外務省の歴史「専門官」?:そこでこそ、「専門家」が必要やないの?

は?外務省内で志願者を募集するんですか?

その人たち、大学院レベルで外交史や地域研究の専門教育受けてる?論文書いてる?博士号持ってる?調査研究の実務経験ある?

まあ、外務省内の志願者を3年・5年と国内外の大学院に放り込んで、学位を取らせて業績を挙げさせてから「専門官」にするっていうのならまだわからないでもないですけど*1、この記事からはそんなことしなさそうな雰囲気を感じずにはおれんのですが…*2

だいたい、今でも、その分野の学位持ちのポスドクや任期付きの研究者なんて少なからずいるでしょ?省内で養成なんてめんどくさいことせんと、その人らを外部から選んでスカウトして採用して省内で経験積ませるのがいちばん早いんやないのん?*3

外務省の方々はその分野では素人なんですから、本気でやるならそこはアウトソーシングのしどころですよ。

外務省に歴史専門官…「領土」や「慰安婦」助言
16 時間前

 外務省は今年から、外交史料に関する高度な専門知識を持つ「外交アーキビスト」の育成に乗り出す。外交交渉で過去の経緯や歴史認識が争点となった場合などに、的確に助言できる人材をそろえ、外交力を強化する狙いがある。

 外交アーキビストは、外交史料を収集・管理し調査研究する外務省の職員で、外交や政策立案で助言役となることを想定している。

 外務省は今年1月、特定の国・地域や分野について高度な専門知識を持つ「専門官」の認定制度で、「外交アーキビスト」の区分を新設し、省内で志願者の募集を始めた。従来、史料の収集・管理や調査研究に重点を置いていた「外交史料」の区分の職務内容を広げ、名称を変更した。志願者の知識や能力を評価し、認定者を増やしていく方針だ。

 外交アーキビストに対しては、外交史料館(東京都港区)に所蔵する史料(幕末以降で約12万点)の調査研究だけでなく、外交交渉など実務経験を積ませる。喫緊の外交課題に関わる史料を正確に読み解き、効果的な助言をすることができる人材の育成を目指す。

 外交アーキビストを正式なポストに位置付けた背景には、近隣諸国との外交で「歴史戦」が繰り広げられているという事情がある。

 北方4島などの領土問題や、韓国人元徴用工の訴訟など戦後賠償を巡る問題では、史実を踏まえた外交交渉が不可欠となる。元慰安婦を巡る問題などでは歴史認識も争点になっており、外務省は研究と実務をつなぐことができる人材を育てる必要があると判断した。

 欧米の主要国は外交当局に歴史家を抱えているとされる。外務省は実務に通じた外交アーキビストを育てることで、政策の立案能力や国際社会での日本の発信力を強化したい考えだ。

https://www.yomiuri.co.jp/politics/20190214-OYT1T50152/

*1:その学費だの留学費用だのをどこが持つのかって話はここでは措きます。

*2:地味ですが、「知識」を評価すると言ってるっぽいあたり、外務省の認識にけっこうな不安を感じさせてくれます。てか、「歴史戦」とかマジで言ってる?

*3:うまく回れば、外務省と各大学との人材交流にもなるでしょう。