「大学構造改革」の詳細

昨日も取り上げたのですが、「朝鮮日報」日本語サイトが大学ランキングの話題そっちのけで精力的に記事をアップしているので、改めてクリップ。

記事入力 : 2011/09/06 10:55:46
円光大、牧園大など43校への政府支援中断
大学改革が本格化

 円光大学、牧園大学、秋渓芸術大学など全国の43大学が「不実大学(就職率が非常に低かったり、定員割れが深刻な状況にあるなど、大学としての機能を果たせていない大学)」に指定され、来年度以降、政府からの支援が受けられなくなることが決まった。内訳は四年制大学28校、専門大学(短期大学に相当)が15校だ。

 政府が進めている大学構造改革の第一段階は、まず該当する大学に対する政府による財政支援ストップだ。その後も大学側が自ら改革に乗り出さない場合、最終的には「認可取り消し」もあり得るという。

 教育科学技術部(省に相当)は5日「全国346の大学(四年制200校、専門大学146校)を対象に実態調査を行ったところ、17校を“学費融資制限大学”とし、またこの17校を含む43校を“政府支援制限大学”にすることが決まった」と発表した。

 教育科学技術部によると「学費融資制限大学」のうち、コンドン大学、明信大学、ソンギョチョン大学(旧・聖民大学)、成和大学の4校は経営に深刻な問題を抱えているため、在学生対象の学資金融資が30%までに抑えられ、また牧園大学、円光大学、秋渓芸術大学など13校では、在学生対象の学資金融資が授業料の70%までに制限される。

 慶南大学、慶星大学、慶州大学、祥明大学、西南大学、西原大学など23校は、学資金の融資制限はないが、大学は政府からの財政支援が受けられなくなる。

アン・ソクペ記者

http://www.chosunonline.com/news/20110906000034

記事入力 : 2011/09/06 10:58:56
認可取り消し候補大学、年末までに選定へ(上)
大学改革が本格化

 就職率が非常に低く、また定員割れも深刻な状況にあるなど、大学としての機能を果たせていない大学に対し、認可の取り消しを見据えた政府の基本計画の内容が明らかになった。教育科学技術部(省に相当)は5日、4段階からなる大学構造改革の具体的な内容を発表したが、それによると(1)政府による財政支援の中断→(2)学資金融資制限→(3)認可取り消し候補の洗い出し(経営に問題のある大学)→(4)認可取り消し、という流れになっている。今回発表されたのは、この4段階のうち(1)と(2)に該当する大学だ。

 今後は大学側が、学部・学科の統廃合や定員の削減などに自ら取り組まねばならず、これをも怠っていると見なされた場合には、次の段階の「認可取り消し候補」に指定される。今回発表されたのは第1段階の26校と第2段階の17校で、その中の一部は改めて審査が行われ、年末までに第3段階の「認可取り消し候補」(経営に深刻な問題のある大学)として名指しされる可能性が高い。つまりこれらの大学は、来年発表予定の第4段階(認可取り消し)に含まれることもあり得るということだ。

■自助努力がなければ認可取り消し

 この日発表された43大学の内訳は、四年制私立大学28校(首都圏8校、地方20校)と専門大学(短期大学に相当)15校(首都圏3校、地方12校)となっている。これらの大学は来年度から政府財政支援事業の申請資格が剥奪され、保健や医療分野の定員を増やすこともできなくなる。今回名前が挙がった大学には、昨年だけで総額1300億ウォン(現在のレートで約93億4300万円)の政府支援が行われた。ただし学生個人への奨学金や、教授の個人研究費は引き続き受け取ることができる。今週中に与党と政府が発表する予定の「大学生授業料負担緩和事業」についても、現時点の在学生はその恩恵を受けることができるが、来年の新入生からは適用されない。

 「融資制限大学」とされた17校は、来年度の新入生に対する学資金融資に上限が設けられる。世帯所得を低い方から10ランクに分けたうち、(所得が比較的高い)8〜10ランクに該当する新入生は、授業料の30%から70%までしか融資が受けられない。ただし1ランクから7ランクまでは融資を受けることができる。大学構造改革の影響が低所得層に及ぶのを防ぐためだ。

http://www.chosunonline.com/news/20110906000035

記事入力 : 2011/09/06 10:59:03
認可取り消し候補大学、年末までに選定へ(下)
大学改革が本格化

 教育科学技術部は11月までに「融資制限大学」を中心に現地調査を行い、12月にはより厳しい構造改革を求める「認可取り消し候補大学」(経営に問題のある大学)を発表する計画だ。これに該当する大学は、学部・学科の統廃合、定員削減などの自助努力により状況を改善させなければならず、それでも成果が出ない場合には認可が取り消され、最終的には大学の閉鎖や法人解散などの手続きが行われるという。

■定員の充足率と就職率が主な指標

 教育科学技術部は大学構造改革委員会と学資金融資制度審議委員会などの審議を経て、財政支援を中断する大学43校(第1段階)を選んだと説明している。

 これは教育科学技術部の李周浩(イ・ジュホ)長官が今年7月「全ての大学に対して同じように政府が支援を行うのは、望ましいことではない。下位15%に相当する大学には支援を中断する」と発表したことを受けてのものだ。この方針に沿って、教育科学技術部は7月に「大学構造改革委員会」を設置し、対象となる大学に対して審査を行ってきた。構造改革対象大学を選ぶ際の評価の基準は、在学生の定員充足率が30−40%、就職率が20%となっており、この二つの項目が大きな比重を占めている。今回はこれらの審査によって点数が低い順から43校が指定された。財政支援が中断される大学のうち、就職率(四年制大学45%、専門大学50%)、在学生定員充足率(四年制90%、専門大80%)、専任教員確保率(四年制61%、専門大50%)、教育費還元率(四年制90%、専門大85%)などの絶対指標のうち、2項目以上を充足できなかった大学は、次の段階の融資制限大学となる。

 教育科学技術部は今月中をメドに、全国に38校ある国立大学に対する評価も発表する予定だが、今のところ6校が特別管理大学に指定される見込みだという。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者

http://www.chosunonline.com/news/20110906000036

記事入力 : 2011/09/06 11:00:17
政府の財政支援中断、対象大学は「パニック」

 教育科学技術部(省に相当)が5日、学費融資制限・財政支援中断の対象大学を発表すると、円光大学や祥明大学など知名度の高い大学は大きな衝撃に包まれた。

 円光大(全羅北道益山市)は「円仏教(1916年に韓国で創立された仏教の一宗派)系の大学として65年にわたり築いてきた地位を、教育科学技術部が八つの指標だけで判定したことは遺憾だ」と述べた。

 同大学は全羅道の主要私立大学の一つで、医学部・歯学部、韓方(韓国式の漢方)医学部があり、優秀な医療人材を輩出してきただけでなく、2008年にはロースクール法科大学院)も誘致した。全国の四年制大学200校のうち、ロースクールのある大学は25校にとどまる。

 円光大は「大学の強みである医学部・歯学部、韓方医学部の卒業生は今回の就職率統計から外され、不利益を受けた。2010年の指標だけで経営不振の大学を選定したことも問題だ」と主張した。その一方で「今回の危機を再跳躍のチャンスと見なし、換骨奪胎(他人の発想などをうまく取り入れて生まれ変わること)した姿を見せられるよう、教職員全員で協力していきたい。全国トップ30校に入るため、先ごろ定員の9.1%削減などを骨子とする構造改革案をまとめた」と述べた。

 祥明大(ソウル市)も同日に報道資料を出し「負債もなく健全に経営しているにもかかわらず、財政支援制限対象に含まれたことに対し、強く問題を提起する」と抗議した。大学は文化・芸術関連の学生が50%ほどを占めており、フリーランサーとして働く卒業生が多いが、企業の健康保険加入者だけを就職率に反映していることは問題だと指摘した。

 また、慶南大(慶尚南道昌原市)は、昨年までに1000億ウォン(約70億円)の発展基金を集めるなど、大学の力量強化に努めてきたことを説明した上で「就職率の場合、3−5年の推移を比較せず、細工が可能な年間の就職者増加率だけを比較している」と指摘した。慶星大(釜山市)は「インターンシップ専門会社に数億ウォン(数千万円)を払い、学生のインターンシップを委託するやり方で短期間に就職率を上げ、よい評価を受ける大学が多い」と批判した。

 牧園大(大田市)は「全体の20%を超える音楽・美術関係の学生は、大半が個人レッスンやスクール講師、創作活動に従事するため、就業者統計に含まれていない」と説明した。同大学のキム・ウォンベ総長は同日、教授らと緊急会議を開き、対策を協議した。

全州=金昌坤(キム・チャンゴン)記者

http://www.chosunonline.com/news/20110906000037

しかしこれ、どこまでいっても経営と財政の話であって、教育の中身の話はありませんねえ。雨後の筍のように大学が林立して乱脈経営や破たん寸前の大学が出てきたのも、それを受けて進められようとしている構造改革も、結局はビジネスの問題以上の何物でもないってことでしょうか。