漢字を知らないことの…

…罪、などと言うつもりはありません。が、「わかった方が何かと便利」なことは否めないと思うんですけどねえ。

この話がややこしくなっているのは、実用的な「学ぶ価値」とナショナリスティックでイデオロギー的な価値観とがごちゃごちゃになってしまっているところでしょう。いずれにせよ、自分自身の選択の自由の問題としてならともかく、「教えるな」「教わるな」という形での他人の自由の制限になってるとすれば、運動として評価はできません。

ちなみに、この手の記事は日韓対訳でクリップするのが本来は効果的なのですが、ネット上ではどうも元記事が見つかりません。

記事入力 : 2014/06/22 09:11
キャンパスにあふれる漢字を読めない歴史学徒たち

漢字分かれば簡単な単語、学生ら意味も分からず丸暗記
ぽっかり「穴」開いた語彙力
漢字分かれば簡単な単語、音は知っていても意味知らず学習に支障
国語辞書引いてもさらに混乱

 「先生、質問があります。『ホウキ』って何ですか?」

 これは、ソウル市内の私立大学史学科で教えているA教授が数日前、新入生オリエンテーションで学生と話していたときに受けた質問だ。「蜂起(ほうき)」とは「虫のハチ(蜂)」に「起こる」と書いて、「ハチの群れのように大勢の人々が一斉に反乱などの行動を起こすこと」という意味だ。「歴史学科に志願しておきながらそんなことも知らないのか」と注意しようとしたが、周りの学生たちもみんな分かっていなさそうな顔をしていた。

■漢字知らず歴史学専攻する大学生

 学生がよく分かっていない歴史用語はこれにとどまらない。朝鮮王朝時代、学識があり官僚を輩出するソンビという階層が受けた政治的迫害を意味する「士禍」、志を同じくする人々が集まった団体を意味する「朋党(ほうとう)」、西洋勢力が起こした事変を意味する「洋擾(ようじょう)」…。深刻な例では、戦争で大勝したことを意味する「大捷(たいしょう)」という言葉を、単に大きな戦争を意味する「大戦」と同じだと勘違いしている学生も多かった。

 その単語を構成している漢字を知っていればすぐに意味が分かるはずなのに、教科書にはハングル文字だけが書かれているため、意味も分からないまま丸暗記に精を出していたというわけだ。A教授は「だからといって、戊午(ぼご)士禍を『戊午年(1494年)にソンビが迫害された事件」、丙寅(へいいん)洋擾を「丙寅年(1866年)にフランスが朝鮮に侵攻してきて起こった戦争」のようにいちいち解釈して話すわけにはいかない」と話した。

■意味の解釈できず英単語のように丸暗記

 歴史科目だけではない。数学でも「等号」や「帯分数」という用語を初めて習うとき、漢字も一緒に習って「互いに等しいことを示す符号」「整数が分数を帯びているもの」という意味であることを知れば、はるかに理解しやすいはずだ、と学者たちは指摘する。

 理科も漢字が分かれば、両生類は「陸地でも水の中でも生息できる生き物」、齧歯(げっし)類は「歯で物を齧(かじ)る生き物」、樹枝状細胞の「樹枝状」は「木の枝の形」の意味だとすぐに理解できる。だが、漢字を知らなければ単語を逐一丸暗記しなければならない。

 全国漢字教育推進総連合会の資料によると、高校教科書の索引に出てくる用語中、漢字語の割合は韓国史96.5%、社会92.7%、生物87.2%、物理76.2%、化学64.5%だったという。中学校の教科書では理科76.2%、数学81.1%、道徳91.4%だった。

 高麗大学漢文学科のキム・オンジョン教授は「漢字を漢文の授業だけで教えている現行の教育課程では、全科目の教科書で語彙(ごい)のほとんどを占める漢字語を、英単語を覚えるのと同様、表音文字と意味を結び付けて覚えるしかない」と話す(アルファベットもハングルも表音文字であるため、文字を見て読むことはできるが、意味までは分からない)。仁済大学のチン・テハ碩座(せきざ)教授(寄付金によって研究活動を行えるよう大学の指定を受けた教授)は「そのほとんどが漢字語からなる知識用語を、ハングルで表記して学習するだけでは、耳学問による聞きかじりの知識になってしまう。その結果、話すときも自信が持てないし、文章を書いても正確さに欠ける」と指摘した。

■国語辞典を引くと余計に分かりにくい?
 「よく分からない単語は辞書を引けばいいじゃないか」という一般的な意見に対しても「現在出版されている辞書を見ても、余計に混乱することが多い」という反論が聞こえてくる。成均館大学中国文学科のチョ・グァンジン教授は「新しい単語が出るたびに国語辞典を引く学生でも、辞書を見るともっと分からなくなることが多い」と語った。

 例えば、地理の授業に出てくる「海溢(かいいつ)」(津波の意)という言葉の意味を国立国語院の「標準国語大辞典」で引くと、「海底の地殻変動や海上の気象の変化により突然、海水が大きく波立ち、陸地に流れ込むこと。またはそのような現象」となっている。辞書の説明を読むよりも、「海溢」という漢字の意味が「海が溢(あふ)れる」だという基本的な情報を知っている方が意味が理解しやすいことが分かる。

 また、数学の教科書に掲載されている「楕円(だえん)」という単語を辞書で引くと、「平面上の二つの定点からの距離の和が常に一定な点の軌跡。定点と定直線からの距離の比が一定な点の軌跡で、この2定点を楕円の焦点と言い、定直線を準線と言う」と、まるで暗号のような説明になっている。しかし、「楕円」の「楕」が「細長い円」という意味だと知っていれば簡単だ。結局、漢字語の意味をきちんと教わっていないために遠回りしてやっとのことで理解に至るのだ。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/06/22/2014062200471.html

記事入力 : 2014/06/22 08:59
ハングルだけでは区別できない「連覇」と「連敗」

同じ発音だが意味は正反対の「同音反義語」
 「長期にわたり外部勢力の侵略を受けた民族なので、『はいがい』感情が大きい」というときの「はいがい」と、「外国のものなら無条件で好む『はいがい』精神は捨てた方がよい」というときの「はいがい」は、同じものだろうか。意味は正反対だ。前者は「外国のものを退け、拒む」という意味の「排外」で、後者は「外国のものを盲目的に崇拝する」という意味の「拝外」だ。

 ハングルだけで表記する「ハングル専用」の大きな盲点の一つが「同音反義語」、すなわち「発音は同じだが意味は反対の単語」の存在だ。ハングルだけで「5ヨンペ」と書いた場合、連続して制覇するという意味のヨンペ(連覇)なのか、連続して敗れるという意味のヨンペ(連敗)なのかが分からなくなってしまう。

 場合によっては事故につながりかねない同音反義語もある。火の用心の「パンファ(防火)」、水を防ぐ「パンス(防水)」を「パンファ(放火)」「パンス(放水)」と書いてしまうと、「火を付ける」「水を流す」という意味になる。

 「シルクォン(実権)」は「実際に行使し得る権利や権勢」という意味だが、同じ発音の「シルクォン(失権)」は「権利や権勢を失う」という意味だ。ハングルで「シルクォンジャ(者)」とだけ書いた場合、どちらの意味なのか混乱してしまう。同様のケースに、実際に表れる効果という意味の「実効」、効力を失うという意味の「失効」がある。

 また「あの女性は『ジョンブ』だ」としか言わなかったら、褒めているのか非難しているのか分からない。発音は同じでも、「情婦」だと「妻ではないのに情を通じ、深く付き合っている女性」のこと、「貞婦」だと「聡明で操を守る女性」という意味になるからだ。また▲賞を受けるという意味の「受賞」と賞を授けるという意味の「授賞」▲騒々しい音という意味の「騒音」と音を消すという意味の「消音」▲欲が深いという意味の「過欲」と欲が少ないという意味の「寡欲」▲特定の場所に偏っているという意味の「偏在」と広く散らばっているという意味の「遍在」−も同様のケースだ。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/06/22/2014062200459.html

記事入力 : 2014/06/19 10:52
「漢字を学ばない韓国、東アジアで孤立する」

漢字教育を叫ぶハングル専用論者
ソウル大学のホ・ソンド教授

 「学生たちに漢字を教えることがそれほど非愛国的でプライドを傷つけられることか。それならなぜスーツを着るのか」

 「ハングル専用論者」でありながら漢字教育の必要性を強く主張する人物がソウル大学中国文学科のホ・サンド教授だ。ホ教授は『三国史記』『高麗史』『太祖実録』など歴史書の原文や、拡張漢字(政府が指定した標準漢字4888字以外の漢字)1万5000字をコンピューターに入力し、研究などに活用できるようにした「国学電算化」の先駆者だ。

 ホ教授は「まず必須漢字1500字については、希望する生徒・学生たちを中心に教えていかねばならない」と主張する。漢字はその数が非常に多く、学習自体が大変と一般には認識されているが、ホ教授が20年以上かけて数百冊に上る資料の電算化作業に取り組んだところ、基礎漢字1000字さえ理解すれば、漢文からなる文献のおよそ86%は読むことができるという。

 ホ教授は「ハングルしか知らないことを愛国と考えるのは間違いだ」と指摘する。愛国とは決して「われわれだけが最高」と考えることではない。「東アジアの漢字文化圏で孤立せず、周辺の国々と調和を持って付き合うことがより大きな愛国」というのがホ教授の考えだ。ホ教授は「これまでハングルは非識字率の引き下げに大きく貢献した。だとすれば今度は漢字が韓国語の高級化に寄与しなければならない」と訴えている。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/06/19/2014061901739.html

ただ、朝鮮日報でこの手の文化記事と言えば必ず名前を目にする兪碩在記者、現在に至るまで半年以上にわたって「한자 문맹(漢字文盲) 벗어나자」というタイトルで、連載記事を書き続けていますね。毎回たくさんの例を挙げながら書かれているこの記事、今日付けのものが13回目となっています。

ぜんぶに目を通してはいませんが、上記の種々の間違いの例はあるいはそれらの中にあるのかも知れません。

[한자 문맹(漢字文盲) 벗어나자]환골탈퇴 야밤도주 성대묘사… 글 좀 쓴다는 이들도 오류 빈번 - 프리미엄조선

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