評判になってたのは聞いてます。読んでみました。
確かにこれはひどい。就活に臨んでいる学生の役に立たないというよりも、はっきり有害と言っていい。
「日経だからと言って鵜呑みにしたらあかん」という実例として後々まで振り返ることができるように、解毒剤と一緒にここに晒しておくことにします。
学生が人生の決断をしたなら引き留めてはいけないし、何ら学生が罪悪感を抱く必要はないから電話やメールで問題なし。採用担当者の時間と手間をとらせる方がむしろ失礼。なるべく早急に連絡。
— Tani Toshiko (@TaniToshiko) May 16, 2019
「辞退の正しい伝え方、「直接会って、まず感謝」を: 日本経済新聞」 https://t.co/yP7k2giECV
話題になっていた記事を読んだ。予想通りとんでもない記事だったので、ここに記す。:内定辞退の正しい伝え方、「直接会って、まず感謝」を :日本経済新聞 https://t.co/0BuqzuwLdB
— ささきりょう (@ssk_ryo) May 16, 2019
内定辞退の正しい伝え方、「直接会って、まず感謝」を
就活探偵団
日経産業新聞 コラム(ビジネス)
2019/5/15 4:30日本経済新聞 電子版売り手市場を背景に複数の内定を持つ学生は珍しくない。この時期、学生にとって深刻なテーマが内定辞退だ。「人事担当者に早めに伝えなきゃ」と気にしながらも、つい先延ばしにしがち。しかも企業の人事担当者は「オワハラ」にならないように配慮しつつも、あの手この手で学生をつなぎとめる。内定辞退の上手な伝え方を探った。
イラスト=強矢さつき「内定者の交流サイト(SNS)に登録させられた。抜け出せるか不安です」。都内の私立大学経済学部4年生の女子学生Aさんはこう話す。
Aさんは内定を3社持つ。本命の大手食品メーカーの選考はまだこれからだが、腕試しのため、昨秋以降に小売業など数社の選考を受けたのだ。
内定をもらったある通販会社では内定通知書を受け取り、「内定者同士で連絡を取り合うために」とSNSに登録させられた。幹部社員と内定者らが集う食事会にも誘われている。
数年前には企業が内定者に対し、他の企業への就活を終わるように強要するオワハラが社会問題になった。最近では、オワハラが発覚すれば情報がネットで拡散、企業ブランドも毀損するため、あからさまなオワハラは鳴りを潜めた。そのぶん「ソフトな囲い込み」が増えているようだ。
就活探偵団
就活探偵団は就活生の悩みを探偵(日経記者)が突撃取材で解決する連載企画。新就活生に必要な心構えや、就活準備に役立つ情報を掲載します。例えば学生がサインして企業に提出する「内定承諾書」。サインしても法的拘束力は発生せず、学生は内定辞退しても構わない――はずだが、やはり学生を心理的に縛る効果が働くようだ。
Aさんは内定を保持したまま本命を受けて「結果が出てからどこに入社するかゆっくり考えたい」のが本音だ。しかし、この先、同期の内定者らと親しくなったら、ますます切り出しにくくなることを心配する。最近では本命に集中するためにも「いつ辞退すべきか」と悩んでいる。
■親を巻き込む企業も
就職情報会社のマイナビ(東京・千代田)によると、4月末時点の就活生1人当たりの内定取得社数は1.6社。昨年に比べて0.1社増えた。そのうち就職活動を終えた学生は30%にとどまる。7割近くが内定を持ちながらも就活を続けているのが実態という。学生の中には「第1志望ではないのに第1志望と言って内定をもらってしまった。どうすればよいか」(私大4年の男子学生)といった声もあった。
内定を出しただけでは企業は安心できない情勢だ。給食大手のエームサービス(東京・港)は内定を出した学生に対し、「内定者教育」で啓発するやり方を採る。やみくもに内定承諾書を書かせるのではなく、内定者にはまず「合格者セミナー」に参加させる。そして役員クラスが事業の現状や将来展望を丁寧に説明。学生に理解を深めてもらってから内定承諾書にサインしてもらう。
同社の人事担当者は「業種柄、食品メーカーなどと併願で受ける学生が多い。当社のことをきちんと分かったうえで内定を受諾してもらわないと、(知名度で勝る)食品メーカーから内定が出た場合、辞退される可能性がある」と説明する。
最近は内定者の「親」に訴えるケースも多い。採用支援のネオキャリア(東京・新宿)の2018年度調査では、親向けに「同意書」を用意した企業は15%と前年度に比べて8ポイント増えたという。
親の同意書にも法的拘束力はない。親がサインしたからといって内定辞退ができない訳ではないが、「決めきれない学生が入社を決断するきっかけになる可能性がある」(ネオキャリア)。
■内定辞退セミナーで学ぶ
さて今回のテーマを調査した探偵(38)は就職氷河期に就活した世代だ。内定をもらうために苦労を重ねた経験からいうと、内定を複数もらってキープする現状には違和感もないではない。
大学では内定の複数キープや辞退について、学生にどう指導しているのだろうか。学習院大学が4月に学生向けに開いた「内定獲得後のマナーセミナー」をたずねた。
学習院大学(東京・豊島)で開かれた「内定獲得後のマナーセミナー」「自分を選んでくれた企業に感謝の心を持ちましょう」。キャリアセンターの淡野健担当事務長が集まった学生を前にこう述べる。リクルートで営業経験を持つ淡野さんは、学生が実際に遭遇しそうな2つのケースについて説明した。
まず1つ目は、内定は得たが他に本命があり、就活を継続する場合。内定を保持してもいいのだろうか。淡野さんは「本命に落ちたときに入社する意思があるなら保持してもいい」。ただし「就活を継続したい旨は内定先企業に伝えた方がいい」とアドバイスする。
2つ目は、実際に本命から内定をもらったときだ。この場合はすみやかに、先に内定していた企業の人事担当者に連絡を取り、「進路について相談したいので伺いたい」と告げるべきだという。淡野さんは「メールの送りっぱなしや電話で完結してはダメ。必ずその企業に足を運ぶことが重要」と力を込める。
「全ての企業にとって、内定を出すことは重要な経営判断」であるためだ。自分を評価して重要な経営判断を下した企業に対して、学生とはいえ「礼を尽くすべき」と指摘している。
そして、いざ担当者と面会した場合、ポイントとなるのは「内定をくれたことへの感謝を、いの一番に伝えること」。それから他社の内定を獲得したため、内定を辞退したい旨を落ち着いて説明すれば良いだろう。
このとき人事担当者からは「君を信じていたのに」「あのときの握手はウソだったのか」「あなたの大学の後輩に影響がでる」などと多少の嫌みを言われることは覚悟しよう。それでも素直な気持ちで頭を下げれば、「ほとんどの場合、了解が得られる」という。
淡野さんは「そもそも入社する可能性がないなら最初から内定を受諾してはいけない。選考途中の企業も含め、優先順位をしっかりつけるように」と注意を促していた。
就活はよく結婚に例えられる。内定がプロポーズなら、内定の承諾は婚約を交わすようなものだ。いわば婚約者に対し、間違っても「黙ってフェードアウト」「卒業ギリギリに断る」といった不誠実な対応はすべきでない。
(企業報道部 鈴木洋介)
[日経産業新聞 2019年5月15日付]
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44748110T10C19A5XS5000/