【南海の風景】南海追慕ヌリ定点観察2018・その1:とりあえず全景、そして平峴平里自然葬追慕墓域

この日の続きですね。

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バスターミナル前からタクシーに乗って、今回は追慕ヌリへ直行。道中は省略。前回やっていた道路工事は完成してました。

まずは入り口左手の斜面を登ったところからの全景写真。

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その上で、改めて入り口側から。擁壁型の納骨壇とてっぺんの幽宅の丘が目印です。

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で、道路を挟んで、下から駐車場・旧来型土葬墓域・新しい自然葬地が続いています。

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さらに左に視線を移すと、納骨堂・葬礼場棟・火葬場棟があり、その奥の坂道を超えた先にはさらに墓域が広がっています。そちらは後ほどまた改めて。

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こうして遠目で見るとよくわかりますが、中段にある旧来型の土葬墓域に抜けが目立ちます。現在は自然葬地化されたかつての共同墓地とは違い、ここは1999年以降に埋葬が始まったところですから、現行法的にはまだまだお墓を移したり整理したりする必要はないはずなのですが、かなり移葬が進んでいるようです。この南海追慕ヌリの中で、土葬墓の遺体を改めて火葬した後に移す受け入れ先となりうる納骨平葬墓や自然葬地が増設・新設されていますから、そちらに移動した例が多いのではないかと考えられます。また、南海郡では、ここ以外にも面や里の単位で設置された共同墓地の整理や自然葬地化が進んでいるところもありますので、そちらに移された可能性もあります。

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次に、反対側から遠目で見ていた自然葬地、平峴平里自然葬追慕墓域の方へ移動します。昨年の記事はこちらです。

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まず、手前側の斜面にある無縁故墳墓エリアは、番号の入った小さな平面を見せる石が順調に墓域を埋めていっています。ここの墓石は意外と縦の長さがあって、その分埋まっているので、すぐに動かせるような平石ではありません。

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この無縁墓域を登り切った先にあるのは、自然葬地の最上部、納骨平葬墓域と同じ規格の墓石が並ぶエリアです。ここは昨年も観察したエリアですが、家族墓地というか、宗中・門中墓地のスタイルを取っていて、それぞれの一族のお墓が固まって並んでいます。

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で、そこを確認した上で、その下にある広い斜面のエリアに移動してみます。

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うーんと。こちら、設置当初のまだほとんど墓碑がなかった段階では、自然葬地で見られる極小サイズの墓石が個人単位・夫婦単位で点在するのが目に付いたように記憶しているのですが、今はどうもそっちが主流を占めているわけではなさそうです。

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昨年から明らかに増えているのは、納骨平葬墓サイズの墓碑を(古いご先祖のものも含めて)固めて設置する宗中・門中墓地スタイルのものです。移葬にともなって火葬のプロセスは経ていますけど、墓地のスタイルとしては従来的なものが維持されていて、「核家族化・個人化といった都市的なスタイルは南海郡ではまだそんなに浸透していない」と解釈できるかもしれません。

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この自然葬地では今後こうした墓地が増えるとすれば、最終的にどうなるのか。そこは引き続き経過観察が必要です。

現時点でちょっと心配なのは、目玉型の植え込みを中心に据えた曲線的な墓域なので、そこをうまく区画して墓域を設置していけるのかな…という点ですかね。私の思い過ごしかもしれませんが、いま見る限りはけっこう野放図に早い者勝ちな場所取りをしているような気がしないでもありません。

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