ガンバ大阪に何が起きた?

名古屋グランパスのメモリアルゲームを台無しにする圧勝劇を見せたガンバ大阪2010年の天皇杯決勝を上回るこの大勝は、残留に向けても大きな1勝であるだけに、嬉しいのはもちろん嬉しいんですけど、「何がどうなったらこうなる?」と不思議な気持ちです。現場を見ていないだけに。

代表ホットラインが躍動!G大阪 今季最多5発爆勝

J1第22節 G大阪5―0名古屋 (8月18日 豊田ス)


<名古屋―G大阪>前半、名古屋・藤本(左)と競り合うG大阪・遠藤
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 G大阪の代表ホットラインが天敵の息の根を止めた。2―0の後半23分だ。MF遠藤のクロスをファーサイドに走り込んでいたDF今野がドンピシャのヘッド。元日本代表GK楢崎の手をかすめてネット左隅に突き刺さった。今野は移籍後初得点。「ラッキー。あの辺りをフラフラしていたらボールが来ました」と笑ったが、G大阪の今季最多5得点の立役者となった。

 ゴールショーの幕開けは前半38分だった。遠藤のCKを佐藤が頭で流し、こぼれ球をFWレアンドロが押し込んだ。名古屋に退場者を出た43分には遠藤がPKで今季4得点。後半も攻撃の手を緩めず、効果的なカウンターで次々に加点した。

 ここ4戦負けなし。3得点に絡んだ遠藤が「前半から良い形でやれていた。快勝というか良いゲーム。リーグ戦は負けないことが大事。僕たちは上位チームよりもガムシャラにやらないといけない」と話せば、守備でもシュート4本に抑えて完封した今野も「今は試合前から“やれる”という気持ちが出てきている」と自信を取り戻しつつあることを強調した。

 降格圏こそ脱出できなかったが16位に浮上。ただ14位のC大阪との勝ち点差は「2」と射程圏だ。「きょうみたいに無失点に抑えて、たくさん得点取りたい。次に繋げたい」と遠藤は早くも次戦に目を向ける。降格圏に沈み、悩み続けた西の雄が一気に怖い存在になってきた。


<名古屋―G大阪>前半、G大阪・丹羽(右)と競り合う名古屋・永井
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[ 2012年8月19日 06:00 ]

http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2012/08/19/kiji/K20120819003930680.html

無惨な生誕祭
2012年8月19日 紙面から


名古屋−G大阪 試合後、0−5の大敗に、ブーイングするサポーターをなだめる名古屋・田中隼(右から2人目)ら=豊田スタジアム

 名古屋グランパスはDF増川の退場処分が響き、G大阪に大敗。磐田はC大阪に逆転勝ちした。広島は新潟に快勝して勝ち点43で首位をキープ。前節2、3位の対決となった仙台と柏は引き分け、仙台は勝ち点39の2位、柏は同36の4位。浦和は鹿島を下し、同38で3位に上がった。

◆G大阪5−0名古屋

 20周年記念試合と銘打ったメモリアル・ゲームで、グランパスが醜態をさらした。タイムアップのホイッスルとともに、スタジアムに詰め掛けた今季最多3万354人のファンからの大ブーイングがこだまする。ロンドン五輪からの帰国凱旋(がいせん)試合となったFW永井は「見に来てくれたたくさんの方々に申し訳ない」と声を落とした。5点差以上での惨敗は、07年9月22日の神戸戦以来5年ぶり。ピクシー政権下では初の屈辱的敗北だ。

 永井が自慢の快足を披露するシーンはほとんどなかった。ロンドンでは中2日で6試合を戦う超ハードスケジュールをこなした。「未知の世界。試合中に『意外に(疲れが)きているな』という感覚があった」と振り返る。激戦の傷跡は深く、G大阪戦では本来のキレ味を欠いた。後半に迎えた唯一の決定機ではボレーシュートをまさかの空振り。MF金崎は「アイツは疲れている」とチームメートを思いやった。

 起爆剤として期待された永井が不発に終わり、守備もDF増川が前半42分退場すると崩壊した。ストイコビッチ監督は「0−2になった時点で試合は終わった。後半は何点取られるのかと思った」と自嘲する。16日にはディフェンス陣だけで緊急ミーティングを開いて引き締めを図っていたが、その効果もなし。最近3試合の公式戦の失点は「12」まで膨らんだ。

 記念試合での歴史的惨敗で順位は9位に落ち、首位広島との勝ち点差は「11」まで拡大。優勝を使命づけられたグランパスが、いよいよ土俵際まで追い込まれた。永井は「きょうは立ち上がりの内容は悪くなかった。切り替えていかないと」と前向きに語った。永井、玉田、金崎の復帰で役者はそろいつつある。このままでは終われない。 (木村尚公)

http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/grampus/news/201208/CK2012081902000074.html