抱えていた仕事を午前中で片付けて、昼から甲子園へ移動する。

お盆前からずっと休みなしで働き詰めてきましたから、この程度ではまだ穴埋めしきれていません。




観ることができた2試合とも、素晴らしい熱戦でした。

明石商延長Vスクイズ「練習はうそをつかない」監督
[2019年8月16日21時42分]

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宇部鴻城対明石商 ナインから勝利球をもらい笑顔を見せる明石商・狭間善徳監督(中央)(撮影・上田博志)

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宇部鴻城対明石商 10回裏明石商1死満塁、サヨナラスクイズを決める明石商・河野(撮影・狩俣裕三)

全国高校野球選手権:明石商3-2宇部鴻城>◇16日◇3回戦

センバツ4強の明石商(兵庫)が、お家芸の小技を集めて宇部鴻城(山口)にサヨナラ勝ちし、夏は初の8強入りを決めた。

8回にバント、エンドランなどで追いつき、延長10回に8番河野光輝内野手(3年)がスクイズを決めた。ほかに中京学院大中京(岐阜)作新学院(栃木)八戸学院光星(青森)が準々決勝に進んだ。

これが「明商野球」だ。野球を熟知した狭間善徳監督(55)ならではの戦法だった。1点を追う8回。先頭打者が出ると、代走窪田が登場。犠打で二塁に進んで、50メートル6秒0の快足は投手の癖を見切って三盗を決めた。1死三塁と好機を広げ、7番清水がフルカウントから「絶対ゴロを打とうと思った」と一塁方向にたたきつけヒットエンドランを成功させ、同点とした。

狭間監督は明徳義塾中(高知)で4度の全国制覇に導いた。本塁へのエンドランは軟式野球の常とう手段の1つだが、高校野球では珍しい。名将は「フルカウントなので外してこない。フライ以外なら1点入る作戦。よく高い球を転がした」としてやったりだ。決着をつけたのも磨き上げてきたお家芸。延長10回は1死満塁から8番河野が「一番自信を持って決められる」というスクイズを危なげなく決めた。指揮官も「取り組んできたことが出せた。どの引き出しを引いても選手ができるように準備している」と誇らしげだ。

体に染み込ませてきた武器だ。名将の「バントだけは全国のどこにも負けるな」という指令の下、全部員111人で毎日バントとスクイズ、エンドランの3種類を10本ずつ練習してきた。バント練習はストライクのみを打つケースと、スクイズを想定しどの球でも必ず当てるケースの2パターンがある。必ず手投げの球を打ち、長い時でバント練習だけに1時間を費やし、ナインの多くが「外されてもできる」と自信を持つ。

努力に裏打ちされた1勝に「あいつらは本当にすごい。こんな試合ができて、野球をやっていて本当に良かった。練習はうそをつかない」。18日の準々決勝は昨夏の初戦で8-9で敗れた八戸学院光星が相手。豊富な引き出しで強力打線をねじ伏せる。【望月千草】

https://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/201908160001227.html

八戸学院光星・下山サヨナラ打「東北に初優勝旗を」
[2019年8月16日22時3分]

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海星対八戸学院光星 9回裏八戸学院光星1死満塁、中前にサヨナラ適時打を放つ下山昂大(撮影・上田博志)

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海星対八戸学院光星 9回裏八戸学院光星1死満塁、下山昂大の中前サヨナラ適時打で勝利しガッツポーズする八戸学院光星ナイン(撮影・上田博志)

全国高校野球選手権八戸学院光星7-6海星>◇16日◇3回戦

八戸学院光星(青森)・下山昂大内野手(3年)が甲子園の「持ってる男」襲名だ! 6-6の9回裏1死満塁、中前適時打を放って、7-6と海星(長崎)にサヨナラ勝ち。「令和1号」となる開幕戦の満塁本塁打に続き、またも殊勲打で14年以来のベスト8進出を導いた。

18日の準々決勝では、昨夏の1回戦で勝利した明石商(兵庫)と対戦。11年夏から3季連続準優勝を誇る東北の雄が、大旗白河越え成就へ、さらに勢いを増した。

   ◇   ◇   ◇

先発メンバー唯一の青森県生まれ下山が、再びヒーローになった。一塁ベースをまわって中前に落ちた打球を確認するとガッツポーズ。何度も跳ね上がって喜び、仲間の熱い祝福を受けた。「今日は自分でも『持っている』と思った」。汗と土にまみれた笑顔で、真っ白な歯を輝かせた。

実は緊張でガチガチだった。初球をひっかけ三塁線にファウル。カウント1-1となって様子を感じ取ったムードメーカー後藤丈海投手(3年)が、ホームベース付近に伝令で走ってきた。「『お前、チャンスなのにピンチの顔してるやん。主役なんだから笑っていけよ』と言ってくれました」。普段なら「オウっ」と笑顔になるはずが「ンンンンン」と声に詰まった。緊張を自覚し、真っ暗の夜空を見上げて心を落ち着けた。「緊張で守備位置とかも全然見ていなかったのでセンターフライかと思ったけれど、本当に勝てて良かった」。バットも詰まったが「持っている男」の本領を発揮した。

憧れの存在は、同じ弘前市出身の西武外崎修汰内野手(26)だ。毎年オフには実家が近所の外崎と食事して、士気を高めている。「外崎さんを目標に、甲子園出場を目指し、3度目の大舞台で開幕戦ではホームランも打てた。これからも本塁打を狙うのではなく、どんどんチャンスでヒットを打って、東北に初めての優勝旗を持って帰りたい。それが外崎さんにも喜んでもらえる一番のこと」。八戸での自主練習では外崎からプレゼントされた木製バットで素振りを繰り返す。手のマメを何度もつぶしてきた勲章の両手で、強烈な「アップルパンチ」をさく裂させた。

八戸で収穫される特産品にちなんだ「サメ打線」は、3試合連続2ケタ安打で相手投手に食らいついた。1回裏に反撃を開始した2試合連続弾の近藤遼一内野手(3年)は「リストは強いので、うまく逆方向に伸びる打球を打てた」。台風の余波で強く吹く浜風に負けず、右翼ポール際に放り込んだ。3回には太山皓仁捕手(3年)も甲子園初となる右越え本塁打で続いた。「テレビで今大会のホームランシーンを放送していて自分も打ちたいなあって思っていたので、うれしいっす」。愛らしい笑顔もはじけた。

2回から6回まで毎回先頭打者の出塁を許す苦しい展開だったが、3投手も踏ん張った。3番手登板の右腕・山田怜卓(3年)は得意のスライダーを駆使しながら、逆転は阻止。次は、同じくサヨナラで8強を決めた明石商と戦う。苦しんでつかんだ大きな1勝で、東北悲願へ大きく加速した。【鎌田直秀】

https://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/201908160001067.html