九州の高校と韓国の大学

聯合ニュース』サイトに掲載されているこのインタビュー。関東や関西にいてはなかなか知ることができないことを、いろいろと読み取ることができます。

2010/10/03 17:12 KST
<インタビュー>親元離れ対馬で韓国語学ぶ女子高生、田中花保里さん

【東京3日聯合ニュース】駐日韓国大使館などが主催し、日本人の小学生から大学生までを対象に韓日関係の新しい関係の構築に向けたアイデアを募集した「日韓交流作文コンクール」で、高校部門の最優秀賞を受賞した田中花保里(16)さん。

 田中さんは、長崎県でも長崎市内に住む家族と別れ対馬市内に下宿し、県立対馬高校に通う1年生だ。対馬高が日本の公立高校のなかで最高の韓国語学習環境を備えていると考え、親元を離れることを決心した。日本よりも韓国に近い対馬に位置する同校は、1年生の場合、韓国人教師が毎週5時間、韓国語と韓国文化の授業を行っている。2、3年生は授業時間がさらに増える。

田中さんが多少の無理を押して対馬で韓国語を勉強しているのは、子どものころの経験があるためだ。

 父親の転勤で日本各地をまわったという田中さんは、小学6年生(2006年)から中学1年生まで、対馬に住んでいた。当時は対馬を訪れる韓国人観光客が増加しており、2008年の韓国人観光客数は7万2000人と、対馬市の人口3万4000人の倍以上に達した。そのためトラブルも多発した。店内で食べ歩いたり、道に広がって歩く韓国人観光客が多く、そうしたマナー違反を嫌う日本人には、彼らを良く思わない人も多かったと、田中さん。周囲の友人も「韓国人のマナーは良くない」と話していたという。

 小学5年生のころから歌手のBoAのファンだった田中さんは、韓国にも良いイメージを抱いていたため、トラブルが発生する原因を考えた。結局は日本の慣習を韓国人がよく理解していないためで、自分が韓国語を学び、きちんと説明すればいいのだと思い立った。

 田中さんの父親も、対馬に住んでいたことから韓国に好感があり、また韓国ドラマが好きとあり、田中さんに対馬へ行くことを勧めた。娘にさまざまな経験をしてほしいという気持ちからの言葉を、田中さんは深刻に受け止め、対馬高への進学を決心した。今後は韓国の大学に進み、本格的に韓国と関連する仕事に就きたいと考えている。

 田中さんのような思いから、1人「対馬留学」をする生徒は、田中さんだけではない。田中さんのクラスだけでも3〜4人の他県出身者がおり、東京から来たクラスメートもいるという。対馬に韓国と日本を結ぶ心の懸け橋を渡したいという若者たちは、すくすく育っているようだ。


授賞式で権哲賢(クォン・チョルヒョン)駐日大使と握手を交わす田中さん=1日、東京(聯合ニュース

http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2010/10/03/0400000000AJP20101003001800882.HTML

この県立対馬高校を含めた長崎県の離島留学制度については、こちらを参照してください。

http://www.pref.nagasaki.jp/koukou/plaza/index04.html

下は、九州経済連合会のサイトにあったこの制度の紹介文です。

 長崎県では、豊かな自然に恵まれた「しま」の環境の中で学ぶことができる「高校生の離島留学制度」を2003年度から実施しており、五島高校、壱岐高校、対馬高校の3校に特色あるコースを設けている。

 五島高校「スポーツコース」では、柔道、剣道、陸上の3競技を対象として、国際レベルで活躍している講師を招いた実技講習や競技力向上のための遠征などを実施しており、これまでに優秀な成績を収めている。

 壱岐高校「東アジア歴史・中国語コース」の歴史学専攻では、原の辻遺跡での発掘実習や一支国博物館での考古学研修などを実施、中国語専攻では、上海での語学研修・大学訪問などを実施している。

 対馬高校「国際文化交流コース」では、韓国文化の授業や韓国への語学研修などを実施している。

 これまで約400名がこの制度を活用しており、地域のイベントや中国語・韓国語のスピーチコンテストなどにも積極的に参加するなど、充実した高校生活を送っている。また、上海や韓国の大学へ進学するなど、コースで学んだことを活かして活躍する卒業生もいる。

 積極的な目的意識や意欲を持った全国の中学生の皆さんに、自分の夢を実現するため、この制度を大いに活用していただきたい。

《問い合わせ先》
長崎県教育庁高校教育課 TEL:095-894-3354  http://www.pref.nagasaki.jp/koukou/

http://www.kyukeiren.or.jp/magazine/local.php

私がブログを愛読しているめろんさんも、福岡の高校から直接、釜山の東亜大学校に進学しているようですが、九州の高校の進学状況をちょっと調べてみれば、同様のケースはそう珍しいことではないことが分かります*1

福岡と釜山との間の距離を思えば、東日本は言うに及ばず、関西ですらそこまで近くはないですし。


そういう文脈を踏まえていれば、東亜大学校が対馬高校の生徒を対象に入学説明会を開いたという下記の記事も、別に驚くには値しないわけです。

일본 쓰시마 고교생 “동아대로 유학 올래요”
기사입력 : 2010-08-05 16:36


▲ 일본 쓰시마고등학교 교사 및 학생들이 5일 입학을 위한 목적으로 동아대를 방문, 교육시설 등을 둘러본 뒤 승학캠퍼스 본관 앞에서기념촬영을 하고 있다.

【부산=노주섭기자】동아대는 일본 나가사키현 쓰시마(대마도)에 있는 쓰시마 고등학교의 교사 3명과 학생 10명이 입학을 위한 자료수집과 대학환경 등을 보기 위해 5일 대학캠퍼스를 방문했다고 밝혔다.

쓰시마 고등학생들의 이날 방문은 동아대가 국내 대학으로는 처음으로 지난달 5일부터 3일간 쓰시마 고등학교를 방문, 입학설명회를 개최한 데 고무돼 캠퍼스를 직접 찾아 진학을 대비해 교육환경을 둘러보기 위해서다.

이들은 부민캠퍼스에 들러 인터넷 카페와 DVD실, 도서관, 박물관 등을 견학했으며, 구덕캠퍼스의 의료원 등을 살펴본 후 승학캠퍼스에서 취업정보실, 한림생활관, 한국어강의실, 글로벌 존 등을 둘러봤다.

동아대는 이날 이들에게 학부 및 학과, 입시전형, 일본인 유학생 진로상황 등에 대해 상세히 설명했다.

쓰시마 고등학교를 졸업하고 현재 동아대에 유학 중인 츠지 카나코(국제관광학과 4학년) 양도 동행해 이들의 캠퍼스 견학을 도왔다.

쓰시마 고교생을 인솔한 시게마츠 마치코 교사는 “동아대는 시설과 제도가 잘 갖춰져 있고 경치도 뛰어나서 학생들이 오고 싶어할 것”이라며 “앞으로 쓰시마 고교생들이 진학할 경우 잘 부탁드린다”고 말하기도 했다.

http://www.fnnews.com/view?ra=Sent1201m_View&corp=fnnews&arcid=100805162550&cDateYear=2010&cDateMonth=08&cDateDay=05

ちなみに、この記事は一部、下のブログで翻訳されています。

東亜大学と対馬高校 - 福岡発 コリアフリークなBlog

*1:もちろん、韓国の高校→九州の大学というケースも同様です。