などが校名の変更に強く反発していた。

 光州市関係者は承認拒否の理由について、「事件に対する法的問題は解決されたが、市長が道徳的な問題が残っていると最終判断し、承認しなかった」と話した。

 光州のろう学校で2000年から5年間にわたり、同校の教職員が聴覚障害者の生徒に対し起こした性暴力事件を描いている。当時、加害者4人は裁判で実刑を言い渡されたが、すぐ復職し、問題となった。

 22日に公開された同映画はショッキングな内容が話題となり5日間で観客動員数100万人を突破した。インターネット上では、事件を起こした教職員に憤りを感じた観客を中心に、事件の再捜査を求める意見が殺到した。

 また、加害者の教職員4人に軽い処分を言い渡した裁判所への非難の声が高まっている。これを受け、地元警察は特別捜査チームを設置し、事件に関する再捜査に着手した。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/sports/2011/09/29/0700000000AJP20110929002800882.HTML

「インファ学校」の字を消す教職員
SEPTEMBER 30, 2011 03:00

00年から障害者への性的暴力事件が発生した光州市光山区三道洞(クァンジュシ・クァンサング・サムドドン)のインファ学校。ある教職員が通学車両に書かれている「インファ学校」の表示を消している。

http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2011093048598