金大中元大統領、国葬待遇に

個人的には妥当な判断だと思います。
ただ、埋葬地はソウル顕忠院とのことですが、ここにはたぶん大田顕忠院のような「国家元首墓域」は存在しなかったはずです(毎日新聞こう書いていますけど)。
ソウルにある国家元首のお墓は、李承晩と朴正熙という両大統領の、それぞれに個別の墓域。
国葬までするなら、この両大統領の墓域と同様の規模の墓域を造らないことにはきっと収まりがつかないことでしょう。

金大中元大統領の葬儀、6日間の国葬に決定

【ソウル19日聯合ニュース】故金大中(キム・デジュン)元大統領の葬儀が、最も高い礼遇を備えた国葬で執り行われると決まった。葬儀期間は逝去した18日から23日までの6日間で、告別式は23日午後2時から国会議事堂前広場で営まれる。葬儀委員長は韓昇洙(ハン・スンス)首相が務める。また、埋葬地はソウル・銅雀洞の国立顕忠院となる。

 政府は臨時閣議を招集し、こうした内容の計画案を議決する予定だ。

 政府関係者は19日、「国葬ではつりあいが取れないとする一部の意見もあったが、李明博(イ・ミョンバク)大統領が報告を受け、大局的な見地から(国葬と)決定を下した」と伝えた。


ソウル市庁前広場に設置された焼香所には市民が弔問の列を作っている(写真共同取材団)=19日、ソウル(聯合ニュース

http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2009/08/19/0901000000AJP20090819004100882.HTML

金大中元大統領逝去>国葬挙行決定の背景は

【ソウル19日聯合ニュース】政府は19日、これまでの慣例を破り故金大中(キム・デジュン)元大統領の葬儀を最高礼遇の国葬として営むことを決めた。

 こうした決定には、過去50年間に金元大統領が成し遂げた業績と成果が大きく影響した。「行動する良心」として、生涯を民主主義、民族の和解と協力、人権にささげた金元大統領の永眠に対する国民の哀悼を表するには、国民葬という形式はあまりにも小さいという指摘を踏まえた措置とみることができる。

 行政安全部の李達坤(イ・ダルゴン)長官は同日、閣議終了後の記者会見で「遺族の意向を尊重し、故人の生前の業績を称え、これを通じた社会統合の大乗的意義のため、国葬を営むことを議決した」と説明した。政界も「しかるべき決定」(ハンナラ党)、「当然な決定」(民主党)、「(当然な)道理」(民主労働党)と、決定を受け入れている。

 政府は当初、慣例と公平性を考慮し、金元大統領の葬儀を国民葬で執り行う方針だった。青瓦台(大統領府)と同日午後8時に行われた臨時閣議の直前まで、葬儀形式をめぐり議論を重ねたとされる。

 原則と慣例、今後の前職大統領の葬儀に与える影響などを考慮し、国民葬にすべきとの意見も少なくなかったが、湖南(全羅道)の民心と今後の野党との関係、円滑な国政運営などを考慮した上、国葬として営むべきとの意見がより多かったようだ。

 こうした葬儀をめぐる論議は、李明博(イ・ミョンバク)大統領が大局的見地から国葬挙行の決断を下したことで、速やかに整理されたというのが青瓦台の説明だ。


これまで国葬が営まれた大統領経験者は朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領だけだった。1979年11月3日撮影=(聯合ニュース

http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2009/08/20/0901000000AJP20090820000600882.HTML

でも、そうなってくると、永遠のライバルであった金泳三氏や、全斗煥氏・盧泰愚氏らが、どう見てもソウルに比べて格が落ちる大田顕忠院の国家元首墓域に入ることを簡単に了承しますかねぇ…。

立て続けに起きた大統領の死をきっかけに、韓国の国立墓地が、どうやら設計者の意図と違ったところへと動き出しそうです。