【北京の風景】北京市八宝山殯儀館

「Record China」に掲載されていたこの記事。実際調べてみると、このところの中国ではこのニュースがけっこう話題になっていたようです。同趣旨の記事が大量に引っかかってきます。

北京市民は死ぬのも大変?墓地が高騰、1平方メートル400万円のところも―中国
配信日時:2014年4月10日 5時50分



7日、北京では墓地の価格高騰が深刻化しており、北京市民が比較的価格の安い河北省で墓地を購入するという現象も見られる。

2014年4月7日、北京で土地不足による墓地の価格高騰が深刻化している。その値は住宅価格の何倍にもなっており、最高で1平方メートル25万元(約400万円)のものもある。中国広播網が伝えた。

今月5日は中国のお盆「清明節」。墓地には多くの人が先祖の墓参りに訪れ、故人を懐かしんだ。しかしこの墓地の価格が、北京では毎年10〜15%値上がりしている。価格帯は数万元〜数十万元(数十万円〜数百万円)までさまざま。面積や環境によって価格が異なり、安いものだと3万元(約48万円)程度から購入可能だが、面積はわずか0.5平方メートル足らず。16万元(約256万円)の墓地でも1.5平方メートルで、骨箱2個ほどの面積しかない。北京の土地不足の深刻さがうかがえる。

このような事態を受けて、北京市民が河北省で墓地を購入するという現象が生まれている。北京を取り囲むように位置する河北省では、墓地の平均上げ幅は5%程度で、北京と比べて格段に安い。一般市民にとって墓地は高嶺の花となっている。(翻訳・編集/藤)

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北京多家墓地单价超住房2倍多 市民到河北买墓-财经频道 - 新华网

墓地価格が高騰して従来通りの墓地を手に入れるのが困難となれば、さしあたりは場所を変えるか、面積を切り詰めるかということになります。ただそれも、対症療法でしかありませんから、いずれは墓地の形態そのものの変化が一般的になっていくでしょう。韓国で見てきた葬墓の変化は、基本的には中国でも同様に見られるものと思われます。

で、北京市で死者と関わりのある場所と言えば、おそらく第一に名前の挙がるのは八宝山でしょう。ここは、著名人も多数眠る「八宝山革命公墓」の所在地であると同時に、北京最大の殯儀館の所在地でもあります。



大通りから直角に折れて殯儀館へと向かう道に入ると、左手には葬儀用品などを取り扱う店舗がずらっと並んでいます。「北京市民なら、ここで行われる葬儀に参列したことのない人はいない」と言われるだけのことはあります。




その先、右手に殯儀館への入り口が見えてきます。自動車やバスで来るのが普通になっているようで、かなり大きな駐車場が完備されています。




殯儀館のメインの建物となっている儀式楼は、なかなか押し出しの効いた巨大な建物ですが、これ自体には単なる葬儀場の機能しかないようです。




具体的な事務手続きは、横手にある平屋の建物で行われているようです。


で、その奥にあるアーケードがかぶさった通路の奥には、火葬を行なう建物があります。



また、儀式楼は小さな葬儀場の集合体という感じなのですが、駐車場の南側に、大規模な葬儀用の建物と思われる「大礼堂」があります。この大礼堂の横手には回廊に囲まれた駐車場スペースが別途設けられています。外側からしか見ていませんが、その規模からは何だか天理教教会本部の神殿が思い出されます。



「八宝山殯儀館」というと、だいたいまあこんなところになります。博物館もあった上海の龍華殯儀館と比較すると、見どころという見どころはあまりありません。

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ただしそれは、殯儀館単独で比較すればの話であって、八宝山殯儀館には隣接した革命公墓は、なかなか見どころのある場所です。

が、長くなってきたので、そちらについてはまた改めて。