【光州の風景】金大中コンベンションセンター

先日、大邱浦項で複合施設となっている記念館を見てきたが、現代韓国内でその手の複合的記念館のチャンピオンになるのは、たぶんこちらであろう。


どうやっても全体を一枚には収められないので、展示されてた模型を。

これ全体が人物記念館であればとんでもない規模だが、これは基本的に商業的コンベンションセンターであって、金大中個人の記念は、建物前の記念碑と、「金大中ホール」と題された一角に見ることができるくらいである。記念碑はノーベル賞を前面に押し立てて相当に仰々しいが、金大中ホールは建物全体からすればごく小さなスペースを割いているだけである。


民俗学の分野において、個人の「たましい」を後世まで持続させようとする営みを「墓−神社−人物記念館」と図式化して見せたのは、小松和彦であった。

神になった人びと

神になった人びと

人物記念館は大小様々なものが韓国内各地にもあるが、この金大中コンベンションセンターは、単に人物の記念施設であるというだけでなく、光州新都心のランドマークであるとともに、施設利用によって独立採算的な運営を実現してもいる。ある意味で最も現代的な究極型の人物記念館であるかも知れない。
これが実現可能であったのも、韓国現代史上の「金大中と光州」というペアなればこそ、であるように思う。誰にでもできることでは決してない。