これから高齢化が進む韓国の老後

新しい店ができては消えていく韓国の町中の風景の実感からして、わりと納得のいく内容の記事です。それはある意味で「韓国らしさ」でもありますし、大成功を収めても大失敗に終わってもお店が続かないことがしばしばあります*1。けれども、このご時世ですし、廃業となればほとんどは後者でしょう。

「自営業を始めたものの、儲からなくて続かず、閉店する」となれば、多くの場合で「残るのは借金だけ」ということになるはずです。

一つの企業での平均勤続年数が20年を切って早期退職傾向が強まっている(こちら参照)上に、社会保障体制もまだまだ脆弱、そして老後のための資産運用の頼りとなっていた不動産価格の下落、と数え上げていくと、「韓国の老後」はそうそう楽観できそうにはありません。

ちなみに下の記事、妙な尻切れトンボで終わっていると思ったら、原文記事の最後の一段落を訳していませんね。「そこが肝心」という部分ですし、ついでですから、引用の後に仮訳を付け足しておきます。

韓式食堂 半数以上が開業2年以内に廃業
登録 : 2012.11.27 08:55 修正 : 2012.11.27 10:05
生存率44%…女性衣料品店は32%

 代表的な自営業分野である韓式食堂100店の内56店が創業2年以内に廃業していることが明らかになった。 カラオケ、のりまき・粉食店、チキン店などその他の自営業部門でも過熱競争のせいで創業初期に廃業する事例が多いことが分かった。

 全国242万カード加盟店の中で240万加盟店を保有するBCカードが2010年9月に創業した自営業者の時間経過別、業種別生存率を算定した結果、代表的創業業種である韓式食堂の2年生存率は44%にとどまった。 2010年9月に1707店が新たに開業した韓式食堂は1年8ヶ月目で半数ほどが廃業し、満2年目では半数を下回る751店だけが生き残っていた。

 2年生存率とは創業店全体の中で24ヶ月後にも売上を上げている店の比率を意味する。

 他の飲食業種の2年生存率も概して50%を越えられなかった。 2年前に891店が開業した食肉専門店の場合、1年11ヶ月時点で50%を割り込み、2年後には48%だけが営業を継続していた。洋食(548店)と日式および刺身料理店(374店)の2年生存率もそれぞれ42%と49%だった。 699店が開業したのりまき・粉食店は1年後には71%が残っていたが、2年後には49%に減った。

ソン・ギョンファ記者

韓国語原文入力:2012/11/27 08:33
http://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/562504.html 訳J.S(680字)

http://japan.hani.co.kr/arti/economy/13419.html

 フランチャイズ支店であるかどうかによっても生存率に差を見せた。製菓・製パン店の場合、フランチャイズ支店の2年生存率が67%であったのに対して、一般店は51%でそれより低かった。 チキン・鶏料理の場合、フランチャイズ支店と一般店の2年生存率はそれぞれ53%、48%となった。ノ・ファボン小商工人振興院調査研究部長は「現在の自営業者比重が適正水準に比べて30%ほど過剰になっているところに、ベビーブーム世代シニアらの退職で今後さらに過熱すると予想される。新事業発掘で飲食業・小売業・サービス業での過度な業種偏重現象を解決し、十分な働き口提供することで、創業集中を防がなければならない」と話した。


ということで、この記事は、こちらを参照しながら読むとしましょう。

日本より重い「日本病」に罹る韓国 - 日経ビジネスオンライン

老いてゆくアジア―繁栄の構図が変わるとき (中公新書 1914)

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消費するアジア - 新興国市場の可能性と不安 (中公新書)

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*1:前者の場合は、「もっといいビジネス」に転業するためです。