学校体育の環境変化、となるか?

韓国の学校体育についてはこれまでもいろいろチェックしてきたので、これもクリップしておきましょう。

小学校の運動会なんて、うるさいに決まってます。

これまでは概ね暗澹たる思いで読む他ないニュースが多かったのですが、珍しくこれは悪くない話です。

記事入力 : 2012/11/16 11:03
小中高校で運動部が普及

大会出場チームも1年で倍に

 今月10日の土曜日、ソウル市九老区宮洞の宇信高校では朝から宇信高、慶文高、信一高の1、2年生100人が集まった。この生徒たちはサッカー部とバスケットボール部の部員で、およそ3時間にわたり対抗戦を行った。試合後、生徒たちは「海外の名門校のように定期的にリーグ戦をやろう」と約束した。3校とも自律型私立高校のため、今後1年に3回、サッカーとバスケットボールの定期戦を行うことを決めた。自律型私立高校とは独自の理念とカリキュラムで学生を募集・教育する私立高校のことだ。

 小中高校でスポーツ活動に参加する児童・生徒の数が徐々に増加している。校内暴力対策として今年の初めから導入された運動部は、人格教育だけでなく成績の向上にもプラスに作用するとの認識が広がり、多くの部員が集まり始めているのだ。

 教育科学技術部(省に相当)が15日に明らかにしたところによると、放課後のクラブ活動に参加する児童・生徒の割合(小学校2年〜高校3年)は、昨年の45%(293万人)から今年は70.6%(460万人)に急増した。また上記の宇信高、慶文高、信一高のように、全国でさまざまな大会や対抗戦に参加しているチームの数は、昨年の500チームから今年は1025チームに増えた。クラブを指導しているコーチの数も昨年の1816人から今年は1万2044人へと大幅に増加した。

 現在、全国の小中高校の児童・生徒が放課後に参加できる運動部は、サッカー、野球、バスケットボール、ダンスなど100種目以上に達する。

 ソウル大学教育学部体育学科のカン・ジュンホ教授は「児童・生徒たちがスポーツ活動に取り組めば、いじめや校内暴力が減り、成績も上がるという研究結果が海外でも数多く発表されている。身体的にも精神的にも大きく成長するこの時期の子どもたちにとって、スポーツはビタミンと同じく必須の栄養素のようなものだ」と述べた。

アン・ソクペ記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/11/16/2012111600975.html

記事入力 : 2012/11/16 11:05
「スポーツは重要」 各学校に認識広まる

一般の生徒によるスポーツ対抗戦が学校を変える
慶文高、信一高、宇信高が親善対抗戦

 今月10日午前、ソウル市九老区宮洞にある宇信高校の体育館で信一高、宇信高、慶文高のバスケットボール対抗戦が行われた。2試合に出場した慶文高2年のパク・チウォン君(17)も、汗びっしょりになりながらコートを駆け回った。体育館のあちこちからは各校を応援する大きな声援も聞こえた。

 自律型私立高校(独自の理念とカリキュラムで学生を募集・教育する私立高校)の3校が第1回の対抗戦を行ったこの日、会場となった宇信高校の体育館と運動場は、どこも生徒たちの熱気に包まれていた。サッカーは3校とも1勝1敗。バスケットボールは信一高が2勝、宇信高が1勝1敗、慶文高が2敗だった。総合優勝は信一高。しかし勝敗が重要ではない。パク君は「友達と試合に出て本当に楽しかった。みんなにもこの楽しさを知ってほしい」と話した。

 試合に出場した生徒たちで、スポーツに専門的に取り組んでいる生徒は1人もいない。全員が普通の高校生だ。この日行われた対抗戦は、体育で大きな教育効果を挙げた宇信高のキム・ガプチュン校長の提案で始まった。

 宇信高は昨年の初めごろ、昼休みと放課後の自由時間を50分から80分に延ばして生徒に運動をさせることを決め、全生徒に柔道を指導した。すると生徒たちは徐々に熱中し、その結果、成績が上がり体力も向上。同校で今年行われた身体検査と体力測定の結果「低体力」に分類される4等級と5等級はわずか2.4%だった。ちなみに4等級と5等級の割合は全国平均で13.4%。宇信高のホン・センミン教諭は「体育に力を入れ始めたのはわずか1年前だが、その効果は驚くべきもので、4等級と5等級の割合は全国平均の6分の1にまで減り、授業の雰囲気もいつしか良くなった」と説明した。

 慶文高も運動の効果と重要性に気付き、最近は体育に一層力を入れている。昨年初めに同校に赴任した体育のイ・デホ教諭(29)は、それまで50分だった昼休みを70分に延ばすことを学校側に提案した。学業に力を入れる自律型私立高校では、生徒が机の前に座る時間が非常に長い。そのため生徒に運動の時間を与えようと、昼休みの時間を伸ばしたのだ。イ教諭は1年生と2年生を対象に、サッカー部とバスケットボール部の部員を100人募集し、昼休みに50分ずつ試合をさせた。サッカー部に所属するチン・ソル君(17)は「土曜日も毎週朝8時から友達とグラウンドに出て3時間練習し、その後自習室で勉強する。汗を流すと疲れて勉強に集中できないと思われがちだが、逆に頭がすっきりして成績も良くなった」と話した。

 イ教諭は「スポーツを通じて生徒たちは人間的にも成長している」と強調。「今月10日の試合で、ある生徒が後ろからタックルされて倒れたが、逆に自分から相手に『大丈夫か』と声を掛けた。その様子を見てとても感動した」「試合で不利になるとすぐに他人のせいにしていた生徒たちが、今は互いに励まし合うようになった」とエピソードを織り交ぜながら説明してくれた。

 信一高のキム・ホサン教諭は「うちの高校にはバスケットボール部とサッカー部だけでなく、ボクシング、卓球、ボディービルディングなど18のクラブがあり、生徒たちは自然と運動に親しんでいる。学業のストレスを解消するためにも、運動はぜひとも必要だ」と強調した。

 3校による対抗戦のうわさが広まると、今度は江南区の中東高校、徽文高校、現代高校と瑞草区の世和高校の4校が対抗戦を行うことを決めた。中東高のキム・ビョンミン教諭は「12月から毎年4校が持ち回りで会場を提供し、定期戦を行うことにした。生徒たちにとってスポーツがいかに重要か、各学校も徐々に理解を深めている」と述べた。

シム・ヒョンジョン記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/11/16/2012111600982.html