この記事に引用した産経新聞の記事に触発されて、現場を見に行った時のことです。
桑名の祟り:せいぜいたたられればよろしい。 - 大塚愛と死の哲学
近鉄特急に乗って降り立ったのは桑名駅。土地区画整理事業が進められているのは西口の方です。この西口駅前から線路沿いに南側一帯、養老鉄道の線路に至るあたりまでが事業の対象になっています。
上記新聞記事によれば、この先行建設街区域内にあった5~6基の「落ち武者の墓」が既に破壊されている、ということになります。
で、唯一残った墓は、近鉄線が見えるこの車道の反対側にあります。
なるほど。これですか。錆びついて読めないところもある説明板も、墓の傍らに確かにありました。
産経新聞の記事の書き方には若干誇張や混乱が見られるようですが*1、それはそれとして、このように長年の信仰の対象になっているものは、殊更に粗雑に扱ってよいことがあるとは思えず、やはり丁重に扱った方がよいかと思います。そして、この墓を残しながら事業を進めることが不可能な状況だとも、思えないのですよ。
こうした伝承のあるものを保持することが、土地区画整理事業をその土地に根ざしたものにするような気もするんですけどねえ。
地元住民の反対が根強く、新聞沙汰にもなってここまで知られるようになった以上、わずかな土地や計画修正の手間を惜しんでそれを踏みつぶすような真似を敢えてすることは避けた方が事は丸く収まるでしょうと、老婆心ながら申し上げておきます。