愛知県教育委員会をめぐる「読売新聞」の報道
これらの報道、全国規模のものには、なっていないようです。
今さら時間を巻き戻すことができないのであれば、隠され、ごまかされて、なかったことにされている真実を、そのままにしないことくらいは、できないものか。
そう思います。
わいせつ教員を公表せず…愛知県教委
わいせつ行為などで昨年度、愛知県教育委員会から過去最多の計9人(教員8人、事務職員1人)が懲戒免職処分を受けていたことが、読売新聞の取材でわかった。
このうち4人のケースは、「被害者が教え子のため、特定される恐れがある」などとして公表していなかった。同様の理由から、過去5年で計11人の懲戒免職処分が明らかにされておらず、専門家からはこうした対応に疑問の声が上がっている。
愛知県内(名古屋市を除く)の教員や事務職員に県教委が行った過去5年の懲戒処分について、読売新聞が情報公開請求したところ、免職は計25人、停職は計23人に上った。このうち非公表だったのは計15人(免職11人、停職4人)で、全体の3割を占めていた。
(2012年4月20日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20120420-OYT8T00534.htm
教え子へのわいせつ、ぼかして報告した県教委
愛知県教育委員会が教え子へのわいせつ行為などで懲戒免職や停職処分とした教員らを非公表としていた問題で、同県教委は文部科学省へも2010年度の処分内容を正確に報告していなかったことがわかった。
毎年12月に前年度の教職員の懲戒処分状況を公表している文科省は、「公表結果の信頼性が損なわれかねない」として、今後、愛知県に対し正確な報告を求める方針だ。
文科省は各教委からの報告を基に作成した資料の中で、処分教員の年代や勤務する学校の種類、わいせつ行為の相手などに分けて人数をグラフ化。このうち、相手については「自校の生徒」「自校の児童」「自校の卒業生」「教育実習生」「その他」など八つに区分している。
しかし、愛知県教委は2010年度の処分で、教え子へのわいせつ行為だったことを理由に非公表としていた免職4人、停職1人のケースについて、実際には被害者が「自校の生徒(児童)」だったのに、文科省には「その他」として報告していた。
県教委教職員課は「文科省に報告すれば、教え子へのわいせつ行為の件数などが公表されるので、あえて『その他』とぼかして報告した」と説明している。
(2012年4月22日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20120422-OYT8T00353.htm
体罰、5年度分すべて懲戒しなかった愛知県教委
愛知県教育委員会が2007〜11年度、計36件の体罰事案すべてで、関係者を懲戒処分でなく、より軽い訓告などの内部処分にしていたことが、読売新聞の取材でわかった。
中には、骨折や鼓膜損傷など3週間以上のけがを負わせたケースもあった。学校教育法で禁じられている体罰を巡っては、すべて懲戒処分にする教育委員会もあり、対応の差が際立っている。
体罰を行った教職員に対しては、地方公務員法に規定された懲戒処分と、内規で決められた処分があり、各教委が基準を設定。愛知も05年度から、〈1〉児童・生徒を死亡させるか、重大な後遺症が残るけがを負わせた場合、免職か停職〈2〉それ以外の体罰を行った教職員は停職、減給、戒告のいずれかの処分――などとする基準を適用している。
しかし、愛知県教委が07〜10年度に文部科学省へ行った報告によると、体罰26件のうち、23件で児童・生徒が負傷。さらに、読売新聞の取材で判明した11年度の10件を加え、07年度以降、計36件の体罰があったが、懲戒処分はゼロだった。
(2012年6月18日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20120618-OYT8T00591.htm
体罰処分「線引き難しい」…懲戒ゼロで愛知知事
愛知県教育委員会が2007〜11年度に起きた計36件の体罰事案の全てで、関係者を懲戒処分より軽い訓告などの内部処分にしていた問題について、大村秀章知事は19日の定例記者会見で、「体罰は学校教育法などで禁止されており、厳正に対処してほしいと申した」と述べ、県教育委員会に体罰の禁止を指示したことを明らかにした。
県教委は昨年度までの5年間、骨折や鼓膜損傷などのけがを負わせたケースでも、「酌量すべき事情があった」などとして懲戒処分とはせず、文書、口頭訓告処分にとどめていた。懲戒処分がなかったことについて、大村知事は「生徒から殴りかかられて自己防衛するなど、体罰と言ってもケース・バイ・ケース。しゃくし定規に線引きして処分するのは難しく、現場の事情も考慮して判断したと聞いている」と述べ、県教委の判断の是非については言及しなかった。
(2012年6月21日 読売新聞)
いじめ撲滅に向けて知事緊急メッセージ
大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題を受けて、大村秀章知事は20日、いじめ撲滅に向けた緊急メッセージを発表した。
大村知事は小学校頃まで、犬にかまれて出来た顔の傷痕が原因でいじめられた経験に触れ、「弱い者いじめは人間として恥ずかしいこと。勇気を出して、いじめをなくしていきましょう」「一人ぼっちで悩まずに、いじめられていることを話して下さい。君のことを心配し、力になってくれる人が必ずいます」などと呼びかけた。
開設されている電話相談窓口は、臨床心理士らが24時間体制で応じている「いじめほっとライン24」(0570・078310、PHS、IP電話は不可)、県教育委員会の「いじめ不登校相談窓口」(052・961・0900、月〜金、午前9時〜午後4時)。
(2012年7月21日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aichi/news/20120720-OYT8T01397.htm
調査ずさん…愛知・県立高校生自殺
昨年6月に起きた愛知県立高校2年の男子生徒(当時16歳)の自殺をめぐり、同校と県教育委員会の実施した「初期調査」が不十分だったことが、関係者への取材でわかった。
文部科学省は、児童・生徒が自殺した場合、学校などに対し、できる限り全教員から迅速に聞き取り、再発防止につなげるよう求めているが、ごく一部の教員からしか聞き取りを行っていなかった。県教委はその後、第三者による調査委員会を設置、自殺の背景などを調べている。
関係者によると、野球部に所属していた男子生徒は昨年春、「部活をやめたい」と家族に話すようになり、同年5月下旬から部活を休むようになった。翌6月初旬には、部活に来ないことに気付いた顧問から呼び出しを受けたが、応じず、2日後に練炭自殺した。遺書は見つかっていない。
昨年6月、文科省が県教委などに通知した文書によると、児童・生徒の自殺があった場合、学校はできる限り全教員と、可能な範囲で自殺した子とかかわりの深い在校生から話を聞くよう求めている。
しかし、同校が聞き取りをしたのは、70人以上の在籍教員のうち、担任と部活の顧問の2人だけ。その後、県教委も追加調査したが、対象は担任ら2人に加え、校長と教頭、部活の別の顧問2人の計6人にとどまっていた。
読売新聞の取材に、県教委は「できる限り全教員から話を聞くように指示したが、学校側は自殺の事実が校内に広がることを懸念し、わずかな教員からしか聞き取らなかった」と説明。追加調査については、「遺族が『そっとしておいてほしい』という意向を持っていると考え、本人をよく知る教員の範囲にとどめた」としている。同校では、野球部顧問の1人が、別の生徒への体罰を行っていたことが調査の過程でわかり、県教委が昨年度、文書訓告の処分を行っている。
男子生徒の遺族は、「息子は顧問から直接体罰を受けていないが、他の生徒に暴力をふるう様子を見て、恐れていた。自殺した経緯を考えると、体罰の問題と因果関係があると思う。調査で明らかにしてほしい」と訴えている。
文科省児童生徒課は「個別の案件についてはコメントできない」としている。
(2012年7月20日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20120720-OYT8T00603.htm
高2自殺、徹底調査を指示 愛知県教委に大村知事
昨年6月に起きた愛知県立高校2年の男子生徒(当時16歳)の自殺を巡り、同校と県教育委員会の「初期調査」が一部の教員にしか実施されなかった問題について、大村秀章知事は20日、県教委に対し、第三者委員会での調査を徹底するよう指示したことを明らかにした。大村知事は、教員への聞き取りが限定的となったことについては「自殺直後、遺族から『そっとしておいてほしい』と言われたためだろう」とする一方、「葬儀後、『事実関係はしっかり調査してほしい』と求められている」と言及。「遺族の気持ちを受け止め、調査委員会できっちり原因を調べるよう指示した」と述べた。
文部科学省は児童・生徒が自殺した場合、できる限り全教員から迅速に聞き取るよう求めているが、同校ではごく一部の教員からしか実施していなかった。
(2012年7月21日 読売新聞)