PL学園、休部前最後の夏の緒戦の朝

その場へ足を運ぶか否か、かなり迷ったのですが、会場がスタンドの収容人数1600人の花園球場で、取材陣や関係者が多数来られるだろうことも考えて、日常の中で見守ることにしました。

様々な困難を経てここまで来た高校野球人生の集大成です。悔いなき試合となることを祈っています。

名門PL学園、最後の背番号1の重み「諦めず、泥臭く」
荻原千明2016年7月14日10時14分

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PL学園の背番号1を背負った哲平=6月4日、大阪府枚方市、高橋雄大撮影

 18歳となる高校3年生が背負うには、あまりに重い荷物なのかもしれない。甲子園春夏37回出場、優勝7回。ファンならずともその名を知るPL学園高校(大阪府富田林市)の硬式野球部。過去の暴力事件がきっかけで、今夏限りで休部となり、伝統に幕を下ろす。

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 5月の試合。エース藤村哲平(3年)がうなだれていた。相手は大阪の強豪・履正社。1、2年生チームに打ち込まれ、3―13で5回コールド負け。涙を浮かべて言った。「こんな投球では『1』をつけてこられた先輩方に……情けない」

 過去の背番号「1」には桑田真澄(元巨人)や前田健太ドジャース)ら球界を代表するメンバーが名を連ねる。今のチームは公式戦の勝ち星がない。肩を落としてバスに向かう選手に一人の男性が声をかけた。

 「僕はそのユニホームにあこがれてPLに入りました」。大阪の専門学校で野球を指導する森岡正晃(53)。18歳になる年の夏、PL学園の主将だった。

 部員が一生懸命プレーしている姿を見て甲子園にあこがれた時代を思い出していた。「そのユニホームはプレッシャーがかかると思うが、自分たちの好きな野球を精いっぱいやってください」。嗚咽(おえつ)していた。

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 哲平が入学する1年前の2013年4月、当時の監督が部員同士の暴行事件を受けて引責辞任。秋に野球経験のない校長が監督に就任した。入学をあきらめた少年たちが何人もいた。

 中学時代、ダルビッシュ有(レンジャーズ)らが輩出した野球チームにいた。自身の世代でPL学園に進む選手は少なかったが、哲平は強くあこがれていた。

 寮生活が始まった。先輩が後輩に世話をさせる「付き人」制度は廃止されていたが、1年生がグラウンド整備などを担った。受け継がれてきたPL学園の上下関係。実質、監督がいなくても黄金期を築いたOBらが指導し、二つ上の代は夏の大阪大会準優勝。歴史が断ち切られるなんて想像したこともなかった。

 「来年春から部員の受け入れを停止する」

 1年の秋、学校側は「監督の適任者がいない」と保護者に通知した。コーチらからは、「やれることをやろう」と声をかけられた。

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 今夏、12人全員が選手や記録員としてベンチ入りできる。同じポジションを争うライバルはいない。

 入学後、打力は伸びたが投手としては伸び悩んだ。フォームがしっくりこない。もがくほど力む。「伝統があるのに自分くらいでもエース。責任を感じる」

 昨年7月までコーチを務めた深瀬猛(47)は「彼らに責任のないことを背負わせたくない」と話す。1987年の春夏連覇の時の主軸。「胸の文字が重いのは、先輩たちが築いた歴史が偉大なせいじゃない。みんなの応援が大きいからだ。そう思って、今ある力を思い切り出してほしい」

 今月3日、大阪大会前の最後の練習試合。哲平は山口県の強豪を相手に投げ勝った。調子は上がってきた。「12人全員で努力することが僕の青春だと思う。野球は宝物」と哲平。PL学園は15日、5年前の大阪代表・東大阪大柏原との初戦に臨む。「うちは『逆転のPL』。最後まで諦めず、泥臭いプレーを積み重ねていく」=敬称略(荻原千明)

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最後の練習試合。哲平はユニホームの胸元を握って気持ちを入れた=3日、大阪府富田林市

http://www.asahi.com/articles/ASJ747TT6J74PTIL046.html

2016.7.15 05:01
PL学園、最後の夏にOB集結!15日に東大阪大柏原と対戦/大阪

 第98回全国高校野球選手権大会(8月7日開幕)大阪大会では15日の2回戦(花園)で今夏限りで休部するPL学園が2011年の大阪代表、東大阪大柏原と対戦する。部員受け入れ再開のメドは立っておらず、最後のユニホーム姿になる可能性もあり、吉村禎章氏(元巨人)、木戸克彦氏(阪神球団本部部長)ら多くの卒業生がスタンドに応援に駆けつける予定。プロ野球球宴休みに入っており、現役選手、コーチも駆けつける可能性もある。

 部員12人(登録は11人)のPL学園は現チームは公式戦未勝利。東大阪大柏原は今春の府大会では、準優勝の大阪偕星学園と4回戦で対戦、1-4で敗れている。多くの報道陣が想定されるため、主催者は試合終了後グラウンドで30分間取材を行う決勝方式で対応することを決めている。

阪神・福留

「彼らが何を思うかだけど、僕は、グラウンドで彼らができることを精いっぱいやってくれたら、それでいいと思う。PL学園のユニホームを着ているんだと、そういう気持ちを持って堂々とプレーしてくれたらいい」

阪神・片岡打撃コーチ

「最後まで悔いが残らないよう、12人が思い切ってやってくれたら。恵まれない環境の中ではあるけど、頑張ってほしい」

http://www.sanspo.com/baseball/news/20160715/hig16071505010007-n1.html

PL学園、きょう初戦も主力負傷の緊急事態/大阪
[2016年7月15日6時3分]

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9日、開会式で行進するPL学園ナイン

 15日の初戦となる東大阪大柏原戦(2回戦)で負ければ休部となるPL学園(大阪)にアクシデントが発生した。試合を翌日に控えた14日、練習中に河野友哉内野手(3年)が大腿(だいたい)を骨折した。

 出場可能な11人から戦線離脱。残る10人の中でも外野手の1人は右肩痛を抱えており、実質9人で戦うことになった。「1球への思い、1球への集中力。1人1人の気持ちが大事」と日ごろから仲間を鼓舞し続けた梅田主将(3年)。終われば休部となる夏の初戦で逆境での強さを見せる。

http://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/1678659.html