朴槿恵大統領就任

昨日は確かにそういう日でしたね。この件についての政治的な分析は、専門家が別途色々とやってくださるでしょう。

ただ、この記事(の正確には見出し)を見て引っかかったのは、「そんなこと、大統領自身は課題だと思ってもないんでないの?」ということでした。個々の局面ではもちろん、様々な動きもあるでしょうけど、今回の大統領は、徹底して「朴正熙の娘」であろうとするんやないのかなー、と、大した根拠はありませんが、個人的にはそう思っています。大統領になって、5年間の任期を与えられた以上は、選挙の時のように遠慮をしたり気兼ねをしたりする必要は、もうありませんしね。

この選択は、朴正熙の娘としてふさわしいか、父・朴正熙の名を汚してはいないか。

あるいは、父・朴正熙ならこんな時、何を考えて何を選択するか。

そんなことを考えながら、5年の任期を過ごすような気が、私にはします。したがって、「朴正熙の影」は、最後まで*1残り続けることになるでしょう。別の言い方をすれば、「父を受け継ぐ」という意思はあるような気がするのですが、「父を乗り越える」という方向性が私には感じられないんですよねえ。

その意味で、「女性大統領」というのは、事実ではあるのですが、それ自体にあまり意味はないような気がします。朴槿恵が見ているのは朴正熙であり、敢えて言えば「娘大統領」とでも表現すべきなのでしょう。

韓国新大統領:「父の影」一掃が課題
毎日新聞 2013年02月25日 21時11分(最終更新 02月26日 01時44分)


大統領就任式を終えて会場の参加者に手を振る朴槿恵大統領=ソウルで2013年2月25日、ロイター

 【ソウル澤田克己】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領による25日の就任演説は、1960〜70年代に政権を握った父朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の影を強く感じさせるものだった。政権の人事や運営でも、野党を中心に「父親を連想させる」という批判が既に出始めている。経済成長の立役者であると同時に軍事政権の独裁者だった父の影を振り払えるかが、新大統領の課題となる。

 朴氏は演説で、朴正熙政権下での驚異的な経済成長を指す「漢江の奇跡」という言葉を4回使い、同時期に多用された「なせば成る」という表現も盛り込んだ。経済成長を再び成し遂げて、公約である福祉拡充を実現させようというのだ。

 だが、新政権の船出は順調とは言えない。87年の民主化以降、新政権発足に合わせた省庁再編が韓国では恒例となっているが、今回は初めて、法案成立のめどすら立っていないのだ。妥協を嫌う原則主義者である朴氏の強硬姿勢に、野党関係者の口からは「(軍事政権だった)30年前に逆戻りしかねない」という言葉まで飛び出している。

 省庁再編の争点は、放送行政の一部を放送通信委員会から新設される未来創造科学省に移管すること。放送委は与野党双方が推薦した委員の合議体のため、移管は野党の影響力低下につながる。野党は猛反発しているが、朴氏の姿勢は固い模様だ。最大野党・民主統合党の朴起春(パク・ギチュン)院内代表は24日、「朴氏の『独断政治』に大きな責任がある」と、朴氏を正面から批判した。

 閣僚人事も遅れており、現時点で任命手続きが終わった閣僚はゼロ。任命前手続きである国会聴聞会が終わるのは、早くて3月上旬だ。しかも、国防相に指名された金秉寛(キム・ビョングァン)元米韓連合軍副司令官(64)ら複数の閣僚候補者に、利権がらみの疑惑などが指摘されている。

 野党側は特に金氏を問題視するが、朴氏は22日、軍視察に金氏を同行させた。「人事を強行する考えを示した」(韓国メディア)と受け取られており、民主統合党は「疑惑を無視しようとする独善的態度だ」と反発。与党議員も「閣僚人事を強行したら円滑な職務遂行が難しいのに」と懸念を語る。

http://mainichi.jp/select/news/20130226k0000m030088000c.html


仮に私の考えていることが的外れでないとしたら、朴槿恵の考えていることを知りたければ、デジタルメディアシティー駅から近いここに通うことが大きなヒントになるだろう、ということにもなりますね。






*1:極端なことを言えば、大統領退任後も、人生の最期まで、だと思います。