アフリカの域内自由貿易圏の誕生

9割の輸出入品について関税や非関税障壁を撤廃する自由貿易協定に、アフリカ連合AU)に加盟する55の国・地域のうちエリトリア以外のすべての国が参加することとなった、というニュース。

課題はあるにせよ、巨大な自由貿易圏がアフリカに誕生した意味は小さくないと思います。自由貿易という体制に逆らう措置を取るには、それ相応の正当性・妥当性を主張しないといけない、というのが世界的な現実であると考えるべきでしょう。

アフリカ自由貿易圏が発足、ナイジェリアが署名、20年に運用開始へ
中東・アフリカ 2019/7/9 1:12

【カイロ=飛田雅則】アフリカ連合AU)は7日、ニジェールの首都ニアメーで首脳会議を開き、アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)が正式に発足したと発表した。参加を見送ってきたアフリカの経済大国のナイジェリアが同日に署名し発足を後押しした。各国は9割の輸出入品について関税や非関税障壁を撤廃し、低迷するアフリカ域内での貿易促進を狙う。

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アフリカ連合AU)は7日に自由貿易圏を発足した(ニジェールの首都ニアメー)=ロイター

ナイジェリアとベナンが署名し、AUに加盟する55の国・地域のうちエリトリア以外が自由貿易協定に参加することとなった。2020年7月から運用を開始する予定だ。AU議長国のエジプトのシシ大統領は7日、「世界の目がアフリカに集まっている」と強調した。

アフリカの域内貿易の割合は全体の20%に満たない。欧州連合EU)やアジアに比べ、域内貿易の低調さが目立っている。アフリカの各国は関税などを撤廃し、人口約12億人の巨大市場を形成する狙いだ。

ただ、自由貿易圏の発足によりすぐにアフリカ全土での取引が活発になるわけではない。大陸を横断、縦断する物流インフラが不足しているほか、一部の国や地域で頻発する紛争も交易の妨げとなっている。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47116910Z00C19A7EAF000/