日本仏教と韓国をめぐる群山での動き

うーん。なるほど、群山の東国寺に関連しての動きですね。

日本仏教の「侵略加担」を議論 韓国・群山で28日
2013/09/26 15:32

【群山聯合ニュース】韓国南西部、全羅北道群山市の群山近代歴史博物館は26日、同館で「群山の近代文化、そして日本の仏教」をテーマに第1回韓日学術セミナーを28日に開催すると明らかにした。

 東国大学の金浩星(キム・ホソン)教授の日本仏教史研究所と同館が共催するセミナーでは、韓日の学者8人と関係者らが参加。近代日本仏教の朝鮮半島侵略加担についてや、群山近代文化遺産の保存と活用のための議論が行われる。

 特に、曹洞宗僧侶で青森県の雲祥寺住職、一戸彰晃氏が発表者として出席する予定で注目を集めている。

 一戸氏は日本が朝鮮半島を侵略する過程で曹洞宗が加担した罪を反省し悔いる意味で、昨年9月に同市の東国寺に懺謝(仏教用語で許しを請い謝ること)文を刻んだ石碑を建てた。


 7月に来韓した際の一戸彰晃氏=(聯合ニュース

http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2013/09/26/0400000000AJP20130926001500882.HTML

群山近代歴史博物館というのは、東国寺から近く、海沿いにある新しい博物館です。

群山の東国寺には2年前に行ったことがありますけど、その時にはまだ、ここで話題になっている「懺謝文」の碑はありませんでした。

【群山の風景】群山商業高等学校

そして、この動きをめぐって曹洞宗内部が相当揉めていたことを知ったのは、つい最近のことです。

http://tousikai.web.fc2.com/images/sannjyamonhibun.pdf

(お知らせ)曹洞禅ネットにおける「懺謝文」全文の掲載休止と再掲載について - 曹洞宗 曹洞禅ネット SOTOZEN-NET 公式ページ

曹洞宗による『懺謝文』★引用>群山・東国寺の石碑をめぐる日本人住職の孤独な戦い 植民地時代の罪を悔いる「懺謝文碑」、日本の右翼が撤去要求 - ナザレのイエス御自身の信仰の形成過程と見えたもの

一連の騒動の発端となったのは、こちらの聯合電だったようです。このような経緯があるとすれば、それが曹洞宗や日本仏教界を巻き込むものになることは当面難しいでしょうし、いわゆる「日本の良心的知識人」と同じような形で、韓国内で政治的に利用される道をたどってしまうことも危惧されます。

東国寺を支援する会

日本の曹洞宗 韓国の寺に植民地支配謝罪の碑建設へ
2012/09/10 15:45 KST

【群山聯合ニュース】日本の植民地時代の蛮行を反省し悔い改める碑が、日本の仏教人の手により韓国南西部にある全羅北道群山市の東国寺に建てられる。

 日本の仏教の代表的な宗派である曹洞宗の僧侶10人余りが16日午前10時に「東国寺創建104周年茶礼祭」に出席し、ざんげ法会をする予定だ。

 この日、法会では「懺謝(仏教用語で許しを請い謝ること)文碑除幕式」も同時に行われる。東国寺の前庭に横幅3メートル、高さ2.3メートルの大きさで制作された石碑には、日本語の原文と韓国語の翻訳文で植民地支配の蛮行を恥じ、心から謝罪するという内容が刻まれている。

 法会には、東国寺を創建した曹洞宗の宗務庁の神野哲州財務部長が出席し、碑文を読み上げる。

 碑の建設費用は日本側が負担した。

 曹洞宗は日本の植民地支配が終わった1945年当時、韓国に160余りあった寺と布教所を従える巨大宗派だった。東国寺は1909年に曹洞宗の僧侶により建てられた。


除幕式を控える碑=10日、群山(聯合ニュース

http://japanese.yonhapnews.co.kr/pgm/9810000000.html?cid=AJP20120910002900882

「中外日報」にも、こんな感じで記事が載っていました。いちおう、曹洞宗内部の揉め事としては、既に沈静化しているようです。

曹洞宗が「懺謝文」石碑の撤去要求
2012年9月22日

日本統治時代の韓国全羅北道・群山に曹洞宗が建て、終戦後に韓国曹渓宗に属した東国寺で16日、宗門が過去の戦争協力や海外伝道の「過ち」を詫び、20年前に声明した「懺謝文」を刻む石碑が両国の有志僧侶らによって除幕された。これへの対応で曹洞宗の宗務当局がついに強硬な手段に出た。石碑を建てた日本人僧侶に対し、懺謝文の複製は著作権法違反だとして公に撤去を要求。領有権問題で日韓関係がこじれる中、報道で石碑建立を知った一般の人々の激しい反発が背景にあるが、草の根の仏教交流に水を差しかねない。

http://chu35862.securesites.net/religion/news/20120922-002.html

曹洞宗公式サイトに「懺謝文」復活
2012年10月20日 17時25分

曹洞宗は16日、公式サイトで掲載を中断していた、過去の宗門の戦争協力を反省する声明「懺謝文」(1992年発表)を35日ぶりに復活した。一方、懺謝文を刻んだ石碑が韓国・群山の旧曹洞宗寺院「東国寺」(戦後に韓国曹渓宗に所属)の境内に立ち、曹洞宗著作権法違反だとして撤去を求めている問題で、石碑を同寺に寄贈した一戸彰晃・雲祥寺住職は12日、撤去要求を拒絶する文書を佐々木孝一・宗務総長宛てに送付した。

同宗はサイトへの再掲載に際して、経緯を振り返る文章を同時に添えた。これによると、懺謝文への非難や撤回要求の中に「危険な兆候を発見」したといい、掲載休止は「悪意と敵意だけのアクセスや無責任な煽動」を防ぐ緊急的な措置だったと説明。

「歴史文書」である懺謝文の精神を継承し、撤回や修正は一切しないとする一方、「不断の検討を加えていくことは当然」「金科玉条に固定しておいてよいはずは」ないなどとして、懺謝文にある個々の歴史認識や事実認定を見直し、別個に「新たな見解」を打ち出す可能性を示唆した。

また、懺謝文は同宗が「差別図書」と認める『曹洞宗海外開教伝道史』(1980年)を回収する際の「趣旨説明」などの「限定的な目的のために作成」した文書だと主張。「十分なる協議も説明も」なく「一方的に曹洞宗の懺謝を表明するための道具」ではないとして、一戸氏のような動きを牽制している。

http://chu35862.securesites.net/religion/news/20121020-001.html