甲子園と神戸との二元ライブ体験・1日目

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鶴岡東惜敗…目標の8強逃す 鉄壁守備にほころび
[2019年8月17日20時52分]

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鶴岡東対関東第一 鶴岡東先発の影山(撮影・狩俣裕三)

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鶴岡東対関東第一 3回表鶴岡東1死一塁、左越えに2点本塁打を放つ竹花(撮影・宇治久裕)

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鶴岡東対関東第一 関東第一にサヨナラで敗れ、涙を流し引き揚げる鶴岡東ナイン(撮影・前田充)

全国高校野球選手権:関東第一7-6鶴岡東>◇17日◇3回戦

鶴岡東(山形)が逆転負けで涙をのんだ。関東第一(東東京)に延長11回、6-7でサヨナラ負け。同校初のベスト8を逃した。

2回表に山路将太郎内野手(2年)の適時二塁打で先制も、その裏に4失点。だが3回に竹花裕人外野手(3年)の今大会2本目の本塁打で反撃し、6回に山路の2本目の適時二塁打で追い付き、さらに振り逃げと機動力も絡め再び勝ち越した。7回以降は打線が1安打に抑えられ、史上初の東北勢3校8強進出を逃したが、強豪と最後まで互角に渡り合った。

   ◇   ◇   ◇

ナイター照明のもと、鶴岡東は白熱のシーソーゲームを演じたが、あと1歩のところで目標の8強入りを逃した。11回裏2死一、三塁、サヨナラの打球が右前に飛んだ瞬間、夏が終わった。

2回表に1点を先制も、その裏に相手のビッグイニングが待っていた。先発左腕・影山雄貴(3年)が集中打で逆転を許し、さらに山形大会5試合で1失策、甲子園でも2戦連続ノーエラーの鉄壁守備にもほころびが生じた。2死一、三塁から一塁走者が二塁に走った際に、間に合わないと判断した大井光来捕手(3年)は三塁送球も悪送球。走者が生還し、1イニング4失点となった。

しかし、決して諦めなかった。3回表1死一塁から、竹花裕人外野手(3年)が左中間スタンドに2ランをたたきこんだ。初戦の高松商戦に続き今大会2本目。前回は両もも裏をつりかけ、本塁に戻るのに必死で喜ぶ余裕がなかった。この日は、スタンドインを見届けると、二塁を回る際にガッツポーズ。チームに勢いを呼ぶかのように本塁まで疾走した。6回表1死一、二塁から、再び山路が右中間二塁打を放ち同点。応援席からは「オーシャンゼリゼ」が心地よく響いた。粘投を続けていた影山は7回に追いつかれ降板。2番手の池田康平投手(3年)は延長戦突入後も踏ん張った。

昨年の山形大会決勝では延長11回、羽黒にサヨナラ本塁打を浴びて甲子園を逃した。「1球の怖さ」を思い知り、どんな状況にも動じないよう鍛錬を積んできた。佐藤俊監督(48)は試合前、理想の展開を聞かれ「理想と現実は違うので、起きたことに対応していくだけ。そのための準備はしっかりする。思うようにいかないことの方が多いのが野球。思うようにいかないからこそ野球は楽しいんだと思う」と話した。守備練習ではわざとボールをはじいてから拾い直し、冷静にワンバウンド送球するなど、ミスを想定することで平常心を貫いた。

春夏通じて甲子園で同校初の2勝を挙げた。13年日大山形の4強にこそ及ばなかったが、歴史をつくった。2本の適時打でチームに勢いをつけた山路を中心に、来年また甲子園に戻って、歴史を塗りかえるつもりだ。【野上伸悟】

https://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/201908170001011.html