日大フェニックスのラフプレー問題:辞任したからといって解決にはならない。

話題から離れている間にちょっとした動きがあったようですが。

日大フェニックスの監督が辞任したからといって問題の解決にはならない。私はそう思いますし、そう思うのは私だけではないと思います。

肝心なのは、その前提です。そこはまだ手付かずです。

アメフット 日大・内田監督が辞意 悪質タックルは再回答
毎日新聞2018年5月19日 20時56分(最終更新 5月20日 00時31分)

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質疑応答を打ち切り、大勢の報道陣に囲まれながら退出する日本大学アメリカンフットボール部の内田正人監督(中央)=羽田空港で2018年5月19日午後7時11分、丸山博撮影

 アメリカンフットボール関西学院大との定期戦(6日、東京)で、守備選手が相手に悪質なタックルをして負傷させたことを受け、日本大の内田正人監督(62)が19日、大阪(伊丹)空港と羽田空港で報道陣の取材に応じ、監督を辞任する意向を明らかにした。内田監督は「問題は全て私の責任。弁明はいたしません」と述べた。同日、兵庫県西宮市内で関学大の鳥内秀晃監督(59)や負傷した選手、保護者らと面会して謝罪した。悪質なタックルを生んだ指示の有無は24日に関学大にする再回答で経緯を伝えるとしている。

 空路で帰京した内田監督は、羽田空港で待ち構えた報道陣に対して一連の騒動を改めて陳謝。無数のカメラのフラッシュがたかれる前で、深々と頭を下げた。質問に答える口調ははっきりとしていた一方、「指示」の有無に質問が及ぶと「文書を出す」「ここでは控えたい」と繰り返した。日大の常務理事などの大学内の役職辞任の可能性については「それは違う問題ですので」と言及しなかった。

 複数の関係者は悪質なタックルについて「内田監督の指示があった」としている。しかし、日大は関学大への回答書(15日付)で、「意図的な乱暴行為などを選手へ教えることはない。指導方針は『厳しさ』を求めるものだが、選手の受け取り方に乖離(かいり)が起きた」と答えていた。具体的な経緯や見解などは事実関係を確認し、24日までに再回答する意向を示している。内田監督は「いろいろな臆測などに対応しきれないところがある」と語った。日大によると、後任監督は未定だという。

 また、関学大は19日、日大から謝罪を受けたこととともに、日大が所属する関東学生連盟の規律委員会から事情聴取を受けたことも明らかにした。いずれも詳細は後日明らかにするとしている。関学大は17日に開いた記者会見で、直接の謝罪や指導内容などの具体的な回答を要望。再回答に納得しない場合は定期戦を打ち切る意向を示している。

 日大の春季オープン戦は今月20日以降に予定されていた全6試合が中止となる異例の事態となっている。関東学連は規律委の報告を受け月内にも最終的な処分を決める方針を示した。

 両校は大学日本一を決める毎日甲子園ボウルで最多の29回対戦し、定期戦も今回が51回目だった。【倉沢仁志】

https://mainichi.jp/articles/20180520/k00/00m/050/081000c

アメフット 日大監督辞意「これが区切りではない」
毎日新聞2018年5月19日 21時15分(最終更新 5月20日 02時19分)

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記者の取材に応じ、関西学院大学の選手に対し謝罪する日本大学アメリカンフットボール部の内田正人監督=羽田空港で2018年5月19日午後7時5分、丸山博撮影

 アメリカンフットボールの名門、日本大フェニックスの内田正人監督(62)が19日に辞意を表明した。関西学院大との定期戦(6日・東京)で相手を負傷させた守備選手の悪質タックルを呼んだ指示の有無は明言していない。公の場に現れなくなり約2週間。姿を見せると同時の突然の辞任表明にアメフット関係者は驚きを持って受け止めながらも、不信感は払拭(ふっしょく)できていない。【田原和宏、松本晃】

 日大との春季オープン戦実施を相次いで見送った関東学生連盟のライバル校。東大の森清之ヘッドコーチ(HC)は「辞任は報道で知った。内田さんが辞めても状況は何も変わっていない。タックルの指示をしたのかどうかなど事実関係を明らかにすることが大切。謝罪も辞任も、そのための第一歩にはならない」と厳しく指摘した。法政大の有沢玄HCも「辞めるのは内田監督の判断だが、これが区切りではない。アメフット界全体で再発防止を考える必要がある」と強調した。

 一方、関東大学1部リーグに所属する別の監督は「ここまで問題が大きくなると辞任はやむを得ない。常務理事という大学の要職でもあり判断が難しかったのかもしれないが、(試合があった6日以降の)初期の対応に疑問が残る」と述べた。

 関東学連の柿沢優二理事長は「辞任する、しないに関わらず、全力を挙げて(連盟の)規律委員会で全容解明するというのは変わらない」と強調。日大への処分を含めて「スピード感を持って結果をとりまとめたい」と述べ、今月中に結論を出す考えを示した。

日大側の対応に疑問の声
 2008年、柔道教室の指導者にかけられた過度な投げ技で次男(21)に重い意識障害が残った沢田佳子さん(47)=長野県松本市=は今回の問題について「(内田監督の)謝罪までに時間がかかったのは、日大側がこんな騒ぎになるとは思っていなかったからではないか」と指摘。「今回は映像があまりにも衝撃的だったので、一般の常識と日大側の意識の差が明確になったのだと思う。スポーツの指導者に『勝つためだから』と言われれば、不合理な指示であっても、選手も保護者も何も言えなくなってしまう。こうした図式を改めなければ、安全が確保されない」と話した。

 インターネット上でも、日大側の対応に疑問の声が上がった。記者会見で内田監督が関西(かんせい)学院大を「かんさいがくいん」と何度も間違えて発言したことについて、ツイッターでは「謝罪先の名前を不正確に言うのは誠実さに欠ける」といった書き込みが相次いだ。【花牟礼紀仁】

日本的な責任の取り方で残念
 友添秀則・早稲田大教授(スポーツ倫理学) 何も説明せずに全て自分が悪かったというのは日本的な責任の取り方で残念だ。選手と監督の関係はどうあるべきか、行き過ぎた勝利主義をいかに克服するかなど大学スポーツを取り巻く問題を考えるいい機会になる。関学大が求めているのも監督の辞任ではなく、なぜこういうことが起きたのか。ただし今回、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)によって問題提起できたことはよかった。

関学大、発言控える
 関学大アメリカンフットボール部の選手たちは19日、兵庫県西宮市のグラウンドで午後4時半から同7時半ごろまで非公開で練習した。日大の内田正人監督と面会した鳥内秀晃監督(59)や小野宏ディレクター(57)は姿を見せなかった。

 内田監督の辞任表明について、練習後にチーム関係者は報道陣に対して「練習中で知らなかった。(感想は)特にない」とほとんど答えず、選手たちも「すみません」と発言を控えていた。【長宗拓弥】

https://mainichi.jp/articles/20180520/k00/00m/050/087000c

追記:下記の記事に出ているコメントは、保護者の方だけのものではありません。とりあえず24日の再回答待ちですね。。

アメフット 負傷選手の父「釈然とせず」 日大監督謝罪に
毎日新聞2018年5月21日 00時27分(最終更新 5月21日 00時27分)

 アメリカンフットボールの日本大と関西学院大との定期戦(6日、東京)で、日大の守備選手が関学大の攻撃選手に悪質なタックルをして負傷させた問題で、関学大は20日、日大の内田正人監督(62)から謝罪を受けた負傷選手の父親のコメントを発表した。

 父親は「日大選手がどうしてあのようなプレーをしたのか説明がなかったし、指示があったのかも(日大の内田監督が)話されなかったので釈然としない」とコメント。さらに、「(日大が所属する)関東学生連盟にしっかり調査して真実を明らかにしてもらいたい」と調査を求めた。

 関学大は日大に対し、具体的な経緯や見解などを求めており、日大は24日までに再回答する意向を示している。【長宗拓弥】

https://mainichi.jp/articles/20180521/k00/00m/050/137000c