【韓国の続報】光州・インファ学校、廃校へ

こちらの続報です。

d.hatena.ne.jp

最初にこちらの「朝鮮日報」の記事を目にしたのですが、もはやこれだけの処分で済む話ではなくなっていたようです。

記事入力 : 2011/10/04 12:42
性的暴行:インファ学校教員6人、懲戒処分へ
光州市教育庁が特別監査

 障害を持つ子どもたちに教職員が性的暴行を加えるという内容の映画『るつぼ』のモデルとなった、光州市の聴覚障害者向け特殊学校「インファ学校」に対し特別監査を行った同市教育庁は3日、同校を運営する学校法人に対し、教員6人に解任・停職などの重い懲戒処分を下すよう求めた。対象となった6人の中には、性的暴行罪の公訴時効が成立し、刑事訴追されることなく教壇に立っている4人も含まれている。

 J教諭は2005年、性的暴行容疑で告発されたものの、公訴時効が成立し刑事訴追されなかったが、今回の監査により、停職1カ月の懲戒処分を受けることになった。また、公訴時効の成立で告発されなかったK教諭は昨年、障害を持つ子ども同士の性的暴行事件について捜査機関に届け出なかった上、生徒の再入学の過程で不正に関与したことが分かり、解任を求められた。

 昨年、障害を持つ生徒同士の性的暴行事件が起こった当時、酒を飲んで外出していたA教諭は停職3カ月の処分を受けることになった。A教諭は2005年、性的暴行事件について隠ぺいを図ったことが分かり、懲戒処分を受けることになったが、教員訴願審査委員会を通じて救済された。A教諭と同じように救済されたP教諭は、生徒16人の出欠簿を178回にわたって改ざんしていたことが分かり、停職2カ月の処分を受けることになった。

光州= チョ・ホンボク記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/04/2011100401101.html

4日に出た処分については、もちろん各紙が報じていますが、その報道内容はこの「東亜日報」の翻訳記事の中にほぼ盛り込まれています。

仁和学校の法人許可取り消す、施設閉鎖も決定
OCTOBER 05, 2011 03:07

映画「トガニ」(るつぼ)の舞台背景で、障害者への性暴行事件が起こった光州仁和(クァンジュ・インファ)学校に対して、光州市など3機関が、同校の運営法人「ウソク」への許可の取り消しを決めた。光州市は4日、「光州市と光州市教育庁、光山区(クヮンサンク)の3機関が、社会福祉法人ウソク傘下の4施設に対し、法人許可の取り消しと施設の閉鎖を決定した」と明らかにした。

このため、光州市は、ウソクに対する社会福祉法人設立許可の取り消しを、市教育庁は仁和学校に対する特殊教育委託指定の取り消しを、光山区は仁和院(聴覚・言語障害者の生活施設)と職業訓練施設(保護作業場・労働施設)に対する施設閉鎖措置を7日午後4時に行った。

姜雲太(カン・ウンテ)光州市長は同日、「ウソクは設立目的の達成が困難で、閉鎖する必要があると判断した」と述べた。光州市関係者は、「仁和学校の在学生22人と仁和院で生活している57人、職業訓練施設の収容者52人を別の所に移すための必要な時間を考慮して時期を決めた」と説明した。

許可が取り消しになれば、ウソクは清算手続きを踏むことになる。裁判所は、清算管理人を選定し、債権者の申告、清算登記などをする。この清算手続きは通常4ヵ月かかるが、法人側が光州市に対する「取り消し処分効力停止仮処分申請」または「取り消し処分取り消し請求行政訴訟」を提出する可能性が高いようだ。

一方、障害者の人権保障対策の樹立を求め、「るつぼ対策委員会」が4日、発足した。光州仁和学校性暴行対策委、全国障害者差別撤廃連帯、人権団体連席会議など19の市民社会団体で構成された「光州仁和学校性暴行事件の解決と社会福祉事業法改正に向けたるつぼ対策委員会」は、国会で発足の記者会見を行った。この会見には、民主党民主労働党、進歩新党、国民参加党の野党4党が同席した。

委員会は、「障害者手当の搾取、性暴行および苛酷行為などの事件は、根本的に法制度の問題から起こる」とし、「『第2のるつぼ』を防ぎ、障害者の権利を向上させるために社会福祉法人、および施設の公共性・透明性・民主性を強化する方向で、社会福祉事業法(別名るつぼ防止法)を改正しなければならない」と求めた。

http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2011100516438

ただ、ここまでの一連の話が、インファ学校の廃校処分で「気が済んでしまう」という、一時的なブームとしての結末を迎えてしまわないか、ちょっと気になるところです。

障害者対への性的暴行事件、毎年増加傾向
OCTOBER 01, 2011 06:00

障害を持つ子供を対象にした性的暴行事件を描いた映画「ドガニ」が波紋を起こしている中で、類似の障害者性的暴行事件が毎年増加していることが分かった。

警察庁が30日、国会行政安全委所属のハンナラ党朴大海(パク・デヘ)議員に提出した資料によると、障害者対象の性的暴力事件発生件数は、07年199件、08年228件、09年293件、10年320件で増加傾向を示している。特に、今年1〜8月、障害者対象の性的暴力事件の発生件数は385件で、既に昨年の発生件数を上回っている。

同期間性的暴力事件発生件数を地域別で見ると、釜山(プサン)が225件で最も多かった。続いて、△ソウル209件△京畿(キョンギ)204件△忠清北道(チュンチョンブクド)103件などの順だった。映画「ドガニ」の舞台のインファ学校がある光州(クァンジュ)で発生した障害者対象の性的暴力事件は合わせて39件だった。人口100万人当たりの障害者性的暴力事件発生件数でも釜山が67件で最も多かった。

障害者対象性的暴力事犯の検挙率はここ5年間94.5%(1424件発生、1347件検挙)だった。検挙率が低い地域は慶尚南道キョンサンナムド)で81.3%(64件発生、52件検挙)にとどまった。ソウルも加害者を検挙した件数は184件に過ぎず、検挙率が88%にとどまった。

朴議員は、「性的暴力の被害に遭った障害者の保護と加害者に対する処罰のため、公訴時効規定を廃止する法改正を推進する必要がある。来年3月施行予定の『児童青少年性保護法』にある性犯罪前科者就業制限範囲に障害者福祉施設も含ませるべき」と話した。

http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=040000&biid=2011100165458

全北「ヨングァンの家」事件を映画化した「スム」が封切
OCTOBER 01, 2011 06:00

光州(クァンジュ)インファ学校事件を扱った映画「ドガニ」が社会的波紋を起こしている中で、全羅北道金堤(チョルラブクド・キムジェ)地域の障害者施設の「ヨングァンの家」の性的暴力事件を描いた映画「スム」も関心を集めている。

先月29日、全北障害者差別撤廃連帯によると、「ヨングァンの家」事件は07年7月、同施設のA院長(55)が知的障害者を常習的に性的暴行し、A院長の妻が補助金を横領した事件だ。この事件は内部職員の情報提供で外部に知られた。

全北地域市民社会団体は同年8月、「全北社会福祉生活施設の非理清算と人権確保のための連帯」を立ち上げて真相究明と問題解決に乗り出した。真相調査以後、「A院長が障害を持つ女性3人に10年間性的暴行を加え、これを隠ぺいするため、被害女性に子宮摘出手術まで受けさせた」とし、検察捜査と施設閉鎖を促した。

全州(チョンジュ)地裁は08年4月、A院長に対し障害女性を性的暴行した疑いで懲役3年を、A院長の妻に対しては補助金を横領した疑いで懲役10ヵ月をそれぞれ宣告した。9ヵ月後の同年12月、ヨングァンの家は閉鎖された。院生50人あまりの中で、30人あまりは保護者に引き継がれ、残りの20人あまりは他の社会福祉施設に委託された。

地域社会に衝撃を与えたヨングァンの家事件は、昨年、ハム・ギョンロク監督が映画「スム」に製作した。今月1日から封切られ、全州デジタル独立映画館で上映されている。商業映画のドガニ(125分)は性的暴行の場面などが描写されたが、独立映画のスム(89分)は性的暴行を受けた女性主人公の痛みと愛を描いた。スムでは実際肢体障害者のパク・ジウォンさん(30)が女性主人公に扮し、障害者20人あまりも助演で出演した。

キム・ビョンヨン全北障害者差別連帯事務局長は、「ヨングァンの家の職員20余人のうち4人ぐらいがA院長の姻戚だったので、性的暴行が繰り返されても止められなかった」とし、「障害者が直面している現実に対し、社会が更なる関心を持たなければならない」と話した。

http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=040000&biid=2011100164068