「The Global Gender Gap Report 2017」の国別順位、日本は144カ国中114位
ま、これが現実っちゅうやつですよね。受け入れようが受け入れまいが。
朝日新聞の下の記事の後半に書いてあること、因果関係は不明な部分が大きいのでそのこと自体の判断は保留しますが、だからといって「今のままでいい」という結論になるわけでもないですね。
日本の男女格差114位に下落 「政治」123位に後退
松尾一郎=ジュネーブ、三島あずさ、村井七緒子 2017年11月2日08時01分
日本の男女平等度合いを分野別にみると男女格差(ジェンダーギャップ)の大きさを国別に順位付けした「世界経済フォーラム」の報告書が2日付で公表され、日本は144カ国中114位と、前年より三つ順位を下げた。主要7カ国(G7)では今年も最下位だった。
経済、政治、教育、健康の4分野14項目で、男女平等の度合いを指数化し、順位を決める。
日本がひときわ出遅れているのが、政治分野での男女平等だ。123位で、前年の103位から後退した。女性国会議員の割合▽女性閣僚の割合▽過去50年間の女性国家元首の在任年数の3項目で評価する。
女性議員は1日現在、衆院で47人(10・1%)、参院で50人(20・7%)。地方議会も昨年末時点で12・6%にとどまる。先月の衆院選では、女性候補者の割合は17・7%と過去最高だったが、当選者は前回から2人増えただけ。朝日新聞の調べでは、女性が参政権を得て初めての衆院選(1946年4月)から、選挙区で女性議員が1人も誕生していない県は青森、富山、山口、香川、高知、佐賀、大分、鹿児島の8県ある。
海外では、候補者や議席の一定割合を女性に割り当てるクオータ制を導入する国もあり、女性議員が増加。カナダやフランス、ノルウェーなどは内閣が男女半々だ。日本でも今年、候補者数をできる限り男女均等にするよう政党に求める法案が各党で合意されたが、国会の混乱や衆院解散で廃案に。1日に発足した新内閣は全員再任で、女性閣僚は2人だ。
女性議員が増えない背景には、選挙制度や政党の姿勢に加え、候補者を選ぶ政党の地方組織や地域社会が「男性中心」ということもある。
内閣府が2015年、全国の20~60代の男女2万3500人に行った調査では、自治会・町内会長は「男性と決まっている」、または「男性がなることが多い」と答えた人は45・6%。「女性と決まっている」「女性がなることが多い」は0・9%だった。
■「女性議員は利益誘導に走らない」
議会に女性が増えると、何が変わるのか。
ひとくちに「女性議員」と言っても、個人や政党によって問題意識や主張はさまざまだが、一定の特徴が見てとれるデータがある。
駒沢大の大山礼子教授(政治制度論)は「女性議員比率が高い国ほど、財政赤字が少ない傾向がある」と話す。OECD諸国のうち14カ国で、15年の債務残高と、新人女性議員が議会内で発言力を持つようになるまでの時間を考慮し、00年時点の女性議員比率を比べたところ、女性議員比率が高い国ほど、債務残高の対GDP比が低いことが分かったという。
大山教授は「女性議員は利益団体代表が少なく、利益誘導に走らない。女性のほうが次世代の負担に敏感とも言える」とみる。そして、「人口分布からかけ離れた議員構成が、国民の議会不信や無関心を助長しており、議会制民主主義の基盤を掘り崩している」と指摘する。
慶応大の小林良彰教授(政治学)がデータのそろった125カ国について調べたところ、女性議員比率が高い国ほど、民主主義の度合いやGDPに占める教育費の割合が高く、軍事費の割合が低い傾向がみられたという。女性議員比率の上位15カ国のうち、14カ国は選挙が比例代表制だといい、小林教授は「女性が家事・育児と選挙運動を両立させながら、定数1の小選挙区で当選することは難しい。女性を増やすには選挙制度の見直しも不可欠だ」と指摘する。
経済分野は、前年の118位から114位へ、わずかながら改善した。とはいえ、労働参加▽賃金▽所得▽官民の高位職▽専門職・技術職の5項目のうち、官民の高位職は116位、所得は100位など、依然として男女格差は大きい。
報告書では、経済分野での男女平等は日本のGDPを5500億ドル(約63兆円)増やす、という推計も紹介されている。16年のGDP(537兆円)の12%に当たる額だ。
ブルガリア出身の女性で、来日中の世界銀行CEO(最高経営責任者)クリスタリナ・ゲオルギエバ氏は1日、朝日新聞の取材に答え、「男女平等の実現は、女性だけでなく社会全体にとって有益だ」と指摘。90年代には女性の管理職がほとんどいなかった世銀でも、変革を重ね、今では5割に迫るという。
「女性が増えると視野が広がり、より良い決断を下せる。今では皆が、ジェンダー平等は経済合理性があると理解している。社会をより良くするため、もっと女性に力を与えるべきだ」
1位は9年連続でアイスランド。女性議員の割合は、集計対象だった6月1日時点で約48%に上った。アジアのトップは、10位のフィリピンだった。(松尾一郎=ジュネーブ、三島あずさ、村井七緒子)
せっかくなので、韓国の関連記事も備忘のためにリンク貼っておきましょう。今年の報告書を受けた報道はたぶんこれからだと思われます。