保守研究して、進歩研究して…

でも、本音を言えば、韓国の保守とか進歩とかって一体何なのか、いまだによくわからないんですけどねー。

記事入力 : 2009/07/05 09:04:28
大物言論人から韓国の進歩勢力への忠告
【新刊】南時旭(ナム・シウク)著『韓国進歩勢力研究』(チョンメディア)

 「韓国の究極的課題は民衆が主体となった統一民族国家の樹立だ。これは労働者・農民など勤労大衆と進歩的な知識人勢力が自ら組織化し、この地からファッショ支配体制を追い出し、民族統一を成就する偉大な民衆闘争の勝利によってのみ可能だ」

 新軍部が12・12事件(1979年12月12日に発生。朴正煕〈パク・チョンヒ〉元大統領暗殺後、大統領に就任した崔圭夏〈チェ・ギファ〉元大統領に対し、軍部が起こしたクーデター)で権力を掌握してから1年後の1980年12月11日、ソウル大学生会館と図書館で宣言文がばら撒かれた。「反ファッショ学友闘争宣言」という題名が付いた印刷物だった。当局は現政権を「ファッショ」と断定する「過激な」内容に驚いた。民主化学生運動の地下サークルに大々的な検挙の嵐が吹き荒れた。連行された250人のうち、90人余りが強制的に軍隊に入れられ、10人が拘束された。80年代の学生運動の出発点となった「霧林事件」だ。この事件を機に当時、ソウル大の学生運動を掌握していた秘密サークル「霧林グループ」は廃墟と化した。拷問警官として悪名高かったイ・グンアンは、「反ファッショ学友闘争宣言」にかかわった学生らに対し、「お前たちの事件を“霧林”と命名しよう。霧と林で霧林、いかすだろう?」と語ったという。

 本書は、解放直後から現在までの60数年間、韓国の進歩勢力が歩んできた道を描いている。数多の左派政党や学生運動組織、地下革命組織、進歩的知識人らが登場する。著者は、文化日報社長や高麗大で碩座(せきざ)教授(寄付金によって研究活動が行えるよう大学の指定を受けた教授)を勤めた経験を持つ言論人だ。2005年には『韓国保守勢力研究』を執筆した。著者は、韓国ではなぜ西欧のように社会民主主義勢力が根を下ろせないのか、という点に注目した。1980年代の新軍部統治期に芽生えた左派学生運動の革命的熱気が理性的な討論を飲み込んでいく中、合理的な社会民主主義勢力が足場を作る余地がなくなっていった、というのが著者の説明だ。本書は、韓国の進歩勢力は概して大韓民国の正当性をきちんと認定せずにいる、と批判する。特に民族解放(NL)派は、人間の尊厳、民主主義、そして自由と人権、生命尊重という進歩本来の理想を忘却し、盲目的な北朝鮮政権の擁護から抜け出すことができない、と語った。著者は「韓国の進歩勢力は社会主義の到来を夢見る古ぼけた進歩史観や、いかなる統一でも良いとする盲目的な民族至上主義から抜け出し、新しい時代の潮流に適応できるよう生まれ変わらなければならない」と忠告した。

キム・ギチョル記者

http://www.chosunonline.com/news/20090705000005