学校に校庭がなくなったら

何度か取り上げているこのネタ。

惨憺たる学校体育の現況

学校体育の惨状とプロ野球の活況

学校から校庭がなくなり、生徒たちが思うように走り回れなくなることの帰結として一つ考えられるのは、「のびのび運動する」ことについてすら格差社会化が進むということです。

学校教育の場でそれが保障されないとしたら、お金を払ってそういう機会を「買える」家庭とそうでない家庭との間では、学力だけでなく体力すら大きく差がついてしまう。

例えるならば、青葉学院はより圧倒的に強く、墨谷二中はよりみじめに弱くなっていく。そういう世の中の到来を、韓国社会は望んでいるのでしょうか。


記事入力 : 2012/04/09 13:14
韓国で校庭のない学校が増加

韓国国内に12校

 今月5日、ソウル市鍾路区の独立門小学校。男子児童15人が昼休みに校舎と校舎の間の狭い長方形の空間でサッカーをしていた。学校で太陽の光を浴びながら運動できる場所は、縦22メートル、横9メートルの「インラインスケート場」しかない。一方、男子に場所を取られた女子児童4人は、校舎のロビーでバドミントンをしていた。

 この小学校には校庭がない。1957年の開校時には小さな校庭があったが、児童増加に伴い2000年に校舎を増築した際になくなった。インラインスケート場でサッカーをしていた5年生の男子児童は「サッカーボールを思い切りけってみたい。思う存分走り回るスペースがなくて体がむずむずする」と語った。

 校庭のない学校は、この小学校を合わせソウル市内に4校ある。いずれも05年以降に開校した。都心に住宅やビルが増え、用地の確保が難しくなったことを受け、教育科学技術部(省に相当)は1997年に「高等学校以下の各級学校の設立・運営規定」を改正。地域の状況に応じ、一定面積の校庭を確保しなくても学校の建設が認められるようになり、「校庭を持たない学校」が登場し始めた。

 韓国の児童・生徒の体力は落ちる一方だが、学校の校庭は年々減っている。校庭を持たない学校はソウル市に4校、京畿道に3校など全国で12校に増え、校庭の面積が1000平方メートルに満たない学校も約60校に上る。

 本紙が8日までに教育科学技術部の資料を分析した結果、高校生1人当たりの校庭面積は、07年が13.0平方メートル、08年が12.6平方メートル、09年が12.0平方メートル、10年が11.8平方メートルと縮小を続けている。ただし昨年は12.3平方メートルと、前年に比べ0.5平方メートル拡大した。だが、生徒数が09年から11年にかけ2万2000人減少したことを考えると、校庭の面積は全般的に縮小傾向にあるといえる。

 校庭がない学校や狭い学校は、校舎の屋上や体育館を活用している。だが、屋内では跳び箱やマットなどの軽い運動はできても、陸上競技やサッカーなどは難しい。独立門小学校のイ・ハクシン校長は「子どもたちは校庭で思い切り走り回り、エネルギーを発散させてすくすく育つべきだが、屋内で太陽の光も浴びられずに限られた運動ばかりしている子どもたちを見るのはつらい」と語った。

 校庭のない学校の児童・生徒は、校庭のある学校の生徒に比べ運動量が少ないことが、調査でも明らかになっている。ソウル市教育庁教育委員会に相当)は昨年▲校庭のない小学校▲校庭はないが代わりの場所を確保している小学校▲校庭を持つ高層の小学校▲校庭を持つ低層の小学校−をそれぞれ3校ずつ選出し、計12校の5年生722人を対象に運動時間を調査した。その結果、校庭もなく代わりになる場所も持たない学校の児童は、ほかの学校の児童に比べ、1日の平均運動時間が最大30分ほど短かった。

 ソウル教育大学体育教育科のオム・ウソプ教授は「校庭の用地をまず確保する先進国と違って、韓国は土地に余裕がなければまず校庭を減らしている。子どもの知・徳・体をバランスよく育むためには、学校に適切な規模の校庭を確保することを義務付けるべきだ」と指摘している。

キム・ヨンジュ記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/04/09/2012040901220.html