【光州の風景】旧道庁の現在

光州の旧道庁と言えば、光州事件当時、軍部隊が最後の鎮圧目標とした場所である。そこでは多くの人が命を落としている。また、その前のロータリー広場も、たびたび市民集会の場として使われ、光州事件における象徴的な場として人々に記憶されているはずである。
その旧道庁に行ってみた時の写真がこれである。

少し引きのショット。なんか黒い幕のかかっている部分があることが分かる。

その部分に注目してみると…。

要するに、この黒幕部分は撤去されるらしい。
その理由は、この周辺の工事現場案内を見ればわかる。


つまり、旧道庁の建物の〈撤去されない部分〉は、「国立アジア文化殿堂」とやらの一部として残される、ということである。光州地下鉄開通当時の「道庁」駅が現在は「文化殿堂」駅に改称されているのは、この計画を踏まえたものなのだろう。
それにしても、これって「保存」なのだろうか?
ライヒトノカンガルコトハワカラン。
つい、ソウルにある国鉄新村駅の「保存」のことを思い出してしまった。
「文化財として保存された」国鉄新村駅
ともあれ、光州事件当時の建物を見ておきたい人は早めに行っておかないと、「お好み焼き屋のアントニオ」や「機械伯爵邸の鉄郎のお母さん」以下の〈剥製〉しか目にできないことになりそうだ。

道庁前広場の近くには、こんな「アジア文化中心都市弘報館」なるものもあったのだが、時間が遅かったのと気分的に萎えてしまったのとで、中に入らずじまいとなってしまった。