韓国の物価事情を垣間見る。

友人のお子さんがちょうど英語幼稚園に通っていたので、幼稚園の費用の話は聞いて知っていますが、少々裕福な家庭でも、これだけの負担をかぶるのは楽ではないに決まっています。

でもねえ、こういうことは、一度始まると、なかなか途中でやめるわけにはいかなくなるんですよ。

記事入力 : 2011/03/06 13:52:21
幼稚園の保育料が大学授業料の4倍!?(上)
大学付属幼稚園代が大学授業料を上回る
一部の高額幼稚園が「私教育」過熱あおる

 ソウル市麻浦区に住む会社員(33)は今年満3歳になる息子を幼稚園に通わせようと、近くのA大学付属幼稚園で説明を聞いて驚いた。幼稚園から「口座に振り込んでほしい」と提示された3カ月間の幼稚園代は176万ウォン(約12万8000円)。しかも、「入園時に必要な通園バッグ購入費」などの入園費45万ウォン(約3万8000円)が別途必要だというのだ。さらに、子供が好む図工の授業を受けさせるには、毎月9万ウォン(約6600円)を別に払わなければならない。この会社員は「入園費・授業料に図工の追加授業料まで入れると、今後6カ月間で450万ウォン(約32万8000円)以上かかる。有名な幼稚園だが、子供が1日5−6時間過ごす費用としては高すぎる」と語った。

■若い親に重くのし掛かる幼稚園代

 一部幼稚園の費用は大学の授業料を上回るほど高騰している。政府による幼稚園費への支援額はわずかで、幼稚園にかかる費用はほとんど保護者が負担しなければならない現実を考えると、月70万ウォン(約5万1000円)、多い場合には100万ウォン(約7万3000円)を超える幼稚園代が家計における私教育費の負担として重くのし掛かっている。

 A大学付属幼稚園の通園費6カ月分(通常授業後の追加授業1科目を含む額)は406万ウォン(約29万6000円)で、同大学の1学期の授業料(352万ウォン=約25万7000円)よりも高い。近くにあるY大学の授業料(417万ウォン=約30万4000円)とほぼ同じ額だ。

 ソウル市松坡区内のある幼稚園も、通園費・食費・材料費に英才プログラムの授業料(20万ウォン=約1万5000円)まで合わせると、毎月68万ウォン(約5万円)かかる。名目は「英才プログラム」だが、全ての園児が受けなければならない科目だ。ソウル市城北区内のある幼稚園では、授業の半分を英語で行うとして毎月の幼稚園代が100万ウォン近くに上る。

 仕事と子育てを両立しているソウル江西区の主婦(32)は「子供を午後まで預かってもらうクラスに入れるには、通常の授業の後に追加授業を受けなければならないため、さらに費用がかかる」と話す。3−4年前は高くても月50−60万ウォン(約3万6000−4万4000円)だった幼稚園代が、今は人気のある幼稚園を中心に月70−80万ウォン(約5万1000−5万8000円)払わなければならないところが増えている。

http://www.chosunonline.com/news/20110306000029

記事入力 : 2011/03/06 13:52:25
幼稚園の保育料が大学授業料の4倍!?(下)

■「英語幼稚園」も値上げに影響与える

 また最近は、語学学校などが幼稚園の形態で幼児課程クラス(通称「英語幼稚園」)を開設し、高い授業料を取っていることから、幼稚園代の値上げを加速させている。英語幼稚園とは、幼稚園に通う年齢の子供を対象に、ネーティブスピーカーが1日中、英語で授業を行う施設だ。しかし、ソウル市内にある英語幼稚園に通うには、月90−100万ウォン(約6万6000−7万3000円)の授業料を支払わなければならない。月に130−170万ウォン(約9万5000−12万4000円)かかる英語幼稚園も十数カ所ある。江南では最近、授業料やスクールバス代などを合わせ1カ月に200万ウォン(約14万6000円)以上かかる英語幼稚園もある。国立大学であるソウル大の授業料(1学期262万ウォン=約19万1000円)に比べ4倍以上という額だ。これらは法的には幼稚園に登録されておらず、幼稚園統計には含まれないが事実上幼稚園と同じだ。

 一部の高額な幼稚園が私教育の過熱をあおっているとは言え、通園費が適正範囲内という幼稚園のほうが多い。全国に約4000ある私立幼稚園の団体である韓国幼稚園総連合会の関係者は「政府は今年初め、公立幼稚園の通園費を5%引き上げたが、私立幼稚園は物価抑制の見地から授業料を凍結した。一部の人気幼稚園を除き、多くの幼稚園が財政難に苦しんでいる」と話す。

 教育科学技術部が昨年把握した全国私立幼稚園の月平均納付額は31万3000ウォン(約2万3000円)だった。月20万ウォン(約1万5000円)台の幼稚園もある。しかし、高額な幼稚園が増えていることから、「ほかの幼稚園も影響を受け、通園費が値上がりするのでは」と懸念する声もある。ソウル市陽川区内にある私立幼稚園の園長は「最近の親たちは幼稚園で英語・バレエ・科学などのレッスンを希望している。英語もネーティブスピーカーでなければ嫌だというので、レベルの高い先生や講師を確保するには結局、費用がかかってしまう」と話している。

卓相勲(タク・サンフン)記者

http://www.chosunonline.com/news/20110306000030

一方で多くの大学生は、学生食堂の低価格の食事が有り難いという経済状況に置かれているのですが、物価高はそうした学生たちにもじわじわと影響を与えています。韓国で食事すると、日本的感覚からすれば相当安いのですが、いずれはそれも変わってくるかもしれません。

大学の学生食堂が廃業、物価高騰に耐え切れず
MARCH 05, 2011 06:40

慶尚南道密陽市三浪津邑(キョンサンナムド・ミルヤンシ・サムランジンウプ)の釜山(プサン)大学密陽キャンパスの学生と教職員約1000人は最近、寮の食堂で昼食を済ましている。キャンパスに1つだけの校内食堂が今月2日、廃業したためだ。校内食堂の運営業者は、「物価は急騰しているのに、2500ウォンの食事代では収益が出ない」として運営をやめた。大学側が冬休みの時、2度も公開入札を進めたが参加業者がなくて流札となった。

釜山市金井区長箭洞(クムジョング・チャンジョンドン)の釜山大学長箭キャンパスの校内食堂4ヵ所のうち1ヵ所の「セッボル会館」も昨年12月、冬休みが始まったら廃業した。委託業者が1年も残っている契約を諦めた。業者は「食料品価格の上昇で売れば売るほど赤字が膨らむ。生存のための措置だ」と説明した。1日平均500〜800人に食事代1700〜2500ウォンをもらっては商売にならないという主張だ。釜山大学側は、「落札価格の引き下げや随意契約など、様々な方策を探しているが、これさえも赤字が目に見えているとして入札に応じる業者がない」と説明した。

物価上昇の煽りが「食事代安全地帯」と分類されていた大学や官公署の構内食堂にまで影響している。食堂運営業者らは「赤字が出る」として廃業するか新学期から値段を上げている。

http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2011030565938

ところで、食事代と並んで韓国で安さを感じる費目に「交通費」がありますが、実はガソリンの値段は日本とほとんど変わらないかむしろ高いくらいです。ですから、タクシーや高速バスなどがあの値段で果たして採算が取れているのか、他人事ながらいつも気になっています。

記事入力 : 2011/03/07 07:41:32
ソウル−釜山間の往復費用、車より飛行機の方が安い!?(上)

 ガソリン価格の上昇が続いている。地方でもすでに、1リットル当たり2000ウォン(約147円)を突破したところが出てきた。ガソリン価格上昇の影響で、地方へ向かうとき以前のように乗用車を利用するのは難しくなった。そこで今回「長距離移動の際、乗用車で行くのと航空機を利用するのとではどちらが経済的か」「ソウル−釜山間を往復する場合、乗用車、航空機、韓国高速鉄道KTX)、高速バスのうちどれが最も経済的か」の2点についてシミュレーションを行った。韓国石油公社によると、5日の時点で、全国のガソリンスタンドで販売されているレギュラーガソリンの平均価格は、1リットル当たり1901.83ウォン(約139.96円)だった。

■ソウル−釜山間の往復費用は「乗用車>航空機>KTX>高速バス」の順

 韓国で中型セダンの代名詞と言えば、現代自動車ソナタだ。公認燃費は排気量2000ccのオートマチック車で1リットル当たり13キロ。京釜高速道路は総延長416キロ、往復832キロのため、これには64リットルのガソリンが必要な計算になる。ガソリン64リットルの価格は12万2000ウォン(約8984円)だ。ただし、エネルギー技術研究院の調査によると、実際の燃費は公認燃費の70%から80%ほどのため、ソナタの場合は1リットル当たり9.1キロから10.4キロで計算しなければならない。そのため832キロを移動するのに必要なガソリンは80〜91.4リットルとなり、価格は15万2200〜17万3900ウォン(約1万1184〜1万2790円)となる。これに高速道路通行料として3万6800ウォン(約2707円)がプラスされるため、乗用車でソウル−釜山間を往復するには、総額18万9000〜21万700ウォン(約1万3900〜1万5496円)が必要となる。

 ソナタではなく現代自のエクウスVS460を利用する場合には、同じ計算方法で費用は26万〜29万ウォン(約1万9100〜2万1300円)へと一気に跳ね上がる。

 一般的に最も高価な移動手段と認識されている航空機はどうだろうか。金浦空港から金海空港を往復するエアプサンなど、一部の格安航空社の往復運賃は、離陸時間によって多少の差はあるが、最低11万ウォン(約8100円)だ。これには空港利用料や燃料サーチャージなども含まれている。所要時間は往復わずか2時間ほどで、乗用車に比べはるかに早い。空港まで移動するための費用や時間を考慮したとしても、1人でソウル−釜山間を往復する場合には、乗用車よりも飛行機の方が経済的なのが分かる。

http://www.chosunonline.com/news/20110307000006

記事入力 : 2011/03/07 07:41:40
ソウル−釜山間の往復費用、車より飛行機の方が安い!?(下)

 KTXは平日と週末で多少の違いはあるが、レギュラーシートを利用する場合、通常10万3600〜11万1000ウォン(約7624〜8169円)となる。往復に要する時間は5時間ほどで、費用も時間も乗用車のおよそ半分だ。高速バスでの往復は一般バスで4万4000ウォン(約3238円)、優等バスで7万2000ウォン(約5299円)となり、移動手段のうち最も費用がかからないが、往復にかかる時間はおよそ9時間と長い。

■ガソリン価格の高騰で低燃費車が増加

 最近は車の運転にかかる経費を抑えるためか、燃費のよい車が増えている。高速バス料金とほぼ同じガソリン代で、ソウル−釜山間を往復できる車もある。エネルギー管理公団によると、韓国国内で販売されている車のうち、公認燃費が最も優れているのはトヨタハイブリッド車プリウス」で1リットル当たり29.2キロ。一方、燃費が最も悪いのはフェラーリ612スカリエッティの同4.2キロだ。

 現在、韓国国内で販売されているオートマチック車の中で、ガソリン1リットル当たり20キロ以上走行できるのはトヨタの「プリウス」「レクサスCT200h」、ホンダの「シビック・ハイブリッド」「インサイト」、フォルクスワーゲンの「ゴルフ1.6ブルーモーション」、プジョー「3008」「308」、現代自の「エクセント・ディーゼル」など計8車種で、いずれもハイブリッド車ディーゼル車ばかりだ。

 現在、軽油の全国平均価格は1リットル当たり1710ウォン(約126円)となっており、ガソリンと比べ10%ほど安い。ゴルフ1.6ブルーモーションはディーゼル車で、燃料となる軽油1リットル当たりの燃費は21.9キロだ。この車でソウル−釜山間を往復する場合の燃料代は、公認燃費で計算すると6万5000ウォン(約4782円)ほどになる。

李陳錫(イ・ジンソク)朝鮮経済i記者

http://www.chosunonline.com/news/20110307000007