イム・ユンテクの死

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記事入力 : 2013/02/12 09:56
【訃報】「ウララセッション」イム・ユンテクさん32歳

胃がん4期、二つの悪性腫瘍と戦っていた
「まだ生きているのか?」心ない書き込みに
主治医の診断書公開も


▲写真提供=CJ E&M

 2011年、人気オーディション番組『スーパースターK3』(Mnet)で優勝した「ウララセッション」のリーダー、イム・ユンテクさん(32)=写真=は11日夜8時42分、胃がんのため死去した。イム・ユンテクさんは11年1月に胃がん?期と診断されて胃の切除手術を受けた後、抗がん剤治療を続けていた。

 イム・ユンテクさんが率いる無名の4人組ボーカルグループ、ウララセッションは同年8月から11月まで放映された『スーパースターK3』に出場するやいなや優勝候補として常に注目を浴び、ついに同番組のシリーズで3組目の優勝チームとなった。

 胃がんと診断され抗がん剤治療中だということは、同年9月に放映された中間予選ステージで初めて公表、多くの視聴者を驚かせた。8月下旬に合宿に入ったときも目に見えてやせていた。しかし、不屈の闘志で生放送のコンテストに出場、「決勝の結果に関係なく『スーパースターK』シリーズ真の勝者」と絶賛された。昨年3月にはソウル市内の高校を訪れ、自分が高校時代問題児だったことを告白、校内暴力の弊害や深刻さについて警告した。しかし、優勝後にイム・ユンテクさんを待っていたのは「インターネット上での無差別な人格攻撃」だった。一時的に病状が好転したかのようになると「本当にがんなのか」「まだ生きているのか」などの心ない書き込みが相次ぎ、そうした書き込みはほかのサイトにも際限なく広がっていった。

 イム・ユンテクさんは昨年5月にテレビ番組に出演し「(ネット上の悪質な書き込みで)『生きているのか』と聞かれれば『生きている』と答える性格だが、痛がったり太ったりすることに気が引けるのは無念」と心情を吐露した。ネットの心ない書き込みがピークに達したのは、婚約者が妊娠していることが分かった昨年6月だった。所属事務所は当時、主治医による医学的所見をプレスリリースで配布する事態となった。

 このプレスリリースで、延世大学附属セブランス病院のラ・ソニョン教授(腫瘍内科)は「イム・ユンテクさんが初めて病院に来たときは手術可能な時期が過ぎた胃がん?期だった。腹腔内のがん細胞が育ち始めていたため、2011年12月から新薬による抗がん剤治療をしているところ。イムさんがほぼ同じステージのほかの患者に比べ抗がん剤治療に耐えられるのは、前向きな性格でチャレンジ精神旺盛だからだろう」と話していた。

鄭智燮(チョン・ジソプ)記者

http://ekr.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/02/12/2013021200741.html

[オピニオン]イム・ユンテクと悪質コメント
FEBRUARY 13, 2013 03:39

「本当にがんです」。がんであるだけでも辛いのに、がんが事実だと説明までしなければならないなら、その辛さはどれほどか。11日に天国に行った「ウララセッション(ULALA SESSION)」のリーダー、イム・ユンテク氏(33)がまさにそのケースだ。2011年、ケーブル放送のオーディション番組「スーパースターK」で優勝してスターになった彼は、ステージ4の胃がんであることを明らかにし、イシューメーカーになった。しかし、一部のネットユーザーが「本当にがんなのか」、「まだ生きているのか」、「同情を誘って人気を得ようとする手だ」などと非難を浴びせると、昨年6月に主治医の診断書まで公開した。辛いことだが、彼は死をもって悪質コメントの主張が偽であることを明らかにすることとなった。

◆故人は生前にがんと闘いながらも希望を捨てなかった。闘病中も、コンサートとレコード制作、学校暴力撲滅の講演まで、活発に活動した。主治医だった延世(ヨンセ)大学医学部のラ・ソンヨン教授は、「別のがん闘病患者と比べてもよく耐えている。特有のポジティブなメンタルのためだろう」と話した。坑がん治療による身体的・感情的苦痛をグループのリーダーとしての責任感と仲間への愛情で克服した。にもかかわらず一部のネットユーザーは、「がん患者がどうして笑って走りまわれるのか」、「1年後には奇跡的に完治したと記者会見をするだろう」と中傷した。

◆イム氏は、悪質コメントも笑ってやり過ごすほど毅然としていた。父親が悪質コメントのインターネットアドレス(IP)を調べて告訴を準備すると、「若い人が多い。将来がある」と止めた。むしろツイッターに、「悪質コメントを書いてくれた方々はコンサートのチケットを送るので、直接公演を見に来てください。それでも気に入らなければ仕方ないけれど、努力しているということだけでも分かってください」と書き込んだ。テレビ番組に出演しては、「その人の立場で考えると、誤解することもある」と「度量の大きな」理解を示した。しかし少なからぬ傷を負ったことは間違いない。

◆人気芸能人に対する悪質コメントの攻撃は、昨日今日のことではない。歌手ユニやトランスジェンダータレントのチャン・チェウォン、タレントのアン・ジェファン、トップスターのチェ・ジンシルが自ら命を絶った背景に悪質コメントを無視することはできない。タブロは、米スタンフォード大学の卒業が偽造だというネットユーザーを名誉毀損で告訴し、長年の闘争の末、免罪を晴らした。しかし、大半は一人で悩むだけだ。イム氏が亡くなった後も悪意のコメントが書き込まれている。小説家の李外秀(イ・ウェス)氏は、イム氏が息を引き取った後、「短かったが誰よりも真実であり、誰よりも情熱的で、誰よりも偉大な生涯を生きた」と追悼の言葉と共に、「今日のような日はどうか悪質コメントがないことを願う」と述べた。悪質コメントを書く人は、自分の行動を振り返り、故人の愛と情熱から学んでほしい。故人の冥福を祈る。

申然�憑(シン・ヨンス)論説委員

http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=100000&biid=2013021311988