映画「哭声/コクソン」を観る。

評判は韓国での公開時から聞いていて、ずっと観たかった「哭声」、シネマート心斎橋で昨日、11時45分の回を観てきました。

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だいたい、「激おこぷんぷん丸」のあの國村隼が重要な役を担い、青龍映画賞で2冠を獲得したというだけでも観たくなるところ、「弁護人」のクァクドウォンに、「カート」「解語花」のチョンウヒ、そしてとどめの脇役がファンジョンミンです。そらーツボに来ますよ。

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いやーしかし、一言で表現するのは難しい作品です。それは、一義的で合理的で腑に落ちるようなオチがない、というよりも、そういう「答え」を隙なく排除したところに成立しています。

つじつまの合う説明がつくような「理由」を打ち消し、ありきたりな善悪の線引きをかき消し、人知を超えた領域を垣間見せつつ、その領域を支配する黒幕の可能性を一つ一つ否定しつつも、解けない謎を残していく。そして、何もわからないまま、結果としての事実と闇を覗いてしまった後の不安だけが残る。

何もわからず、オチもつかないまま放り出されてしまう作品なのですが、ここで扱われている、「ある」とも言えず「ない」とも言えない「何か」は、表現される必然性があるのだと思います。

とにかくもう、いろんな解釈に開かれた作品です。後でいろいろ考えるには、導きとしてのパンフレットを買っておいた方がいいでしょうね。

あと、邦題(案)としての國村隼のどっきどき★田舎漂流記 危ないオッサン大暴走!?」は、表現としてかなりイイ線行ってると思いました。この映画を観たうえでの感想です。


ところで、昨日の11時45分の回ということは、これの回だったわけです。

もちろん、参加してきました。

韓国文化には非常に疎いもので、個人的にすごく勉強になりました。質疑応答でもいい質問がいくつも出てましたし、よいイベントでしたね。

と同時に、「現在の日本における韓国文化の受容にとって性別が持つ意味」についても、改めて考えさせられました。たぶん、大雑把に言って9:1、下手すればそれでは済まないくらいの偏りがあります。男性で構成されるサークルでは、この領域での文化受容にまつわるあれこれが見えてこなくても仕方ないです。