ソウル駅前の点字ブロック

こんど行った時にはどうなっているか、ちょっと確認してみることにしよう。

記事入力 : 2009/07/24 14:56:46
【記者手帳】「ソウル市の耳に念仏」

 1日20万人が行き来するというソウル駅の前は、25日に開通する「大衆交通乗換センター」の最終点検作業で慌ただしい。周辺十数カ所に散らばっていたバス停留所やタクシー乗り場を1カ所に集め、「どの交通手段にも乗り換えがスムーズにできるようにする」というのが狙いだが、市民はここに横断歩道を作るという話のほうに関心を持っている。

 ソウル駅前の道路が車両専用になってから41年。再び横断歩道でソウル駅前と旧大宇ビルを行き来できるようにすること、「ソウルの玄関口」と呼ばれるこの場所で幅113メートルにも達する大きな道路を歩いて渡れるということは、確かに魅力的だ。しかし、視覚障害者にとっては、そのすべてが「絵に描いたもち」だろう。なぜなら、ソウル市は「低視力の視覚障害者の歩行に安全を期した」として、横断歩道に点字ブロックを設置したが、それがすべて黒だったからだ。

 黒い点字ブロックは、低視力の障害者たちの目には、深い水たまりのように見え、恐怖の対象になる。障害者・お年寄り・妊婦らの便宜を図り、保障する法律施行規則でも、点字ブロックには原則的に黄色を使用するようになっている。「地面や床の色と似ていて、区別しにくい場合」に限り、黄色以外の色を許可しているだけだ。つまり、「都市の美観とデザイン」などを理由にし、グレーの歩道ブロックとほとんど区別がつかない黒い点字ブロックを設置したソウル市は、原則上はもちろん、例外までも無視していることになる。

 ソウル市内の点字ブロックが批判されるのは、これが初めてではない。今年5月にも「デザインソウル通り」という名で、黒やステンレスの点字ブロックを設置し、本紙の指摘を受けた後、その地域の区庁(区役所)が再び黄色の点字ブロックに変えた。当時、「今後、点字ブロック設置の際は、障害者の意見を積極的に聞き入れる」と言っていたソウル市。それなのに、模範を示すどころか、大勢の人々が行き交う場所に堂々と黒い点字ブロックを設置したのはなぜだろうか。視覚障害者のための点字ブロックにもかかわらず、「機能よりデザインのほうが重要」という考えに端を発しているのか、それとも工事関連部処(省庁)と障害者関連部処(省庁)の間に意思の疎通がなかったからか。だが、それならまだましだ。分かっていながら知らない振りをしていたとしたら、今後もこうした問題が改善する見込みはなさそうだ。

社会部=郭守根(クァク・スグン)記者

http://www.chosunonline.com/news/20090724000055

ちなみに今年5月の『朝鮮日報』紙の報道は次の通りです。

記事入力 : 2009/05/11 15:54:14
視覚障害者の安全を軽視した点字ブロック /ソウル

「デザイン」のみを強調

 ソウル市が「歩道にデザインを施す」として視覚障害者用の点字ブロックを勝手に改造し、物議を醸している。「デザイン」を過度に強調した結果、法令に定められた基準の黄色ではなく、黒やステンレスの点字ブロックを設置し、視覚障害者や弱視の人たちの安全を軽視しているというわけだ。

 今月7日、ソウル市城北区の東小門路にある地下鉄4号線漢城大入り口駅の7番出口。ここから普門路までの700メートルの区間は「デザイン・ソウル通り」として整備され、この日竣工式が行われた。「デザイン・ソウル通り」は、歩道や街路灯、看板などを、デザイン的要素を採り入れて改造したもので、これまでに市内5カ所、計3060メートルが整備された。だが問題は、これらの道路に設置された点字ブロックの多くが、歩道の色である灰色に近い黒だったり、多くの角度からの光を反射するステンレスで作られているため、視覚障害者たちの安全を脅かしているということだ。全国弱視者連合会のミ・ヨンスン会長は「弱視の人たちにとって、黒い点字ブロックは水たまりのように見え、またステンレスの点字ブロックが反射する光は視界を混乱させ、通行の邪魔になる」と話している。

 「障害者・高齢者・妊婦などの利便性の向上および保障に関する法律」の施行規則でも、点字ブロックの色は原則として黄色とし、路面の色と区別がつかないような場合には、ほかの色に変えるよう規定している。また、屋外に設置される点字ブロックは、太陽や街路灯の光を反射したり、雪や雨などによって滑りやすくなる素材を使わないよう明記している。

 それにもかかわらず、ソウル市や一部の区では、「点字ブロックの色を歩道と似たような色にすれば、デザインが生きてくる」として、黒やステンレス性の点字ブロックを設置している。

 「デザイン・ソウル通り」だけでなく、ロッテ百貨店本店の向かいにある明洞入り口の歩道や、崇礼門(南大門)から南大門路や太平路へ渡る横断歩道にも、黒い点字ブロックが設置されている。また、明洞の地下街では点字ブロックの上にガラス戸が設置され、視覚障害者たちが点字ブロックに沿って歩くと、ガラス戸にぶつかることになる。

 視覚障害者や弱視の人たちは「行政機関は点字ブロックが誰のためのものなのかを知らず、安全性よりもデザインの方が大事であるかのように考えているようだ」と強く反発している。

 これに対し、ソウル市と各区は「点字ブロックを黄色とするのはあくまでも勧告であり、必ずしも守らなければならないものではない。外国の都市では、さまざまな色を使っているケースがよく見られる。安全性の問題については検討し、改善するか否かを決める」と主張しており、論議はまだまだ続くとみられる。


明洞地下商店街の点字ブロック視覚障害者たちが点字ブロックに沿って歩くと、ガラス戸にぶつかることになる。/写真=クァク・スグン記者

クァク・スグン記者

http://www.chosunonline.com/news/20090511000054

でもこういった話、必ずしも韓国に限られた話ではありません。
ユニバーサルデザインに程遠い豊田市
参考までに、こんなサイトもありますのでどうぞ。