ふーん、といった感じのニュースですけど。
http://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/academics/zenki/peak/
「優秀な留学生獲得を目指す世界の大学間競争の厳しさ」というくだり、それ自体は必ずしも間違ってはいないと思うんですよ。でもそれ(だけ)なら、授業料を免除して寄宿舎を無償提供して奨学金つけて、カネで解決できなくはないでしょう。
でも、もっと問題なのは「日本の東京にある東京大学の教養学部で英語で授業を受けることに、どんな意味があるのか」を受験生に示せているか、だと思うんですよ。
東大の教養学部が英語でやってる授業内容が、英語圏の大学でも学べるものだとしたら、授業以外の環境面を考えても、初めから英語圏の大学に行った方がいいでしょう。早い話、アイビーやオックスブリッジどころか、「シンガポール国立大学やオーストラリア国立大学・香港大学などに行った方がええんとちゃう?」となるんやないですか?
リアルに東京大学と競争になるのは、北京大学とかソウル大学校、あと台湾大学あたりなんでしょうねえ。そうなってくるとこれは、単純な大学間競争にはとどまらないでしょう。留学しようという学生を惹きつける「国の魅力」の競争で、日本はどうやって優位性を確保するか。その辺についての当局者や有識者の考えが聞いてみたいですね。
東大合格者7割、入学辞退 日本最難関「滑り止め」に
主に外国人留学生を対象に、受験も授業も英語で行う東京大教養学部英語コース(PEAK)への合格者の入学辞退率が年々高まり、2014年度合格者(同年10月入学)の7割近くが東大を蹴って外国の有力大に進学したことが28日分かった。文部科学省が日本の主要大学の国際化を急ぐ中、最難関大が「滑り止め」にされる現実は、優秀な留学生獲得を目指す世界の大学間競争の厳しさを示しており、関係者は危機感を募らせている。
英語で行われている授業の選択肢が限られ、奨学金制度も欧米の有力大と比べると手薄なことが原因とみる声が学内にはある。東大は奨学金制度の拡充などを急いでいる。
2015/03/28 10:02 【共同通信】
この話を取り上げたハフィントンポストの下記の記事も読みましたけど、竜頭蛇尾って言うんでしょうかねえ。この記事のしょぼくれた締め方が、東京大学の置かれたポジションを図らずも示しているような…。